見出し画像

老親との付き合い方⑤ 「母の実家」終い

ゴミ屋敷ではないけれど物が溢れる実家

昭和初期世代(一桁ではない)母。
物を手放せられない人で、
実家は物で溢れています。

ここ数年、それどころか10年単位で
使っているのを見たことがない物
存在すら忘れてしまっている物が
棚、引き出し、クローゼット、
ちょっとした隙間、、、、
ありとあらゆるスペースに
ぎゅうぎゅうに詰め込まれています。

梅雨の候、この夏の異常気象を
予感させる暑さが既に始まっていた時
頼まれたものを探していると、
引き出しに高品質なシルクスカーフを発見。
40年ほど前海外出張時お土産として父から
渡されたものです。
母が着用している姿を20年以上見ていません。
存在ももらった経緯も忘れています。


クリーニング店のタグがついたままで
状態よく保管されていて、流行に関係なく
秋冬に使えるファッションアイテムだし、
(いまどきのUV加工、ひんやり機能一切なし)

「これ、使っていないようだから、
もらってもいいかしら?」

と尋ねると、迷いなく即答

「明後日それ使うつもりでいるから、
まだあげられないわよ。」

、、、この後そのスカーフを巻いている姿、
もちろん見ていません。

ベランダの鉢植えハイビスカス🌺
蕾を次々つけて元気😄

手放さない、物に固執する母

一事が万事、この調子なので
実家にはありとあらゆる年代の物が
(私には不用品にしか見えない、
母にしたら大切でまだ使う機会のある物)
何層にも蓄積し仕舞い込まれているのです。

晩年の父が、溜め込まれた物、
整理できない、しようとしない母に
怒りを露わにする場面に何度か
遭遇しました。辛い思い出です。

さてその彼女が手放せられない際たる物が、
地方都市にある無人の彼女の実家。
母が結婚前に一時期暮らした古い一軒家で、
私にとっては「実家の実家」にあたります。


人口減少に歯止めがかからない日本の
地方都市で増え続ける空き家の存在が
社会問題化していますが、
我が家も「空き家問題」を抱えているのです。

実家じまい終わらせました! ――大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方 (単行本) https://amzn.asia/d/achCBXH

我が家の空き家問題

約30年前に祖母から母が相続したその古家は
新幹線のぞみ停車駅で在来線に乗り換え
約一時間半の〇〇市にあります。
父母共にまだ多少若く元気だった頃は
気分転換にと年に数回滞在、
それなりに利用価値はありました。

ただ早い段階から父は売却すべきとの
考えでいたのです。
管理が大変になるのは目に見えているし、
維持コストもかかる。それに
地方の不動産価格が上がる見込みがないから。
が、如何せん登記簿上所有者名義は母、
彼は助言することしかできません。
そして所有物を手放す=人生の負け、の
意識を持つ母に父の言葉、思いは届かず、
今に至ってしまいます。

二人は齢を重ね、後期高齢者になり、
平均寿命を超え、各々持病を抱え、
田舎の家へ行く頻度はだんだんと
少なくなっていきます。

父が残したメモを見ると
2018年6月が最後の滞在です。
その前後から父は度々体調不調を
起こすようになりました。

そうこうするうちに2020年に入ると
コロナ禍での行動制限で追い討ちをかけられ
完全に足が遠のいてしまいます。
そしてその間に父は帰らぬ人となりました。

コロナ以前の日常に戻った今、
90歳近くなった母は
様子を見に行きたいから
一人で行くと強がりますが
実際は単独で長距離移動する
体力と勇気をもはや持ち合わせていないこと、
家族のみんなわかっています。


蕾は全部で15個🌺
一気にさいてくれたら壮観でしょうね🥰


売却プロジェクト立ち上げ、
既成事実化作戦

そんな中、最近、母がぼそっと

「〇〇の家、そろそろ売ろうかしら」

と言うではありませんか!

90近くなり弱気になったのか、
社会問題化している地方の
「空き家問題」を我が事として
認識したのか、私にはわかりません。

理由はどうあれ、本人が
手放す意思表示をしたことが大切。
私はボソボソ発せられた言葉を
聞き逃しませんでした。

あら〜、ようやく手放す気になってくれたのね
とてもいいことだわ
では売却に向けて動きましょうよ

ここぞとばかりに言質をとり、
他の家族にも知らせ、
「『母の実家』売却プロジェクト」を
始動させたところです。

「プロジェクト」と
オオゴト感を出すのは
母に後戻りはできないと
理解してもらいたいからです。

不動産会社はどこに頼んだらいいのか
室内にある家財道具の処分はどうする
そもそもあの古家は売れるのか
解体して更地にしないといけないのか

初めてのことで分からないことだらけですが
タレントの松本明子さんの本を読み
東洋経済も取り寄せ、情報収集中。

夏から秋に空気が入れ替わり
涼しくなったら母を連れて
母の実家を訪ねに行こうと思っています。

長文お読みいただきありがとうございました。
タイトル写真は先週の日本橋の桜の木、
葉が落ち出しています。秋はもうそこに!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?