見出し画像

【らいむ回顧】ラップでレースを振り返る!【フィリーズレビュー/金鯱賞/中山牝馬S】

こんばんは!碧馬らいむです🍀🐴

今回はフィリーズレビュー金鯱賞中山牝馬Sの回顧です!🐎
GIにも繋がる大事な前哨戦、どんなレースになったのかを一緒に振り返っていきましょう!

※この回顧にはボク自身の主観も含まれています。ボクの考えが全て合っているとは思いませんし、見る人によっては違う見解になると思います。ラップとレース映像を照らし合わせてボク自身が感じたことを書き記していますので少しでも振り返りの参考になれば嬉しいです。

画像1

画像2


🍀フィリーズレビュー🍀

【コース図】

画像9

〜コースの特徴〜
阪神芝1400mは内回りコースを使用する短距離戦で、スタート後の直線でペースが速くなった後3コーナーの残り800m付近から下り坂を迎えるため中盤もペースが緩みにくいコースです。
そのためスピードだけでなく、速いペースに耐えて脚を伸ばす持久力、そして最後の直線には急坂もあるためパワーも必要となるタフなコースです。
また、このレースは短距離路線組の出走も多く前半のペースが速くなりやすいレースです。


【フィリーズレビューレースラップ】
12.0-10.5-11.0-11.4-11.5-11.7-11.8
前半3F33.5-後半3F35.0(前傾1.5秒)
勝ちタイム1.19.9-ハイペース

画像12

※平均ラップは過去5年のもの

阪神芝は先週に引き続き速い時計が出るコンディション。内を通った子の好走が目立ったのも同様で内有利な馬場状態でした。また、この日の阪神は向正面追い風、直線向かい風が吹いていました。

今回のレースラップを見てみると、例年通り前半が速いペースとなりました。向正面追い風の影響を考慮しても前半3F33.5というのは非常に速いペースで逃げ先行馬にとっては苦しい展開でした。
それらを踏まえた上でレースを詳しく見ていきましょう。



【レース展開】

ラブリネスオーバーが出遅れ、ナムラクレア、サブライムアンセム、サウンドクレアも遅れ気味のスタートで後方からのレースとなりました。
1200mを先行して勝ち上がってきたテイエムスパーダがテンの速さを活かし先頭に立とうとしますが、それを内からコンクパールが交わしてハナを奪いその後ろにアドヴァイス、スリーパーダ、アネゴハダと続きます。
激しい逃げ争いも無く、すんなり隊列が決まったように見えますが、前半3Fは33.5とハイペースになりました。このレースは短距離戦を勝ち上がってきた子が集まるレース、とだけあってテンの速い子が揃っていたのもハイペースになった要因です。
一方人気のナムラクレア、サブライムアンセム、マイシンフォニーは後方からレースを進めます。

先頭はコンクパール、隊列にも大きな変化はないまま4コーナーへ。ナムラクレアが外から加速を開始すると、後続勢も前との差を詰め内外大きく広がった状態で直線へと入っていきます。
逃げ馬の後ろのグループにいたアネゴハダが前を交わして先頭に立ちますが、外からナムラクレア、馬群を割ってサブライムアンセムが末脚を伸ばし最後はこの二頭の一騎討ちに。追い比べの末サブライムアンセムがアタマ差前に出てゴール、連勝で重賞初勝利を飾りました。




【各馬の短評&次走以降注目馬】

1着:サブライムアンセム

出遅れて後方からのレースとなりましたが、展開が向いたことに加えて道中は終始内の進路に拘った鞍上の好騎乗でした。
直線では進路がなく追い出しを待たされるシーンもありましたが、ギリギリまで脚を溜められたこと、ペースが流れたことにより内でロスなく立ち回ったことが最後の伸びに繋がったのではないでしょうか。
前走は行きたがる面を見せるなど気性面に課題のある子で、ペースの流れやすいこのレースへ距離短縮で臨む臨戦過程も良かったと思います。
次走は桜花賞に向かうと思いますが、距離延長となるため折り合い面への不安が一つの課題になりそうです。また、今回は完璧に乗っての勝利でもあり、本番は更に相手が強くなることを考えると越えるべき壁は多い印象です。



