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雑考「枕草子」|#シロクマ文芸部(約600字)

夏は夜… 「枕草子」か。


月のころはさらなり。

枕草子

満月が良いという意味だったわよね。満月、最近はいつ見ただろう。今度の満月は7/21(日)らしい。お天気とか大丈夫かな。熱帯夜で満月がぼんやりと膨張して見えていたら、趣もなさそうだけど…


闇もなほ、螢のおほく飛びちがひたる、また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし。

枕草子

月の見えない夜も素敵… という意味で、周りを蛍が飛ぶ風景を描いているけれど、こちらの風景も一体いつ体験しただろう。約20年前だろうか?今いる地へ越してきた時に、近隣に蛍が見られる場所があると聞き、家族で観光?に訪れたきりだ。蛍より観光客(自分たち含む)がいっぱいで、風情はあまり感じられなかった。蛍も「俺たちの世界を覗きにくるなよ」と、きっと怒っていたに違いない。


雨など降るも、をかし。

枕草子

きっと、サーッと降る夕立みたいな雨のことだと思うのだけど、近頃の夕立…ゲリラ豪雨や線状降水帯には全く趣を感じず、むしろ地球温暖化とか破滅の予兆を感じて恐ろしくもある。昔は一雨降ると、地熱を冷やし涼しさを感じさせたものだが、今は熱風と湿気を増やしている気がする。しかもいきなりの瞬間豪雨だから、傘がないとあっという間に全身ずぶ濡れになる。「ちょっと雨に降られまして…」とタオルで肩など拭き笑って終わる話ではない。

清少納言もビックリだろうな。彼女が「今」を描くなら、どんな夏になるだろう。『にくきもの』につけ加えられるのだろうか…

#シロクマ文芸部
#夏は夜

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