見出し画像

【らいむ回顧】ラップでレースを振り返る!【桜花賞/フローラS】

こんばんは!碧馬らいむです🍀🐴

今回は桜花賞フローラSの回顧です!🐎
どんなレースだったのか次の予想に活かすためにも一緒に振り返っていきましょうー!

※この回顧にはボク自身の主観も含まれています。ボクの考えが全て合っているとは思いませんし、見る人によっては違う見解になると思います。ラップとレース映像を照らし合わせてボク自身が感じたことを書き記していますので少しでも振り返りの参考になれば嬉しいです。




🍀桜花賞🍀

【阪神芝1600mコース図】

〜コースの特徴〜

阪神芝1600mは直線の長い外回りコースを使用するコースで、中盤は長い直線を意識してペースが緩み残り600m付近から下り坂となるためラスト3Fの末脚勝負になりやすいコースです。
そのため後半で一気に加速できる瞬発力や、直線の末脚のスピードが求められるコースです。
また、昨年から桜花賞はBコース替わりで行われるため馬場が高速化し時計が速くなりやすく、内有利傾向が顕著になりやすいレースです。



【レースラップ】

12.4-10.8-11.4-12.2-12.0-11.1-11.5-11.5
前半3F34.6-後半3F34.1(後傾0.5秒)
前半4F46.8-後半4F46.1(後傾0.7秒)
勝ちタイム1.32.9-ややスローペース

※平均ラップは過去5年(重馬場で開催された2020年を除く)

阪神芝はこの週から仮柵が移動してBコース替わり
馬場状態もよく良馬場での開催となり昨年ほどではありませんが速い時計が出るコンディションでした。

今回のレースラップを見てみると、スタートから600mの前半部分は例年に近い流れになっているものの、中盤でペースが大きく緩む流れとなりました。ここで一息入ったことにより後半は減速のないラップを刻んでおり、余力を持った状態で直線を迎えている子が多いことがわかります。

また、この週の阪神は馬場傾向に大きな特徴が見られました。そちらを確認してからレースを詳しく見ていきましょう。



【馬場状態について】

この週の阪神はBコース替わりの影響もあり内枠の好走が目立ち、道中も内をロスなく立ち回った子の好走が目立っていました。
そこで桜花賞までの阪神芝レースで、4コーナー出口から直線にかけての各馬の進路を表にまとめました。それがこちらです。

※5着馬までは馬番の背景を赤くしています(濃い赤は1着馬)。

〜4月9日(土)〜
○阪神4R 3歳未勝利(芝2000m)
1着 6番モーダルジャズ(1人気)
2着 11番ウォーターレクラ(7人気)
3着 2番タガノタンゴ(4人気)
4着 1番ショウナンパラボラ(11人気)
5着 13番ララアンセストラル(8人気)


○阪神6R 3歳1勝クラス(芝1200m)
1着 5番ソウテン(3人気)
2着 6番ドグマ(2人気)
3着 7番トリップトゥムーン(7人気)
4着 4番ニシノデフィレ(1人気)
5着 14番オラヴェリタス(14人気)


○阪神9R 白鷺特別(芝2400m)
1着 8番タイソウ(1人気)
2着 3番プレイリードリーム(2人気)
3着 9番サマビート(6人気)
4着 10番ダノンターキッシュ(4人気)
5着 4番リーブルミノル(9人気)


○阪神10R 京橋S(芝2000m)
1着 9番プログノーシス(1人気)
2着 2番リフレーミング(2人気)
3着 8番オールザワールド(3人気)
4着 4番リノキアナ(6人気)
5着 1番ルヴァン(7人気)


○阪神11R 阪神牝馬S(芝1600m)
1着 4番メイショウミモザ(9人気)
2着 2番アンドヴァラナウト(1人気)
3着 3番デゼル(2人気)
4着 6番ムジカ(8人気)
5着 12番マジックキャッスル(4人気)