2着:ナムラクレア

こちらも勝ち馬同様スタートで出遅れて後方からとなりましたが、4コーナーでは勝ち馬より先に仕掛けて外を回して加速したことにより大きく外に振られてしまいロスが生じてしまいました。
強気な競馬をして内で上手く立ち回った勝ち馬に足元を掬われる結果となりましたが、この舞台では過去にファンタジーSでウォーターナビレラと0.1秒差、距離が伸びた阪神JFでも5着と好走していたように1400mへの適性の高さ(緩みのないペースへの適性の高さ)能力の高さを証明したレースだと思います。
勝ち馬とは仕掛けのタイミングと進路取りの差といえる内容でしたし、敗れたとはいえ評価したい内容です。
桜花賞では阪神JFでつけられた着差をどう埋めるか?が鍵になりそうですが、昨年の桜花賞のような高速馬場で緩みのないペースになればこの子の強みが活かせるためチャンスも出てくるのではないでしょうか。



3着:アネゴハダ

この速いペースを前目のポジションで運んで3着に残す強い内容でした。先行勢で上位に来れたのはこの子だけですし、着順以上に評価したいです。
流れたペースを前目のポジションからバテずにしぶとく粘れるのがこの子の強みで、ファンタジーSは後方からのレースとなってしまいその強みを活かせなかったレースでした。今後も1400mのレースなどペースが流れやすいコースで狙いたいです。
また、新馬戦はダートで勝利しており2走前もダートのレースで好走しています。芝ダートどちらもこなせるタイプであることも覚えておきたいです。


画像8


12着:コンクパール

逃げるも前半のペースが速く厳しい展開となってしまいました。
ダートで勝ち上がってきた子ですが、芝でこれほどのスピードを発揮できるなら芝がダメとは思えないですし、無理のないペースで運べればどこかで巻き返せると感じます。テンのダッシュが速くスタートも上手な子なので短距離戦(1200〜1400m)で改めて見直したいです。
また、ダートの中距離戦なら未勝利戦を勝ち上がった時(小倉1700mの湿った馬場)のようなスピードで押し切れる舞台で狙いたいです。
(この子は揉まれ弱い子が多いAmerican Pharoah産駒ですが、4走前のなでしこ賞では内で我慢するレースも出来ていました。内枠を引いても過剰に割り引く必要のないタイプかもしれませんね。)



14着:サウンドクレア

出遅れて後方から。道中は折り合いを欠き、4コーナーでは大外を追走しさらに外に寄られる不利も受けてしまい厳しい展開を強いられてしまいました。
この子は気性面に不安のある子で、過去5走も折り合いを欠いておりこの子の力を100%発揮できたレースはまだない、というのが個人的な感想です。
この子の場合は抑えがきかず行きたがってしまう、というシンプルな気性面の不安だけでなく、過去のレースの走りを見る限り近くにお馬さんがいるのが苦手なのではないか?と分析しています。
前走のつばき賞や3走前の黄菊賞ではスタート後に外に向かっていき馬群を避けるような走り、折り合いを欠いてしまった場合も一旦馬群から離して最後方に待機する形をとった時はリラックスして走ることが出来ていました。
それが叶って高いパフォーマンスを見せたのが昨年8月22日の未勝利戦。前半は折り合いを欠いて松山騎手が手綱を引っ張っていますが、馬群から離れた最後方まで下げて折り合いをつけると、コーナーで大外から一気に進出し今回フィリーズレビューでも4着に好走したマイシンフォニーを差し切って勝利。レースラップのラスト3Fは12.0-12.1-11.9と加速していく流れのなかメンバー中抜けた上がり3F34.7を計時して差し切っており着差以上に強いレースでした。
課題は多いものの秘めているポテンシャルの高さは間違いないと見ています。現状で力を発揮させるなら後方から外を回すレース、もしくは逃げるレースの2択だと思うので
開催後半の荒れ馬場雨が降って外差し有利な馬場での外差し
・重馬場を苦にしないタイプに見えるため、雨で馬場が重くなった時
・一気に加速する瞬発力勝負よりもバテずに長く脚を使う持続力に長けた子で、早めにペースが上がりやすい舞台
これらの条件で狙ってみたいです。


