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眠り薬-楽曲解説的エッセイ-

 今回またピアノ曲を公開してみたので、解説的な形で紹介したい。今回の曲は高校生ぐらいの頃に書いた曲で、曲名は特に意味はなくて、曲のイメージでつけた。実を言うと作曲の仕事をしているのに、未だにタイトルをつけるのが苦手で、ミックスが終わってからやっとつける事が多い。歌物であればある程度テーマを決めてから曲を書くことがあるので、まだ曲名は付けやすいのだが、それでも曲が出来てから曲に合う曲名を後からつける方が多い。

 ピアノ曲に関してはさらに跡付けとなりがちだ。メロディーがしっかり変わるタイプではなくて、ある程度繰り返す形の曲。コードも循環コードなので、楽曲中の動きがほとんどない。私の曲の中で循環コードのまま最後まで進む曲は少ない。当時は循環コードという概念を持って作っていたわけではないのだが、時々私はいつもはやらないことを急にやってしまう。それが今回の曲だ。

 それでもメロディ-は終盤にかけてちゃんと変化をつけているのだが、やはり循環コードなので、雰囲気はずっと同じまま進行する。自分で作っておいてずっと聴いていると眠くなる。よく眠れない時は羊を数えるといいって言うじゃないか。羊が一匹、羊が二匹。こうして気づけば寝ているって奴だ。ある意味その状況に近いので、最初は「羊」とか「sheep」にでもしようと思ったのだが、当時はちょっと嫌で却下した。今なら間違いなく「sheep」でいいかなと。少なくとも「眠り薬」よりはいい気がする。何となく「眠り薬」って中二臭いじゃない?まあ、大体のものが中二臭いもので世の中は出来ているので、半ば諦めている。

 結局眠りを誘うようなメロディーなので、曲名を「眠り薬」にした。毎回楽曲解説の時は執筆しながら曲を聴いているのだが、ちょっと眠くなりすぎて頭が回らない。今回の曲に関しては聴きながら執筆を始めたことを後悔している。こうして眠気がピークになるというのに、布団に入って電気を消して目を瞑る。それなのにその瞬間から今日一日の中で一番力がみなぎってくるような感覚になり、眠気が一瞬で無くなる現象は何だろうね。これから寝るっていう時なのに、今からフルパワーで仕事出来ます!ってぐらいに覚醒するやつ。絶対私だけじゃないと思う。そして、次の朝目が覚めるとき、覚めているというのに瞼にガムテープを貼って強制的にこじ開けておかないと閉じてしまいそうなぐらい、瞼が重い眠気が圧し掛かる。本当にどうにかならないのだろうか。間違いなく私は朝の6時頃に起きるには向いていない体だ。

 余談だが、今回公開したこの曲は、作曲当初、最初に音源として仕上げた時の旋律と若干異なっている。音源にしてからずっと弾いていなくて、聴けば思い出せるのだが正直忘れている部分があった。そして、当時より今のメロディーの方が私らしさが出るだろうなと思って、聴きなおしてから弾くよりは、新たに弾いて出てきた旋律を採用しようと思って、今回は一部書き直した。

 そして実を言うと前回公開した「いつか笑える日々へ」も一部メロディーを変えている。CD音源にしない曲であれば、後に作り直しが出来るので、その時のベストを越えたものを作れるメリットがある。

 この曲をまた数年後に思い出して、また弾きたいと思ったら、今度はまた違う形になるのかもしれない。

 これだけ長く書いたが、言いたい事は読者の皆様、この曲を是非聴いてみてほしい。リンクも貼っておくので。


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