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なぜ鍼灸師になったのか

高校時代の同級生、同世代の友人に

仕事何やってんの?

という質問に対して大概なんじゃそれ?怖いって言われる私の職業。ましてや父にも鍼灸師という仕事を理解してもらえてないという…

鍼灸師になったらなったで、今まで何回この質問を受けて話したのだろうと(同業あるある)

そんな訳で文章にまとめてみました

東洋医学との出逢い

広島の田舎で農家をやっている祖父が毎日の肉体労働で疲労困憊の体に夜になるとモクモクお灸をしたりばぁちゃんと体のほぐし合いをしているのを小さい頃から見ていて

よく、そこ寝っ転がって見んさいや

と体を揉んでもらったり揉んでみたりと自然とツボというものに興味があった。じいちゃんは特に鍼灸師でも指圧師でもなんでもないけど、毎日の経験の蓄積なのかツボに詳しい

ここを押すとここに効くんよ〜とか

あんた足の歪みがあるからここ痛くなるやろ、気をつけんさいや

って体を触っただけで色々見抜いてしまう。

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(  揉んでもらって悶絶する孫 )

背中にはの打膿灸痕もあり、人一倍のお灸信者でもある。戦後、病院が近くになかったり医療を受けられなかった時にお寺に行ってお灸をしてもらっていたとか それが一番効くと力説を受けていました。祖母も打膿灸の痕があります。

打膿灸(だのうきゅう):お灸を焼き切り、わざと火傷させてからその後、軟膏を塗り化膿させる瘢痕灸(火傷のあとが残るお灸)の一種です。 リスクもありますが、効果は非常に高く「一発逆転の灸」などとも言われます。


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そんな訳で自然と興味が湧いていたのかもしれません

鍼灸に出会うきっかけ

学生時代は 勉強<部活 という感じ、吹奏楽部で楽器演奏に没頭しており朝から晩まで楽器を吹く毎日。入部当初は周りが経験者楽器持ちばかりだったので少ない選択肢から決められたのが、体の大きさに見合わずTenorSaxでした。

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コンクール入賞を熱心に目指していた部だったので朝から晩までほぼオフ日はなく練習漬けの毎日。今思うとよくそんなやってたな〜と関心出来るレベル。笑 またやれって言われたら絶対出来ない←

そんな中元々腰痛はあったものの楽器やってる上で痛くて当たり前みたいな感覚でごまかしごまかし放置していたら高2の夏に盛大に体を壊す。

歩くのもしんどいレベルだったので母におぶってもらって整形外科に行って見てもらった異常無し 

「そんな痛いなら部活辞めなさい!」と言われ頭にきたのは今でも鮮明に思い出します。

ブロック注射を打ちながらリハビリに3ヶ月ほど通ったが全くよくなる兆しが見えず部活を辞めるか絶望的な私を見ていた母が

鍼治療行ってみれば?と勧めてくれました

母も以前ヘルニアで歩行困難レベルだったのが鍼灸で改善したらしく昔の自分を見ていた様だったらしい。

そんな訳で祖父行きつけの鍼灸院に連れて行ってもらう

初めて鍼灸治療を受ける

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広島の田舎の町の外れで一人でやっている盲目の先生。薄暗い部屋に連れて行かれ何をされるんだろう?という怖さとツボってなんなんだろうという

当時16歳の私には好奇心と複雑な恐怖心。

体を触っただけで「ここが悪いね!こういう姿勢が多いでしょ?」と、全部言い当てて

なんじゃのこの魔物は!!!!!!!

と思う。神のように感じたのと同時にディスってはいけないが整形外科のDr.の診断、西洋医学の治療に疑問を感じた。

鍼をずしんと響かせてくれた時に

ああああ!!悪いとこ、ここだ!!!

というなんともいえない感覚と心地よいお灸の温かさ

整形外科に通って絶望していたけど、鍼灸治療を受けた後 なんとなく良くなっていくんじゃないかという兆しを体感しました。

そこから地元で学校帰りに通える鍼灸院を探してもらい、部活引退までほぼ毎週通って体のケアは勿論メンタル面でも大分支えてもらいました。


鍼灸の効果を実感

そんな訳で鍼灸治療の虜になり学生時代はほぼ毎週、社会人になってからもなんか調子悪いなーと思ったらすぐ鍼灸治療に通っていました。

腰痛のケアで通っていたはずが、元々待ち病もあったりと常にお薬とお友達だった身体も良くなっていき薬の量も症状も軽快に

甲状腺機能低下症もあったけど数値が良い方向に改善されたのにはビックリしました

そんな訳で私の体にはなくてはならない存在になり、治療があるから多少辛い仕事も頑張れたり!


友人には鍼行ってくる〜!なんて話すと大抵怖がられてました。笑

鍼灸師になった今だから強く思うのかもしれないけど、祖父のように毎日とは言わないけどなんか違和感感じた時に対処出来るお灸などのセルフケアや、もっと生活の一部に溶け込んでいたり身近に治療を感じてもらいたい、受けてもらいたいなと私の今後の課題です。

いざ鍼灸学校へ

高校卒業後は家庭の事情で進学するという選択肢が無かったのと、どうしてもやりたい仕事があったので働いておりましたが、仕事中に

一生ここの職場で働くなんて無理だろうな〜

と思い、自分の技術で働きたい。手に職を付けたいと急に強い使命感に駆られその時にふと思い出したのが初めて鍼灸治療を受けた時の衝撃

何故、あの盲目の先生は触っただけで自分の悪いところ分かったのか?

なんで鍼を体に刺すと良くなるのか?

ツボってそもそもなんなの?という疑問を解決したくて21歳から鍼灸学校に入学しました。

日中は仕事しながら夜学で通い、正直ものすごいしんどかったけど祖父に治療してあげたいなというのが強い原動力になったり…

24歳で無事に免許習得!!

鍼灸師になった今

私の治療を受けに来てくれる方はありがたいことにほとんどの方が

鍼灸は初めて!

という方が多いです。そんな中興味はあるけどどこに行ったらいいか分からない、受けるのが怖いという声も多々耳にします。

万人受けする治療だとは思っていないけど、興味はあるのに治療を受けるのに至らない方ってとっても多いので一人でも何かのきっかけになりたいなーと日々活動中

今働く上で主軸なのが「病院行っても良くならなかった!」

という方がとても多いのと自分自身も経験があったり。そんな経験を原動力に診療所で医師と提携しながら鍼灸院をやらせて頂いています。


音楽×鍼灸

また別のページで熱く語りますが、街中に鍼灸院は溢れているし鍼灸師さんも沢山いらっしゃる中で自分の強みや特化したものって何だろうと考えた時に、鍼灸師になるきっかけにもなった音楽だ!と治療家を目指すきっかけにもなった音楽とは多様な可能性を秘めているな〜と思い色々なコラボやイベントなどもやっています!


まとめ

そんな訳で24歳で免許を取り、今8年目に突入している訳ですが、鍼灸が世の中に浸透しているかというとまだ体感する機会もなく

痛い!怖い!やだ!の3拍子

を言われる事は多く課題は山積みかなーと日々痛感しています。そんなイメージを払拭すべく一人でも多くの方にまずは知ってもらう事が私の使命だと思っています。

ここまで読んで頂きありがとうございました

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