〜4月10日(日)〜
○阪神4R 3歳未勝利(芝1400m)
1着 1番トラーパニ(3人気)
2着 5番ルパルテール(10人気)
3着 3番エナジーグラン(2人気)
4着 16番シャウビンダー(5人気)
5着 9番ダノンアーリー(1人気)


○阪神7R 4歳上2勝クラス(芝1600m)
1着 5番ヴィアルークス(3人気)
2着 1番マテンロウエール(4人気)
3着 7番ハローユニコーン(10人気)
4着 3番デルマセイシ(9人気)
5着 8番メイショウオニユリ(6人気)


○阪神9R 忘れな草賞(芝2000m)
1着 7番アートハウス(1人気)
2着 1番セルケト(4人気)
3着 4番グランスラムアスク(7人気)
4着 8番ロマンシングブルー(2人気)
5着 6番ダイム(3人気)


○阪神10R 大阪-ハンブルクC(芝2600m)
1着 6番ディアマンミノル(3人気)
2着 2番テンカハル(2人気)
3着 10番エフェクトオン(5人気)
4着 1番ボスジラ(6人気)
5着 4番ホウオウエクレール(4人気)

ディアマンミノル、エフェクトオンは道中内で立ち回り4コーナーだけ外に出す競馬。道中(1,2,3コーナー)も外追走で負荷が大きかったのはアドマイヤアルバ、パトリック、シャンパンクーペ。


図にすると一見外からでも好走できているように見えますが、外を回して好走しているのは人気馬が多く、反対に内でロスなく立ち回って好走した子は人気薄が目立ちます。

外を回して好走した子
・モーダルジャズ(1人気1着)
・ソウテン(3人気1着)
・ドグマ(2人気2着)
・プレイリードリーム(2人気2着)
・プログノーシス(1人気1着)
・リフレーミング(2人気2着)
・ヴィアルークス(3人気1着)
・ディアマンミノル(3人気1着)
…など

内で立ち回って好走した子
・ウォーターレクラ(7人気2着)
・ショウナンパラボラ(11人気4着)
・トリップトゥムーン(7人気3着)
・サマービート(6人気3着)
・リーブルミノル(9人気5着)
・メイショウミモザ(9人気1着)
・ルパルテール(10人気2着)
・ハローユニコーン(10人気3着)
・デルマセイシ(9人気4着)
・グランスラムアスク(7人気3着)
…など

と、このように外から好走しているのは内有利バイアスに逆らえる能力を持っていた子で、人気を集める実力馬だったことがわかります。

一方人気薄で好走した子は内を通っていた子が殆どで、土曜日に行われた阪神牝馬Sでは最内を通ったメイショウミモザが穴をあけ1着、2着のアンドヴァラナウトも内で立ち回っており内有利な馬場であったことがここからも読み取ることができます。

ここで先に桜花賞での各馬の進路も確認しておきましょう。

4コーナーから直線にかけて


直線で馬群が広がった後の各馬の進路

1着 8番スターズオンアース(7人気)
2着 6番ウォーターナビレラ(3人気)
3着 1番ナムラクレア(6人気)
4着 16番サークルオブライフ(2人気)
5着 5番ピンハイ(13人気)

例年より中盤が緩み後半減速の少ないペースとなったこと、内有利馬場だったことを踏まえた上でレースを詳しく見ていきましょう。




【レース展開】

ライラックとプレサージュリフトが出遅れて後方から、フォラブリューテとナミュールもあまりいいスタートではありませんでした。

内から押してカフジテトラゴンが先頭に立つと、外からウォーターナビレラ、その外にラブリイユアアイズが続き逃げ先行争いは激化せず隊列がすんなりと決まりました。人気のナミュール、サークルオブライフ、プレサージュリフトは後方からのレースとなります。