🍀フィリーズレビューの次走以降注目馬コンクパールサウンドクレア


※次走以降注目馬には挙げませんでしたが、他にも不利を受けていた子が複数存在するので書き記しておきます。

4着:マイシンフォニー…4コーナーで大外を回す不利。

7着:アドヴァイス…展開面の不利、直線詰まる不利。

10着:スリーパーダ…展開面の不利、外を追走する不利。休み明け馬体減で過去最低馬体重。

11着:モチベーション…4コーナーで外を回す不利。時計かかる馬場の方がいいかも。

13着:テイエムスパーダ…展開面の不利、距離短縮で。

15着:ウィリン…早めに動き展開面の不利、外を追走する不利。




画像7




🍀金鯱賞🍀

【コース図】

画像6

〜コースの特徴〜
中京芝2000mは直線の急坂からのスタートとなるコースで、緩やかな上り坂が続き向正面半ばからは下り坂となるため前半はペースが落ち着きやすく、逃げ先行馬有利なコースです。
下り坂で徐々に加速するラップになりやすいコースのため最後までバテずに走り切る持続力が求められるコースではありますが、中京はコーナー角がきついため3〜4コーナーで外を回してスピードに乗ってしまうと外に振られてロスが大きくなってしまうといった特徴があります。
コーナーで徐々にスピードを上げて直線に入ってから全力でスパートする必要があるため、直線で加速する瞬発力と長く脚を使う持続力バランス良く求められる舞台です。
スローペースになりやすい舞台のため、ある程度前目のポジションを確保できて速い末脚を持っている子や、急坂をこなせるパワーを併せ持つ子を狙いたいコースです。


【金鯱賞レースラップ】
12.5-11.0-12.2-11.9-11.7-11.7-11.6-11.0-11.3-12.3
前半3F35.7-後半3F34.6(後傾1.1秒)
前半4F47.6-後半4F46.2(後傾1.8秒)
勝ちタイム1.57.2-スローペース

画像13

※平均ラップは過去5年のもの

中京芝は開幕週で速い時計が出る馬場、内前有利な傾向が見られました。
実際にこのレースでもレコードタイムを大幅に更新しており、ポジション差が現れやすく速い時計への対応力が求められる環境でした。

今回のレースラップを見てみると、時計自体は速いものの前半のラップは全体のラップバランスに近い流れとなっています。
注目したいのはラスト3F目ラスト1F。本来はラスト2F目の直線を迎えた部分で加速し速いラップを刻むことが多いですが、このレースはラスト3F目でスパートしておりラスト1Fで大きく減速しているのが分かります。
早めにスパートしているとはいえラスト1Fの減速幅が大きく、道中のラップも決して楽なペースではなかったことがわかります。

それらを踏まえた上でレースを詳しく見ていきましょう。



【レース展開】

大きな出遅れはなく揃ったスタート。内からギベオン、ジャックドール、外からはシフルマンが主張しますが、ジャックドールが制して先頭へ。外からはレイパパレも先行集団につけて1コーナーへと入っていきます。
3F目で12.2と一旦ペースが落ち着くも、その後は11秒台を刻む流れが続き先行グループ4頭とその後ろが離れ縦長の隊列になりました。

残り1000m〜800mを過ぎたあたりから後続も徐々にポジションをあげようとしますが、コーナーでジャックドールが早くもスパートを開始残り600m地点で速いラップを刻みます。後ほど次走以降注目馬の項目で触れますが、ここが内有利外不利を更に加速させた要因となりました。
直線に向いて外からレイパパレ、内を突いてギベオン、更に後ろからはショウナンバルディ、アカイイトも先頭を捉えにかかりますがなかなか差は縮まりません。逃げるジャックドールの脚色はなかなか衰えず、リードを保ったまま逃げ切りゴールイン。5連勝で重賞制覇を飾りました。



