見出し画像

台湾3→2→1人 ボポモフォと檳榔(13日目)【専業旅婦飯台湾🇹🇼ぐるり】

台北 → 日本 1人


西門に近い宿から朝散歩に出た。本当は朝食はお粥といきたかったけど混雑に負け三明治(サンドウィッチ)に変更。そしてちょっと早めに桃園空港へ着いた。

これで鉄道での台湾左回りにぐるり旅行、出発点に戻って来たことになる。


ほぼ使いきった形の、12日前当選した愛金卡(icash )。うれしかった。ありがたかった。
帰った翌日の地震のニュースで、花蓮で通ったあたりの崩壊ビルを見て、愛金卡分5000元分以上は義援金にしたいと思ってそうしたのは、うれしい気持ちで旅行させてもらった人徳というか国策徳という気がした。

空港で今回の旅で興味深かった事を思い出していた。それは全くもってほとんどの人の興味はそそらなさそうだ。
でもマッサージも変身写真も茶楼でお茶もなくても、興味を持てる対象があるはいい事だろう。
旅と年を重ねてすれっからしになっては 残念だが、些細な事で面白がれると安上がりで長続きできていい。

という事で、誰の旅の参考にもならないけど面白かったことを。

ボポモフォ

私は中国語、いわゆる普通語はちょっとならわかる。
チベットとか延辺朝鮮族自治区とか、少数民族区がほとんどだが、2年程中国領土内にいたので、訛っているし込み入った事は無理でも簡単なら何とかなる。
13年前そう思って初の台湾家族旅行に来たのだが、どうも本土と勝手が違った。
久しぶりの中国語圏で、私が一回で聞き取れなかったりする。そうすると台湾の人達は一昔前の大半の日本人が英語で話しかけらた時のように、恥ずかしそうに言葉を引っ込めてしまう。恐縮して何とか日本語に切り替えてくれようとしたり他の人を呼んだりするのだ。
もうひと押し、もう一回ゆっくりめで言ってくれたらいいのに。
恐縮され、いや、こっちこそ悪かったと思う。一度で聞き取れなくて。

だって思ってもみなかった。
今は、又はそれなりのツアーや待遇の人なら違ったのかもしれないが、20世紀の中国には英語日本語どころか北京語さえままならない人が大勢で社会を作っていた。
そして通じないと馬鹿にされ、振り払われるか乗じてお金を高く払わそうとされ、都合悪いとわかってもわからないふりをされ、薄笑いか無視か目の前で扉をすごい勢いで閉められるか(文字通りのシャットアウト)なので、買物とか手続きには言葉の練習や不屈の精神が要求された。

もちろん全ての人がそうなわけでは決してない。
普段の付き合いで仲良くなると便宜図ってくれるし大変親切にされるし、たまに真っ当に対応してくれる人もいるが、窓口なんかのデフォルトはありえないマジ仕事しない超不機嫌クソ対応
その中で何度こちらが言葉が通じないと罵られたか。
まあ少し言葉がわかるようになっても、理不尽極まりない理由の意味を知ったからと言ってますます腹が立つだけだったりしたが。

それが台湾では向こうが恐縮。
びっくりすると共に、もう一回、あと少しゆっくり喋ってくれるだけでいいのにな、とかつてのアグレッシブな食うか食われるかの状況下で言葉を覚えた身にはちょっとぬるま湯にさえ思えた事を許してほしい。

さて今回、みんながスマホを使えるようになって劇的に変わっていた。
翻訳機能がすぐ使える。
音声入力を使ってくれるとちょうどいい。認識させるためにゆっくりはっきりと話すので、画面を見る前に聞き取れるので時間節約。不確かなら画面を見せれば共有。
本土も変化しているのかな?

って感じだったが、音声入力以外になんか不思議な記号で入力している場面に何度か遭遇したのだ。それがこんなの

「何だこれ?」
家族に聞かれたけど実は初めて見たのだ。
「え?ヘブライ語?」
いやいやこれを入力しする事でちゃんと漢字が出てくるぞ!

ヘブライ文字はこれ
字体によっては似ている気がする

街を歩いていると書店で子どもが上のこの記号を覚えるためのポスターを見つけた。
今まで全く知らなかった台湾の発音記号。それが ボポモフォ

本土で使われるピンインしか知らなかった。
こういう時代にならなきゃ旅行者の身では気づかなかっただろう ボポモフォ

檳榔(ビンロウ)

ビンロウという言葉は、金子光晴の旅行記を想起させる。
そして昔初めてインドで痩せた男が血のような物を道に吐いたのを見てギョッとしたが、それがキンマという噛みタバコに含まれるビンロウのせいであったと思い出す。
ビンロウ ビンロウジという言葉にノスタルジーと南国情緒はあっても他人事だったはずが、屏東から霧台行きのバスからビンロウ農園を見た時から、なぜか気になるものとなって調べてみる。


主に噛みしだいて摂取する嗜好品 ⇦知ってた
ヤシ科の植物
🌴で実を用いる ⇦そんな気はしていた
吐き出すと赤い ⇦インドでよく見た
アルカロイドを含み軽い興奮酩酊作用がある ⇦嗜好品だからそうだよね
常習すると発癌作用がある ⇦タバコも同じ
台湾では露出の多い若い女性が売るのが風紀上問題になって、大都市では規制された ⇦ へえ
台湾では路上に吐くと罰金が課せられ、ビンロウを買うと吐くためのエチケット袋や
紙コップもついてくる ⇦へえ


現代の特に台湾は風紀上問題ありの、それもタバコより先をいく「オワコン」?
私はタバコは吸わないけど紫煙がやたら似合ってカッコいい映画俳優はいたし、酸いも甘いも噛み分けたその筋の年配の女性がくゆらしていると雰囲気あるとは思う。昭和生まれだから大人がタバコを吸う場面に耐性があるだけかもだが。
しかし確かに副流煙という傍迷惑はなくとも道端に血のような色の物を吐き出すのに、あまりカッコよさは感じにくいかも。
でもビンロウには気だるい背徳感と高度に練れたダメなじいさん感がつきまとう。一般には受け入れられなそうだが、それが「枯れ専」「南国専」的に見ると懶惰な風情を感じなくもない。

気づくと檳榔屋の写真を撮っていたが、田舎の方が目につくのと、今は露出の多い服装の若い女性ではなく普通の男性女性が売り手として座っているのがわかった。
それにしても全然客は入っていない。
それが時間的な問題なのかはわからないが。

こうやって思い返すうちに、好奇心の強さだけで生きてきたのに、なぜ試さなかったのか不思議になる。
インドでサドゥー(修行者)が一度キンマを奢ってくれた事はあったが、血を吐くみたいなのは嫌だと言ったらビンロウを抜いて調合させた物だった。

次台湾に行ったら試したい気がしてきた。一回なら健康被害も大丈夫だろう。

出国前の空港でしみじみ思い出すのがこの二つとは。
でもそれがかつての旅行と繋がるところがあって、そして知らない事が次々に現れて、面白がれるという事が何とも言えず楽しいぞ。
またね🇹🇼



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?