3コーナーへと入っていきレース中盤へ、ここで動きがありました。この地点のレースラップを確認すると
12.4-10.8-11.4-12.2-12.0-11.1-11.5-11.5
と、3コーナーを迎えた地点で大きくペースが緩んでいます。今年はここの緩みが大きく、先行馬が息を入れられる展開となりました。
ペースが緩んで馬群は凝縮していますがこの日の阪神は内有利な馬場状態。いくらペースが落ち着いたからといって、最後の長い直線を考慮しても外からポジションを押し上げていくにはリスクが高く全体の隊列や並び順には大きな変化がありませんでした

馬群が凝縮しレースは終盤、4コーナーから直線へ。
先頭のカフジテトラゴンに外からウォーターナビレラ、最内を通っていたナムラクレアがポジションを上げ先頭を伺います。外から追込馬も前を追いますがその差はなかなか縮まりません。
残り200m付近でウォーターナビレラ、ナムラクレアが抜け出すと、その後ろにピンハイ、パーソナルハイ、スターズオンアース、アルーリングウェイと内を通った差し馬が続き、大外から2歳女王サークルオブライフが懸命に末脚を伸ばします。ウォーターナビレラが抜け出しこのまま決まるかと思われましたが、その後ろにいたスターズオンアースが最後に勢いよく伸び先頭に並んだところがゴール。最後はハナ差でスターズオンアースが制し牝馬三冠の一冠目を制しました。

後半で触れておきたいのが直線に向いたところでの各馬の動き。直線で後ろに目を向けると、後方グループにいた子は軒並み大外を走らされていることがわかります。
この日の阪神芝は内有利な馬場状態。それは騎手もわかっていたはずで、このレースでも内に拘る騎手が多く見られました。その結果馬群が密集し内に進路を求める子が殺到したため、後方の差し馬は進路を求めて大外に出さざるを得ない展開となりました。
また、先週投稿したアーリントンカップの回顧でも内有利傾向が見られたと記載しましたが、その時は

外差しが決まりにくいとわかると逃げ先行馬は内を手放さず、差し馬もロスなく立ち回り上手く内を突こうとするなど騎手の内意識も高まります。その結果、馬群が密集し内の子は外に出すのも難しくなるため内の差し馬は詰まってしまうなどスムーズなレースが出来ないケースも多くなります。

このように述べました。
アーリントンカップでは、内を通って前を走っていた子は阪神マイルが合うタイプの子ではなく、伸びを欠いたため内がごちゃつくレースとなりました。

しかし今回はどうでしょうか。
先頭を走っていたカフジテトラゴンはダートで勝利を挙げた子でしたが、その外にいたのは上位人気のウォーターナビレラ、二頭の間を上手く突いたのが阪神JFでも5着だったナムラクレア。この条件で脚を伸ばせる子、人気を集める実力馬が内を通って前のポジションにいたのです。
こうなると内にいた子は前についていくだけでスムーズに脚を伸ばしやすくなり、内の有利性が活きるレース展開となります。実際このレースを制したスターズオンアースも内を選択しており、ウォーターナビレラの後ろを通って伸びてきています。しかしそのスターズオンアースもベストなポジションだったかと言われるとそうではなかったと思います、何故なら前にアルーリングウェイがいたからです。
ここで直線に向いた時の位置取りを再確認してみましょう。

⑥ウォーターナビレラ
③アルーリングウェイ
⑧スターズオンアース
⑪ラブリイユアアイズ
⑨クロスマジェスティ

スターズオンアースの前にはアルーリングウェイ、その外にはラブリイユアアイズ、クロスマジェスティがおり外に出すことが出来ません。最内が空いているように見えますが、ここを走っているのはダートで勝ち上がってきたカフジテトラゴン。実績や人気で考えると、ウォーターナビレラやナムラクレアと比較した時に伸びを欠く可能性が高く、この進路を選択するのは詰まってしまうリスクが高いでしょう。この箇所がスターズオンアースが詰まって追い出しが遅れた部分です。
しかし外から先行したラブリイユアアイズが伸びなかったため、アルーリングウェイが外に出しウォーターナビレラを追いました。その結果内で我慢していたスターズオンアースの進路が開き、ウォーターナビレラの後ろを通ることが出来たのです。