【各馬の短評&次走以降注目馬】

1着:ジャックドール

馬場が速かったとはいえ道中も大きくペースを緩めず、早めのスパートで後続を完封するレースぶりはシンプルに強かったと感じます。
近走はずっと逃げ、そしてラスト3F目に最速を刻む形での勝利とレーススタイルが確立されていますが、崩れるとしたら自分の形で競馬ができなかった時ではないでしょうか。特にジャックドールは前半から速いペースのレースを経験していなく、同型馬がいた時や逃げられなかった時にどれほどのパフォーマンスが出来るか?が鍵になるのではないでしょうか。
不利がない限り自分のレーススタイルに持ち込めればGIでも通用すると思いますし、今後の活躍が楽しみです。



2着:レイパパレ

近走はずっと折り合いに苦労していましたが、今回は強い逃げ馬が大きくペースを緩めず運んだことにより落ち着いて運べた印象です。
直線では勝ち馬との差を縮めることができませんでしたが、ジャックドールがコーナーで一気に加速したことによりコーナーで外を回す負荷が大きくなりました。コーナー角のきつい中京の内有利馬場で内から3頭目を追走したロスを考慮すると、敗れたとはいえ久しぶりに強い競馬を見せてくれた印象です。
GIでもペースを緩めずに引っ張ってくれる強い逃げ馬がいれば自身が逃げなくてもレースはしやすくなると思いますし、距離を短縮しても面白いのではないでしょうか。



3着:アカイイト

これまでは後方から追い込む競馬をしていましたが、今日はスタートから出して行きいつもより前目のポジションで競馬を進めました。ポジションが取れず、速い脚で追い込むも間に合わず…といったレースが長く続いていたアカイイトにとって、ある程度ポジションを確保出来るようになったのは大きな成長であると感じます。
鞍上の幸騎手もレース後にあまり今までのレースにはこだわらなくていいとコメントしており、先に繋がるレース内容でした。
牡馬相手にGIで好走するのは容易ではないと思いますが、この先どんなレースを見せてくれるか楽しみです。



画像5


4着:ポタジェ

前走に引き続き次走以降注目馬に挙げさせていただきます。
今回はスタートから行く気を見せず後方からのレースを選択したため展開的にも厳しいレースでしたが、スタート後はアカイイトに前に入られてしまい手綱を引いて後退する不利もありました。
それでも後方から外を回して上がり最速の末脚で4着まで追い込み、能力の高さは見せてくれました。
近2走は恵まれないレースとなってしまっているため次走以降巻き返しに期待したいです。
(過去に先行してる時はもっと前半が緩いペースかある程度スタートから押してポジションを確保しているレースでした。年齢を重ねて行き脚が徐々につかなくなっている可能性もありますが、本来はここまでポジションがとれない子ではないと思います。)



7着:サンレイポケット

スタートから押していましたが道中は中団から、直線も伸びきれないレースとなってしまいました。
この子はバテずに長く脚を使える持続力タフな馬場をこなせるのが強みの子で、時計の速かった昨年の毎日王冠やスローペースになった鳴尾記念などスピードを求められる条件ではキレ負けしてしまい共に6着に敗れていました。
前走は開幕週で速い時計が出る馬場だったとはいえ、稍重馬場で持続力勝負になりやすい阪神芝2200mでのレース。今回も同じく開幕週のレースでしたが、良馬場の高速馬場且つ距離短縮と、よりスピードを求められる条件替わりで条件悪化のターンでした。
昨年秋は天皇賞秋、ジャパンカップとGIでも好走しており能力はある子ですし、今回は条件不向きで度外視可能なレースとしていいのではないでしょうか。
時計が速すぎないレースや早めにペースが上がりやすいコースで巻き返しに期待したいです。
(ちなみに湿った馬場では【1.1.2.1】で重賞好走も含まれており、馬券内を外したのは昨年の金鯱賞のみでこのレースも勝ち馬とは0.2秒差だったレース。 GIなら宝塚記念で走りを見てみたいです。)



