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菊花賞をラップで振り返ってみる

こんばんは!碧馬らいむです🍀🐴

タイトルホルダー君と横山武史騎手の逃げ切りがお見事だったのでラップのお話をTwitterに呟こうと思いましたが長くなりそうなのでnoteに残します。
(この回顧にはボク自身の主観も含まれています。ボクの考えが全て合っているとは思いませんし、見る人によっては違う見解になると思います。ラップとレース映像を照らし合わせてボク自身が感じたことを書き記していますので少しでも振り返りの参考になれば嬉しいです。)


レースラップとコース図

【阪神芝3000mコース図】

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【菊花賞レースラップ】12.5-11.1-11.5-12.1-12.8-12.6-12.8-14.3-13.1-12.6-12.4-11.7-11.5-11.4-12.2
勝ちタイム3.04.6

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細かく分析するために前半・中盤・後半と3分割してみていきます。

【前半・スタート〜1000m】
12.5-11.1-11.5-12.1-12.8  1000m通過1.00.0

【中盤・1000〜2200m】
12.6-12.8-14.3-13.1-12.6-12.4 2000m通過2.05.4

【後半・2200〜3000m】
11.7-11.5-11.4-12.2 勝ちタイム3.04.6


1000m毎のタイムを見ると
前半1.00.0-中盤1.05.4-後半59.2

と、これだけでも中盤でペースを緩めて余力十分に後半を迎えることができた、ということがわかるかと思います。
他馬の動きも見ながらもう少し詳しく分析していきましょう。



【前半・スタート〜1000m】

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(矢印赤線の部分です)

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12.5-11.1-11.5-12.1-12.8  1000m通過1.00.0

スタートで遅れたのがレッドジェネシス、オーソクレースの2頭でレッドジェネシスは両隣の子と接触あり。

スタートを切ったタイトルホルダーとその内のワールドリバイバルが押して逃げを主張するも、タイトルホルダーは譲らずハナへ拘っての逃げ。逃げ争いが落ち着いたところで外からモンテディオエアサージュがポジションを上げ先頭集団に加わります。同じく内で好スタートを切ったワールドリバイバルはこの3頭を見て控える形になりました。ここで

先頭
タイトルホルダー
モンテディオ
エアサージュ
ワールドリバイバル

グラティアス
ディヴァインラヴ


中団待機勢

レッドジェネシス
アサマノイタズラ
セファーラジエル
最後方

と、前半3Fで隊列が決まりますがこの時点で既に縦長の隊列になっています。
そしてその縦長の隊列になったことを示すかのように前半3Fは35.1、前半5Fは1.00.0と、菊花賞の勝ち時計が3.04.6であることを考えると序盤はハイペースになっていることがわかります。
ここからレースは逃げ切りの鍵を握る中盤に入っていきます。



【中盤・1000〜2200m】

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12.6-12.8-14.3-13.1-12.6-12.4 2000m通過2.05.4

タイトルホルダーが2番手のモンテディオに3〜4馬身ほど差をつけた逃げで一周目の直線へ。
ここで最後方にいたセファーラジエルが動きます。ここが中盤の大きなポイントになったと感じました。

セファーラジエルはスタートからずっと行きたがっており鮫島騎手が必死に抑えてたものの、ここで無理に抑えず行かせる判断をしていることが映像からわかります。
我慢から解放されたセファーラジエルは外からスルスルとポジションを上げて行き1コーナー手前で先頭集団に加わりますが、2番手にいたモンテディオと並んだところで再び鮫島騎手が手綱を引いて抑えています。そしてここからこのレースで一番ペースが緩んだ地点を迎えます。

一周目の直線から1コーナーにかけての部分が、レースラップの太字で示した14.3-13.1大きく緩んだ地点です。
このままでは逃げ馬が楽なペースで運ぶことになるため、後方で待機してる子にとってこの大きく緩んだ地点は無理に脚を使わず前との差を詰める絶好のタイミングでした。
しかし、道中捲っていったセファーラジエルが2番手まで押し上げたところで抑え、3番手にいたモンテディオも先頭へプレッシャーをかけることはしませんでした。