もしもラブリイユアアイズの手応えが良くアルーリングウェイが外に出せていなければスターズオンアースの追い出しはもっと待たされていたはず。ここで述べたいのは、このポジションにいたスターズオンアースでも追い出しが遅れる不利があったということです。
先程後方の差し馬は進路を求めて大外に出さざるを得ない展開になったと述べました。それは後方のポジションにいる子が内を選択した場合、既に前には内を狙っている子が殺到しているため進路確保に苦労する可能性が非常に高いということです。

結果後方グループの子は外に出すしかなく、苦しい競馬を強いられてしまいました。内枠と外枠の差、スタートの上手さが結果に大きくリンクしたレースとなりました。




【各馬の短評&次走以降注目馬】

1着:スターズオンアース

道中は後方内で待機。直線では詰まって僅かに追い出しが遅れ、残り200m付近ではピンハイが外にヨレた影響を受け接触する不利がありながらも先に抜け出したウォーターナビレラをハナ差で捉えました。
内を立ち回った恩恵があるとはいえラスト3Fのレースラップは11.1-11.5-11.5と減速がなく、先に抜けたウォーターナビレラも減速の少ないラップを刻んでいるためこの流れを不利がありながら差し切ったのは着差以上に強いと感じる内容でした。
右回りだと内にモタれる面があり今回はハミを替えてレースに臨みましたがその効果も大きかったのかもしれません。
オークスでは折り合い面が鍵になるとみていますが、今回のように控える競馬で結果を出せたことから無理に出していかず折り合いに専念した乗り方もできると思いますし有力な一頭になるのではないでしょうか。



2着:ウォーターナビレラ

今日は先行する競馬でしたが、道中は内を通り中盤で一息入る流れになったことで力を出し切ったレースだと思います。
自身も最後まで減速の少ないラップを刻んでおり、これを差した勝ち馬が強かったと言える内容でした。
昨年1400mの重賞ファンタジーSを先行して制しており、母系からも短距離色が強い子とみているので高速馬場の内有利な阪神マイルという条件も合っていたと思います。それ故に次走がオークスなら距離に不安は残る印象です。



3着:ナムラクレア

最内枠を引いたことにより内有利馬場の恩恵を最大限に活かすことができました。
ウォーターナビレラ同様短距離色の強い子で、高速馬場の内有利な阪神マイルは合っていたと思います。
今回のようにスピードが求められる環境ならマイルでもやれると思いますが、今後は距離短縮で狙いたいと感じる一頭です。


4着:サークルオブライフ

バテずに長く脚を使える子でこの子自身の外枠はスムーズに外を回して加速できるためプラス要素でしたが、馬場は内有利とこの子の特徴とレースが噛み合わない一戦となってしまいた。
それでもメンバー中上がり最速となる33.3の末脚を見せており、外を回して上位に差してきたのはこの子だけ能力の高さを証明したレース内容でした。
一つの要素で上位馬との逆転は十分可能と感じる走りでしたし、オークスでも有力な一頭になるのではないでしょうか。今回同様揉まれにくい外枠を引くことができれば期待したい一頭です。



7着:ベルクレスタ

道中は内に入れてギリギリまで内を追走した鞍上の好騎乗でした。しかし外に出すまでにロスがあり、詰まってスムーズに追い出しを開始できませんでした
最後まで減速の少ない流れでこのロスは大きかったものの、末脚は堅実なものがあり折り合いを欠かずに溜める競馬ができた時は高いパフォーマンスを見せています。
次走がどこなのかはまだわかりませんが、折り合いへの不安が大きいため距離が伸びるオークスでは内枠を引いて前に壁を作る、出していかず後方で待機する競馬をするなど気性面を考慮した乗り方が必要になるのではないでしょうか。個人的にはNHKマイルCで見てみたいです。