8着:アラタ

中団から伸びきれないレースとなってしまいましたが、この子もサンレイポケット同様にバテずに長く脚を使える持続力タフな馬場をこなせるのが強みで今回は条件悪化のターンでした。
ズブい面がありサッと加速できない弱みはあるものの、厳しいペースでもしぶとく末脚を伸ばすことができスタミナもあるためもっとタフな馬場やコース距離延長で狙いたいです。



11着:ステラリア

直線でも伸びきれず大敗してしまいましたが、前半は少し行きたがるような面を見せており道中は終始外を追走、ペースが上がった3〜4角では一番外を走らされてしまい負荷の大きいレースとなってしまいました。
レース展開で記載したことと重なる部分もありますが、ジャックドールが早めにスパートを開始しコーナーで一気に加速したため、コーナーで外を回して加速した子はより大きな負荷をかけられてしまいました。
前走は4コーナーの勝負どころで挟まれて後退する不利がありながらも末脚を伸ばして2着まで追い込んできており、2走前は1コーナーで不利を受けながらも後方から追い上げて力のあるところは見せています。
アカイイトには2戦続けて先着を許してしまいましたが、着差ほど実力差は感じませんし今回の敗戦は度外視可能とみて次走以降見直したいです。
(時計のかかる馬場や早めにペースが上がりやすいコース、牝馬限定戦替わりで特に狙いたい…!)



🍀金鯱賞の次走以降注目馬ポタジェサンレイポケットアラタステラリア




画像11




🍀中山牝馬S🍀

【コース図】

画像3

〜コースの特徴〜
中山芝1800mは急坂の途中からのスタートとなるコースです。
スタート後の急坂、そして上りながらすぐ1コーナーに入るため前半はペースが落ち着きやすいのが特徴で、逃げ先行馬有利なコースです。
2コーナーからは下り坂となるため徐々にペースが上がる流れになりやすく、最後までバテずに走りきる持続力やコーナーで加速する器用さも求められるコースとなっています。


【中山牝馬Sレースラップ】
12.1-11.7-12.4-12.2-11.8-11.6-11.5-11.7-11.8
前半3F36.2-後半3F35.0(後傾1.2秒)
前半4F48.4-後半4F46.6(後傾1.8秒)
勝ちタイム1.46.8-スローペース

画像10

※平均ラップは過去5年のもの


この日の中山芝は、9Rの3勝クラスで先週のオーシャンSと同タイムが出るなどやや速めの時計が出るコンディション。このレースの勝ち時計1.46.8も過去10年で最速となるタイムでした。
馬場傾向は全体で目立った傾向があったわけではないものの、5Rの芝1800m戦では単勝1.1倍を背負ったヴァンガーズハートがスローペースを先行するも差されて3着に敗れ、7Rの芝2000m戦では差し馬が上位の殆どを占めるなど差し馬道中外からポジションを上げていける子の好走が目立っていました。
ただ外差し有利だったかというとそうではなく、10Rの芝1200mでは内から先行したトキメキが2着と好走し、12Rの芝1200m戦ではシュアーヴアリアが最内を突いて差し切り、2着のマウンテンムスメは逃げ、3着のルミナスラインも道中は内で立ち回っていました。
これらのことから内回りコースは外からの押し上げが効きやすく、外回りコースは内がまだ走りやすいコンディションだった、という可能性が考えられそうです。
同様に日曜日も外回りコースを使用した10Rや11Rは内や前で立ち回った子の好走が目立ち(これはスローペースだった影響も大きいですが)、内回りコースで行われた9Rは差し馬や道中外から動いた子が上位を占めていました。

