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宮崎県の南ちょっと鹿児島 ナビとの冷戦 洞穴奇石吊橋に城 【専業旅婦は日本だって旅する その9】
不思議なことに、廃校をリノベしたその居心地のいい宿は、朝を迎えて小学校度が増した気がした。
その理由はこれ。
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給食室でお茶漬けの朝食をいただく。
シラスに梅干、ネギ、刻み海苔のシンプルな出汁茶漬けを、おいしくいただいた。
この日泊まっていたのは数組だと思うので、作られたのは十人前くらいかな?と思うのだが、特に給食メニューっぽくなくとも、その少ない人数分であっても、温かいものが調理されて校内に漂うと、途端に小学校の匂いになる。
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アルコールが置かれているところは
小学校っぽくはないけれど
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無骨で大きなガスコンロも
残念ながらこの日は鹿児島県、宮崎県共に雨雲の下にあるようだ。
今日はこの鹿屋市を出て、宮崎県小林市のかくれ念仏洞その他に立ち寄り、今日の私の宿泊地、綾までいく計画をざっくりと立てていた。
宮崎県に来てからの2日間、期待以上に楽しかったから、今日の夕方の便で一足先に帰る連れ合いは満足。例によってあと2泊の一人旅の予定をしている私も、あとは成り行きまかせのいつもの知らない街散歩ができればそれでいい。
ところが、前日までも少々折り合いが悪かったレンタカーのナビとの冷戦勃発。
新しい道の情報が更新されていないのか、こちらに間違いがあったのかは知らないが、下りろと言われて高速から下りたらまた乗れと言われたり、曲がれと言われたらすごくわかりにくいその先だったり、何だか相性が悪いったらない。
遂にはGoogleマップの音声だけを頼り、車のナビは無視することになった。
そしてやっとこさ着いたのは 天然記念物の溝ノ口洞穴 だった。閉所恐怖症のくせに洞窟系になぜか惹かれる私の提案。
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神仏融合の頃からの純粋なるアニミズム的な神聖さ
入口にある貸し出し懐中電灯を手にが中に進むと、その光が吸い込まれるような闇があった。中を流れる川から、カエルの鳴き声が聞こえるがその生き物の気配に少しだけ安心する。振り返れば洞穴の出口(入口?)の光や手にしたライトがあるに関わらず、闇は怖れと自然に取り込まれそうな一体感とどこか安心を同時に感じさせる。
ここのガイドに細かな説明もないまま「パワースポット」とあるのは、神や仏の概念のもっと前からヒトが持つそういうパワーが心の深部を揺さぶるからなのかと思う。そのパワーは「恋愛成就」とか「家内安全」とかの具体性のかけらもない、原始的な自然物パワーのような気がした。
ここで地名について。
今までこの辺に全く馴染みがなかったが、途中で寄った 道の駅たからべ とこの洞穴あたりの町名、財部 が同じ読みだとふと気づいて「おおっ!」となった。財は確かに宝の意味を表している。周辺の人にとっては当然だろうが。
そして何を勘違いしたのか、曽於市の字を反対に読んで、「オソ(悪阻)ってつわりの重症化したものだから、妊婦にとってはキツい名前」などと口走って、連れ合いにソオ市だと訂正される。読み反対じゃん。失礼しました。
途中まで来てかくれ念仏洞への道は台風による水害により通行止め?という情報を知った。定かではないが今日はナビにしてやられていたため、そういう時はうまく行かないかも。
中止にしよう、と今度はそこから比較的近くのとある場所に行ってみることにした。
陰陽石だ。
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この石は見る角度によってもっとあからさまに男性器に似る。
そして更に下にある石はまるで女性器で対になっているらしい。
らしい、というのはここから見ただけに留めたからだ。
私有地にある展望台から石がよく見え、書かれているところに連絡すればガイドもしてくれるようだが、もし私が子どもの立場なら、たまたま近くを通りかかっただけならともかく、親がガイドを頼んでこの石を見た事を知るとちょっと恥ずかしいのではないか?とよぎったからだ。
言い訳がましいが、この石に興味を持ったのは、ヒンドゥー教のシヴァ神信仰としてよくシヴァリンガ像が信仰対象となっており、それはまさに男女一対の性器を表しているからだ。寺院にも道端の祠でも見ることができるシヴァリンガ。
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天然のシヴァリンガとなれば、ヒンドゥー教徒の一大聖地にもなり得る。ここh日本だけど。
非常に細くてグネグネの道を抜けて、綾町市街の手前にある 照葉大吊橋 にやってきた。連れ合いは高所が苦手だが、揺れが少なく下が素通し感の薄いこの吊橋は大丈夫だという。本当かどうかは知らないが、来てみたかったので渡ってみた。
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雨に濡れた6月の照葉樹林は、明るくしっとり甘さをたたえた緑の葉を茂らせている。
町と町をつなぐのではなく、純粋に照葉樹の自然を堪能するために造られた橋だが、その目的を十分果たす吊橋界の象徴みたいだ。
綾市街に着いたら綾城で下ろしてもらった。
ここから連れ合いは宮崎空港へ車を走らせ帰路へ、私は綾市内に宿泊だ。
歴史に疎く、城に興味を持つわけでもないが、そこにあるからという理由で訪れた綾城は見応えがあった。
復元された天守閣だが特徴的な珍しい造り。
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ここで下々の暮らしとやらを見ていたい
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わかった❗️座王の鬼こと笑い飯・西田の若い頃だ‼️
城からの下り道では濡れ落ち葉の中をカサコソ動く多くのサワガニ。
初めての街で偶然取った宿の近くを散策し、酸素と湿度が濃密な林のトレイルをぶらつき、日暮れが訪れるのを待った。蛍の里とあるから川沿いで蛍の光を見たかったのだ。こんな空気の日は自宅近くの谷戸でも蛍が舞う。
しばらく待ったが残念ながら見ることはできなかった。でも初めての物をたくさん目にした日だったから、いいや、と宿に帰って大浴場に入っていつの間にか眠りにつく。
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