9着:サブライムアンセム

元々かかり癖が強く気性面に課題のある子でしたが、距離延長且つ中盤が緩んだ今回もやはりかかってしまいました。
距離短縮で見直したいです。



10着:ナミュール

内有利な環境のなか大外枠を引いたことにより終始外を追走する苦しいレースを強いられてしまいました。
前走は改善されていましたが今回はあまりスタートが良くなく、ゲートへの不安もまだ完全には解消されていない印象です。
高いポテンシャルを秘めているのは過去に証明しているため、今回の敗戦は環境に恵まれずの敗戦として度外視可能なものだとは思います。
(少し気になるのが馬体重。元々小柄な子ですが、デビューから馬体重が減り続けていて今回が過去最低馬体重でした。2歳時からの上積みがどうなのか?と気になる部分もあり、次走以降注目馬には挙げましたがゲートへの不安もあるため人気を背負う立場では積極的に狙いにくい印象です)



11着:プレサージュリフト

出遅れて後方からのレースとなり、4コーナーでは外を回す競馬と苦しい要素が重なったレースでした。更にそこに初遠征と三重苦になってしまったレースで、そのなかでもしっかり速い上がりを使って勝ち馬と0.5秒差なら悲観する内容ではないと思います。
ただゲートが得意ではなく、前走も前々走も出遅れ。ここまで能力の高さでカバーして走ってる印象が強く、GIレベルで勝ち負けするにはスタートの改善が課題になるとみています。
ただ今回のレースが3戦目とキャリアも浅いですし、今後が楽しみな一頭です。オークスでもチャンスのある子だと思います。



15着:アネゴハダ

外枠で終始外を追走する競馬になってしまい、苦しいレースを強いられてしまいました。
それでも直線に向いた時はいい手応えで上がってきており、一瞬おっ…!?と思わせるような鋭い伸びを見せていました。これは阪神JFでも同様で、直線向いた時はいい脚を見せましたが途中で失速しています。今回は外を追走する不利もありましたが、この走りから本質的に1600mは長いのではないでしょうか。
前走のフィリーズレビューでは差し有利展開を先行して好走しており、高いポテンシャルを持っていると感じる一頭で距離短縮で狙いたいです。



16着:ライラック

出遅れて後方からのレースとなり、外を追走する苦しいレースとなってしまいました。
前走のフェアリーSは強い内容でしたが、2走前の京都2歳Sでも敗れてしまったように遠征が苦手なのではないでしょうか。関東圏と関西圏では見せたパフォーマンスに差があると感じるため、次走が遠征のないオークスならば巻き返しがあっても不思議ではない一頭だと思います。



18着:ラブリイユアアイズ

外を追走する不利があったとはいえここまで負ける子ではないはず…と困惑していましたが、後日喘鳴症(喉鳴り)が判明しました。
京王杯2歳Sの内容がよく、このレースは次走以降の好走馬も多いハイレベルレースで阪神JFでの好走もフロックではないとみています。
手術するとのことですので、症状が改善したらまた馬券を買いたいです。



🍀桜花賞の次走以降注目馬サークルオブライフベルクレスタサブライムアンセムナミュールプレサージュリフトアネゴハダライラックラブリイユアアイズ


最後に改めて各馬の進路取りを確認しておきます。

4コーナーから直線入口にかけて


直線で馬群が広がった後の各馬の進路


(桜花賞に限らず、この週の阪神芝で外を回して敗れた子は特に巻き返しに注意しておきたいです…!)