2番手にいたモンテディオは前走トライアルで3着と好走し人気薄で臨む立場。GIでも好走を続けてきた上位人気に推されるような実力馬ならまだしも前が楽になった流れを自ら壊しに行くとは考えづらく、展開利を受けて好走を狙いたい、というのが自然ではないでしょうか。セファーラジエルも一旦は馬に任せてポジションを押し上げたものの、今回は3000mのタフなコース。道中でなんとか折り合いをつけて運びたい、と思ったのはないでしょうか。

となると、後方で待機してる実力馬が自ら動いていくしかありません。この時点でオーソクレース、ステラヴェローチェ、レッドジェネシスは馬群の外を追走しており、ポジションを上げようと思えば上げることはできた、と個人的には思います。
しかし、前半のペースは速く道中動いた子もいる展開のなか今年はタフなコースとなる阪神開催。さらに内回りコースとなると道中動いて外を追走すると大きなロスに繋がってしまいます。
そのためこの状況下で動いていくという判断はリスクが高いうえに他の人気馬のアシストとなってしまう、という心理が働いたのではないでしょうか?

結果道中で動きがあったにも関わらずペースは緩み、後方馬も前との差を詰められない、という現象が起こりました。
他馬に絡まれずペースダウンに成功したタイトルホルダーは2コーナーを抜けると徐々に加速し、レースは終盤を迎えます。



【後半・2200〜3000m】

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11.7-11.5-11.4-12.2 勝ちタイム3.04.6

タイトルホルダーが先頭で3コーナーに入り、この辺から後方馬の手も動き始めます。しかしなかなか前との差は詰まりません。
それもそのはずで、ここはレースラップの太字で示した部分で残り800mからは11秒台を刻む速いラップが続いています

コース図で示した通り、阪神内回りコースは残り800m付近から下り坂となっているため早めにペースが上がりやすいコースです。

中盤で一息入れることができたタイトルホルダーは余力を持って早めにペースを上げ、後続の差を詰めるタイミングを無くしています
同時に余力十分のタイトルホルダーを捉えられる先行馬がおらず内が渋滞しているため、ステラヴェローチェやオーソクレースは外を回して前を捉えに行かざるを得ない状況となっています。
ペースが上がった地点で外を回して押し上げるのはレースラップの数字以上の脚を使う必要があるため、外を回した子はここで大きなロスが生じています

結果、後方からの差しは届かずタイトルホルダーの逃げ切り圧勝となりました。
タイトルホルダーは予想記事で

皐月賞は
12.1-11.7-12.5-11.9-12.1-11.4-11.9-12.1-12.3-12.6
と、ラスト5F目から加速する持続力勝負を先行して2着に粘っており、この時同様先行策から内を立ち回る競馬が出来そうな今回は怖い存在です。

と触れた通り、早めにペースを上げて最後までバテずに走り切る持続力を活かした競馬が得意な子です。
タイトルホルダー自身の能力の高さは勿論ですが、鞍上の横山武史騎手のペースコントロール、他馬の道中の動き、阪神開催の影響等が重なって生まれた圧勝劇だったのではと振り返って感じました。

以上、ラップからの振り返りでした。



以下気になった子について〜

・1着 タイトルホルダー

スタートからハナを主張し逃げ、中盤上手く緩めた鞍上の好騎乗。2着に5馬身差をつけているように強い内容ですが、これ以上ないくらい完璧な騎乗だったと思いますし、中盤でここまで上手くペースを緩めるというのも世代限定の長距離GIだからこそできたという背景もあると思います。
レース後のコメントで一頭になればリラックスする、と横山武史騎手がコメントしているように他馬に絡まれた時や逃げられなかった時に脆さが出る可能性がありそうで、逃げの手を使ったこともあり次走以降どう乗るかは一つのポイントになりそうです。
個人的には強い逃げ馬がいるとドキドキして楽しいので逃げ馬として活躍してほしいという願望。



