【SS】二重人格ごっこ②｜＃毎週ショートショートnote
「博士、ズボンに何か付いてます。あ、これはヒユ科イノコヅチ属のヒカゲイノコヅチですね。」
助手の井上は、フィールドワークから戻ってきた植物学者の木下のズボンの裾についていた種を、ウエットティッシュで素早く取り除いた。
「ありがとう。もう、そういう季節になったのか… センダングサやヌスビトハギとか、服に付くと厄介だからな。」
「子どもの頃、服に付けて模様を作ったりして、お母さんに怒られたりしませんでしたか？博士。」
「やったなぁ。遊んだ後に手でつまんで取るのが大変だった。」
オナモミを使って雪合戦みたいに投げ合ったりしたことなど昔話が膨らんだ。
「そう言えば、井上。イノコヅチの花言葉を知っているか？」
「いいえ？」
「『二重人格』だ。ヒナタとヒカゲがあるからじゃないかな？まぁ、花言葉なんて余興みたいなもんだがな。」
｢博士も真面目な時と無邪気な時と極端で、二重人格ごっこしているみたいですよ。」
［410字］
ちょっと無理矢理だったかな…😅
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