🍀フローラS🍀

【東京芝2000mコース図】

〜コースの特徴〜

東京芝2000mは中盤でペースが緩み最後の長い直線での末脚勝負になりやすいコースです。
そのため一気に加速できる瞬発力や、末脚のスピードが求められるコースです。
また、このレースは開幕週に行われるため内を走れる子が有利になりやすいのもポイントです。



【レースラップ】

12.9-11.6-11.4-11.8-12.5-12.6-12.8-11.6-11.4-11.8
前半3F35.9-後半3F34.8(後傾1.1秒)
前半4F47.7-後半4F47.6(後傾0.1秒)
勝ちタイム2.00.4-スローペース

※平均ラップは過去5年のもの

東京芝は開幕週。馬場が綺麗で速い時計が出るコンディションでしたが、日曜日はお昼頃から降雨があり極端な高速馬場にはならず過去のフローラSの勝ちタイムと比較しても過去10年で7番目となる遅いタイムでした。

今回のレースラップを見てみると、前半のペースは速くなったものの中盤が大きく緩み、後半は例年に近い速いラップを刻んでいることがわかります。

それらを踏まえた上でレースを詳しく見ていきましょう。



【レース展開】

エバーハンティング、キタサンシュガー、トゥーサン、ヴァンルーラーが出遅れバラバラとしたスタート。人気のラスールもあまりいいスタートではありませんでした。

内からパーソナルハイが押してハナを奪うと、外にモチベーション、その後ろにエリカヴィータ、マイシンフォニー、ルージュスティリアが続きすんなり隊列が決まるかと思われましたが、ここで外からシンシアウィッシュが一気に上がっていきます。ここが前半のペースが速くなった要因でした。

シンシアウィッシュはかかり気味に進出しており一気に先頭を奪う勢いでしたが、これに対してパーソナルハイは先頭を譲らずに対抗、結果前半のペースが速くなり2頭が後続を離す展開となりました。
パーソナルハイの鞍上である吉田豊騎手、管理する矢作調教師はレース後に逃げるレースをするつもりだった旨のコメントをしており、事前に決めていた作戦だったのではないでしょうか。

パーソナルハイが先頭を譲らずレースは中盤へ、ここがこのレースの大きなポイントでした。
レースラップを改めて確認してみると
12.9-11.6-11.4-11.8-12.5-12.6-12.8-11.6-11.4-11.8
と、前半部分については先ほど述べたように11秒台を刻み続ける速い流れになっています。しかし、その後は12秒台を3連続で刻んでおり例年以上に大きくペースが緩んでいます
ここの大きなポイントはペースが大きく緩んでいるにも関わらず先頭と後続との差が縮まらなかったことです。

パーソナルハイは前半にハナを取り切るために速いペースを刻んで体力を消耗しており、どこかで一息入れたいところ。ここでペースを緩めるのは自然な流れだと思います。
一方後続はペースが緩んだ地点で前との差を縮めておけば、パーソナルハイが無理して作ったリードを後続は無理せずに縮めることができます
しかしそうはならず、ペースが大きく緩んでも馬群は縦長のままでした。これはこのレースに対する騎手の心理的部分も影響したのではないでしょうか。

牝馬限定の中距離戦は少なく、このレースも殆どの子が距離延長での出走で2000m自体初となる子も多いメンバーでした。道中折り合いを欠いてしまった子も多く、更に雨の中での開催とより慎重にならざるを得なかったのではないでしょうか。
その結果パーソナルハイは中盤で一息入れることに成功しマイペースで運ぶことができ、後方で待機してる子にとっては厳しい競馬を強いられる展開となりました。

レースは終盤、パーソナルハイが先頭で直線へ。
後ろからシンシアウィッシュ、内を突いてエリカヴィータとマイシンフォニー、外からはラスールが末脚を伸ばしますがなかなか差は縮まらず、人気のルージュスティリアは伸びを欠き後方にいたルージュエヴァイユは進路がなく追い出しが遅れてしまいます。
残り200m切ったところでシンシアウィッシュとマイシンフォニーの間を突いたエリカヴィータが勢いよく伸びパーソナルハイに襲い掛かり、ゴール直前で交わし先頭でゴール。重賞初制覇を飾ると共にオークスへの出走権を手にしました。