2着 オーソクレース

勝ち馬には上手く乗られてしまったものの、コーナーで外を回して追い込んできたのは強い内容。気になったのはコーナー進出時にもたついたこと。早めにルメール騎手が促すもなかなか進まず、直線に向いてからじわじわ伸びてくる末脚。一瞬で加速する瞬発力よりもバテずに長く脚を使う持続力に長けたタイプであると再認識したレースで、加速やスピードが求められる展開は恐らく苦手。
宝塚記念有馬記念天皇賞春に出走できたら楽しみです。
(宝塚記念を制したら母子制覇ですね)



4着 ステラヴェローチェ

敗れはしたものの強い競馬してるなあと真っ先に思いました。後方からで勝ち馬には届かない展開だったものの、オーソクレースより外を回しており3〜4コーナーのロスはかなり大きく、レース後には状態面の不安を感じさせるコメント。この競馬で4着まできたのは地力の高さだと思います。
オーソクレースが持続力タイプであるという話に繋がりますが、残り800mからの映像を見ると押してもなかなか上がっていけないオーソクレースと楽そうな手応えで加速して後方から進出するステラヴェローチェが確認できます。この時の手応えだけ見るとステラヴェローチェの方が優勢に見えますが先着したのはオーソクレース。ステラヴェローチェは外を回した分もありますが、長く脚を使うというのがわかりやすい例だと思ったので気になった方は見てみてください。



9着 アサマノイタズラ

最後方グループから内で立ち回り、直線も内をついて上がり最速の末脚で追い込み。流れ的に限界まで脚を使ってるので今回は展開に泣いた形でした。内でロスなく立ち回って追い込みにかける、といった一発を狙う騎乗にも見えましたし今回はそれがハマらなかっただけと捉えていいと思います。
過小評価されやすいタイプに感じるのでまたどこかで穴をあけるかもしれませんね。
器用な子でスプリングSがとても強い内容だったと思っているので小回りの中距離コースで狙いたいです。中山金杯とかどうですか。



11着 セファーラジエル

折り合いがつかなかったことにつきます。前走の神戸新聞杯もかかっていたので気性的にもっと短いところでもいいのかもしれません。
3走前の白百合Sはかかったりヨレたりしながら4馬身差で圧勝しているのでポテンシャルは高いと思っています。



13着 レッドジェネシス

レース前から発汗も酷く、川田騎手がレース前から苦しさを感じる返し馬だったとコメントしているように前走の反動があった可能性が高いのではないでしょうか。
レースではスタート後に両隣りのロードトゥフェイム、セファーラジエルと接触する不利もあり4角では後方外を回す厳しい展開。休んでの立て直しに期待したいです。



18着 ワールドリバイバル

タイトルホルダーがハナを主張したことで逃げられず、外からモンテディオとエアサージュがポジションを上げてきたためいつもの競馬ができませんでした。
前にエアサージュ、外にグラティアスが来た時に嫌がるような仕草を見せリズムを崩していたのでこの子は気分良く走れるかどうかだと思います。
セントライト記念は外枠から無理やり逃げ、道中はルペルカーリアに絡まれる不利。皐月賞はタイトルホルダーな早めに動かされスプリングSは直線追い風で差し有利な環境。スムーズなレースができればどこかで馬券になると思うので、個人的には人気薄なら常に押さえておきたいと感じるタイプです。



最後まで読んでくださりありがとうございました🙏🏻










(天皇賞秋楽しみですね)





いつもボクの記事を読んでくださりありがとうございます! これからも根拠のある記事、面白い記事を作成していけるよう努力します!