続いてレースラップを見てみると、数字上はスローペースですが過去のこのレースや全体のラップと比較するとスタートからの2Fは速いラップを刻んでいることがグラフからもわかります。
このコースは急坂&すぐ1コーナーを迎えるため前半は遅くなりやすいコースですが、逃げ争いが起こったため前半の流れが速くなりました。3F目でようやくペースが緩んでいますが、馬場自体も速かったとはいえ前半2Fが23秒台になったのは過去10年まで遡っても今年だけで最も速いペースでした。
更に中盤も早い段階でペースアップ、本来直線に向いて加速するはずのラスト2F目で既に減速するラップとなっていることがわかります。
本来はスローペースになりやすく逃げ先行馬が有利なコースですが、このように様々な要因が重なり先行していた子の負荷が大きいレースとなりました。

それらを踏まえた上でレースを詳しく見ていきましょう。




【レース展開】

スタートはシングフォーユー、クールキャット、ルビーカサブランカが出遅れ、更にゴルトベルクとテルツェットが接触してしまいこの二頭も後方からのレースとなりました。
最内からロザムール、真ん中からシャムロックヒル、その外からローザノワール、スマイルカナが先行する構えを見せます。ここでロザムールとシャムロックヒルが押してハナを奪おうとしますが、互いに譲らず1コーナーへ。コーナーワークも活かしてロザムールが先頭に立ちようやく逃げ争いが落ち着きましたが、ここが前半のペースが速くなった要因でした。

ようやくペースが落ち着いて向正面へと入っていきます。レース中盤、道中で仕掛ける子はおらず隊列に変化はありませんでしたが、800m〜1000m地点で11.8を刻みラスト5F目で11秒台に突入、早めにペースが上がる展開になりました。

変わらずロザムールが先頭のまま残り600mを切り4コーナーへ、この辺りで中団外にいたアブレイズが徐々に進出、その後ろにいたクリノプレミアム、ルビーカサブランカも同様に進出を開始します。外を走っていた子がスムーズに加速していく一方、内では先行していたシャムロックヒル、スマイルカナの手応えが怪しく、その影響で後ろにいたドナアトラエンテやフェアリーポルカはコーナーで加速することが出来ていません。ここで内がごちゃついてしまい、外差し有利展開を後押しする形となりました。

直線に向いて逃げるロザムールを外からアブレイズとクリノプレミアム、さらに空いた最内のスペースを突いてミスニューヨークが捉えにかかります。残り200mを切ってミスニューヨークが先頭に立ちますが、そこに外の2頭が猛追。最後はクリノプレミアムが半馬身差で突き抜け重賞初制覇を飾りました。




【各馬の短評&次走以降注目馬】

1着:クリノプレミアム

差しが届く展開になったことや外枠を引いてスムーズにレースができたこと、斤量が軽くなったことなどプラスに働く要素は複数ありましたが、過去には小回りコースへの高い適性も見せており実力に対して不当に人気を落としていた印象です。
近走は展開が向かなかったり適性外のレースで、2走前は軽ハンデだったとはいえ牡馬相手に詰まる不利がありながら勝ち馬とは0.3秒差と能力のある走りを見せていました。
33秒台の速い上がりが求められる舞台では馬が悪い印象ですので、今後も小回りコースで狙いたいです。
(京都牝馬Sの回顧で次走以降注目馬に挙げておきながら、今回は外から先行する読みで外してしまったのしばらく引きずりそうです…🥶)



2着:アブレイズ

展開は向いたものの、ハンデを背負う立場で力を見せたのは評価したいです。昨年の春からは33秒台の末脚を使えるようになっており、速い上がりが求められる展開・長く脚を使う展開どちらにも対応できるのは大きな強みです。前走も13着とはいえ着順ほど大きく敗れてはいませんし、馬群に包まれて追い出しが遅れる不利があったレースでした。
今後も牝馬限定戦の重賞では不利がなければ大崩れのない安定した走りを見せてくれるのではないでしょうか。