【各馬の短評&次走以降注目馬】

1着:エリカヴィータ

道中は前二頭の後ろの3番手グループからの競馬。ペースが緩み前有利な流れになったこと、内でロスなく立ち回れたことなど展開面には恵まれた印象ですが、直線では馬群を割って勢いよく伸びてきました。
前走のフェアリーSは出遅れに加え4コーナーで接触する不利がありましたが、今回はスタートも決めてスムーズなレースが叶いました。
オークスではもう少し強く推せる要素が欲しいと個人的には感じますが、今年の3歳牝馬はゲートが不安定な子や差し追込馬が多く、強力な先行馬が手薄な印象で再び展開面で恵まれるかもしれません。



2着:パーソナルハイ

前半はシンシアウィッシュとの逃げ争いで脚を使わされましたが、道中上手く息を入れることが出来ました。
今回は中1週且つ遠征と厳しいローテーションではありましたが、前走後も馬体が戻るのが速く調子は良かったようで、厳しいローテーションにも対応できるノウハウがあるのも矢作厩舎の強みであると感じました。
エリカヴィータのところで述べたことと重なりますが、今年の3歳牝馬はゲートが不安定な子や差し追込馬が多く強力な先行馬が手薄な印象。再びマイペースで逃げを打てるようならオークスでも怖い一頭です。



3着:シンシアウィッシュ

前半はかかってしまい外から先行する競馬となりましたが、ペースが緩んで前有利になったことで展開面に恵まれた印象は強いです。過去にも折り合いを欠いたレースがあり、気性面が今後の課題になるのではないでしょうか。
ハナ差でオークスへの優先出走権は逃してしまいましたが、アルテミスS4着などの実績もあり1勝クラスでは上位の力を持っているとみています。


5着:ルージュエヴァイユ

前有利な流れを後方から、更に直線では外に出そうとするも進路がなく残り200m付近までスムーズに追い出すことが出来ませんでした
そのなかで上がり最速の末脚を見せて5着と好走しておりポテンシャルの高さを感じさせる走りでした。
前走のデイジー賞も直線向かい風で内前有利な展開のなか外から差し切りを決める着差以上に強い内容で、重賞通用の能力を秘めているとみています。これからの活躍に期待したい一頭です。



6着:ラスール

スタートがあまり良くなく、外からルージュスティリアに被されてポジションを取りきることが出来ませんでした。
直線では伸びそうな手応えから伸びきれず、距離延長もつらかったのかもしれません。距離短縮で見直したいです。



8着:キタサンシュガー

出遅れて後方からとなり展開に恵まれないレースとなってしまいました。前走のフラワーCの回顧でも次走以降注目馬に取りあげましたが、このレースも前有利な展開のなか後方からの競馬となり展開に恵まれないレースでした。
スタートが改善されず、現状は差しが決まりやすい環境で狙いたいです。また、母系にはタフな血が多く速い末脚が求められやすい東京コースは合わないかもしれません。



15着:ルージュスティリア

人気を裏切る形となってしまいましたが、道中はかかって折り合いを欠いてしまいました。
ディープインパクト×Storm Catの活躍馬はラヴズオンリーユーやダノンキングリーがおり、軽い馬場を好む子が多く距離延長や雨が降ったことにより本来の力を発揮出来なかったのではないでしょうか。
気性面からも距離短縮軽い馬場(高速馬場)で見直したいです。



🍀フローラSの次走以降注目馬ルージュエヴァイユラスールキタサンシュガールージュスティリア




以上、桜花賞とフローラSの回顧でした!

モチベーションにも繋がりますのでよかったらnoteのフォロースキもよろしくお願いします🍀
また、少しでも参考になった・面白かったと思ったらTwitterもフォローいいねRTしていただけると励みになります!🙏🏻


最後まで読んでくださりありがとうございました✨









(オークスとダービーのこと考えるとワクワクしちゃう)



いつもボクの記事を読んでくださりありがとうございます! これからも根拠のある記事、面白い記事を作成していけるよう努力します!