3着:ミスニューヨーク

内でごちゃつく子が多いなか、最内を突いて上手に加速し差してきました。小回りコースを器用に立ち回ることが出来るのがこの子の強みでもあり、その強みを活かした鞍上の好騎乗でした。ただ斤量増で好走したのは評価したいポイントです。
また、この子は湿った馬場で【4.0.0.2】と好成績で、敗れた2戦は重賞でそのなかには秋華賞5着も含まれます。時計のかかる馬場を得意としている子なので、今後は湿った馬場や小回りコースで狙いたいです。


画像4


5着:テルツェット

スタート後にゴルトベルクと接触する不利があり、道中は最後方からのレースとなってしまいました。さらに4角では後方大外を回すロスの多い競馬となってしまい、ポジション差もあって差し届かないレースでした。
今回はトップハンデとなる56.5kgの斤量を背負っていましたし、鞍上の田辺騎手も斤量が響いて自分から動いていくことができなかった、小さい馬でハンデの影響があったかもしれない旨のコメントを残しています。その中でこの競馬なら悲観する内容ではないとみています。
コーナーで加速できる器用さを持っているので1600〜1800mの小回りコース且つ、斤量減のタイミングで狙いたいです。



6着:ルビーカサブランカ

スタートで出遅れて後方からのレースとなりましたが、最後の直線でも伸びきれないレースとなってしまいました。しかしこの子自身の末脚は発揮しており、この条件で出せる力は出し切っているとみています。
この子はバテずに長く脚を使える持続力を持ち、長めの距離や上がりのかかるタフな展開に強い子で、距離別に成績を見てみると
1800m以下【1.1.2.5】
2000m以上【4.3.3.2】
と、明確に成績差が出ています。
今回は1800mへの距離短縮且つ速めの時計が出る馬場、前走から3kgの斤量増とマイナス要素が重なり条件悪化のターンでした。得意条件ならば今回以上のパフォーマンスを発揮できるとみて、2000m以上のレースで見直したいです。
(阪神芝2200mなどペースが流れて差しが決まりやすいコースで特に狙いたい!東京2000mのようなスローペースから直線の末脚勝負になりやすいコースだとこの子の強みを100%発揮できないかも…)



12着:シャムロックヒル

前半ロザムールとの逃げ争いが激しくなり、結局逃げられず展開も向かずと厳しいレースを強いられてしまいました。
前走も捲られて厳しい展開だったものの、逃げて牡馬相手に0.5秒差の7着に粘っておりスムーズなレースが叶えばまだまだ重賞で上位争いが出来ることを証明しています。
2走前はロザムールと、3走前はローザノワールと激しい逃げ争いをし前崩れになってしまっているレースですので、単騎逃げが叶いそうなメンバーで狙いたいです。
(阪神芝2000m、小回りコースの1800mなど逃げ先行馬有利なコースで特に狙いたい!)



13着:ロザムール

内から主張してハナを奪い切りましたが、前半で脚を使ってしまった上に道中早めのペースアップと厳しい展開になってしまいました。
近走は二桁着順が続いていますが、展開に恵まれておらずいずれも良馬場でのレースでした。
芝で馬場が湿った時は【1.3.2.0】と馬券内を外したことがなく、このなかには中山牝馬S2着や七夕賞2着など重賞での好走歴も含まれています。
重い馬場を苦にせず走ることが出来るため、昨年の中山牝馬Sでは厳しいペースでも粘れていますし馬場が湿った時に狙いたいです。



🍀中山牝馬Sの次走以降注目馬テルツェットルビーカサブランカシャムロックヒルロザムール




以上、フィリーズレビュー、金鯱賞、中山牝馬Sの回顧でした!
モチベーションにも繋がりますのでよかったらnoteのフォロースキもよろしくお願いします🍀

最後まで読んでくださりありがとうございました✨











(フィリーズレビューの直線、ん〜〜〜っ!!!ってなってた)


いつもボクの記事を読んでくださりありがとうございます! これからも根拠のある記事、面白い記事を作成していけるよう努力します!