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iPodシリーズの終了と回顧

2022年5月11日、朝に何気なくiPhoneでニュースを漁っていたら、衝撃的な記事が目に飛び込んできた。

 米Appleは5月10日(現地時間)、携帯音楽プレーヤー「iPod touch」の販売を、在庫がなくなり次第終了すると発表した。iPodの登場から約20年が経過した今ではiPhone、iPad、Mac、Apple WatchからApple Musicをはじめとするストリーミングプラットフォームにアクセスし、自分の音楽ライブラリをどこへでも持ち出せるようになった。iPodは約20年の歴史を終えることとなる。
上記記事より

今でこそ全く使わなくなったが、自分自身がかつてはかなりヘビーなiPodユーザーだった。
確か2007年頃、大学生だった当時に何気なく訪れた家電量販店で陳列されていたiPod nanoを購入したのが、iPodとの出会いだった。
ちなみに初めてのiPodであると同時に、これが自身にとって初めて触れるApple製品でもあった。

iPod nano 第2世代

カラーはブルー、容量は4GB。
それまで音楽を自室のコンポかMDウォークマンで聴いていたが、iPodを手に入れてからは音楽の聴き方がガラリと変わった。
ポケットに収まる小さくて薄い板に何千曲も入っていつでも聴けるというのはあまりにも革新的だった。
沢山の曲を持ち運べるのをいいことに、ツタヤでセール日に大量にCDを借りてきて、せっせとiTunesに取り込むようになった。
また、当時聞いていた深夜ラジオの録音や、iPod入手をきっかけに聴き始めたPodcast番組などもどんどん詰め込んでいった。
家の中でも出かける時でも、1人の時は必ず常にイヤホンをつけiPodで何か聴いて生活していた。

そうこうしているうちに容量がいっぱいになってきて、次に手を出したのがiPod classicだった。

iPod classic 第6世代

カラーはブラック、容量は80GBを選んだと思う。
これまで使っていたiPod nanoの20倍の容量。余裕ありまくりなのをいいことに、音楽のみならず動画もたくさん詰め込んで持ち歩いた。
だがある日、自転車に乗っている時にポケットから滑り落ちてしまって、そのまま川の中にポチャンという音を立てて消えていってしまった……。
計り知れないほどショックだったが、耐水性能などはないし、落としたのが夜中だったこともあり仕方なく捜索は諦めて肩を落として家に帰った。

その後、落としたiPodの代わりというわけではないが、タッチスクリーンで操作するiPodというものにものすごく惹かれて思わずiPod touchを購入。
第3世代で、容量は64GBだったと思う。

iPod touch 第3世代

指で触った通りにスルスル動き、画像の拡大縮小も直感的にできる、そして手のひらに収まるサイズ感の端末でパソコンと同じようにネットができる(Wi-Fi環境下限定だが)ということに大興奮した。
この時Apple製のタッチスクリーン端末を使っていたことが、のちにiPhoneデビューし現在に至ってもiPhoneユーザーであり続けていることに繋がっていると思う。

iPod touchが最高に楽しく素晴らしい端末であることは間違いないが、もともと80GBのiPod classicを使っていた自分の音楽ライブラリは、既にiPod touchの容量を超えていた。
同期する音楽や動画などを取捨選択してやりくりしていたが、やはり何も考えず気兼ねなく全てをデバイスに放り込んで持ち歩きたいという思いが徐々に高まり、2011年に160GBのiPod classicを購入した。
ちなみにこの時購入したiPod classicだけは、まだ手元に残っている。
長いことバッテリーは空のままで放置しており、もう起動しないが。

手元に残っている唯一のiPod
使い込んで擦り傷だらけの背面

Apple公式のオンラインストアで購入し、刻印を入れた。
なにやら小っ恥ずかしいことを書いているようだが、時効として許してほしい。

今になって思えば、iPodを手にしてなければ知ることがなかったアーティストや楽曲は数知れないこととだろう。
また、イヤホン・ヘッドホン沼という恐ろしい世界に片足を突っ込みかけたのもiPodによるものだ。
さらに言うと、いま現在iPhoneやiPad、Apple Watchなどといったアップル製品に囲まれた信者として快適に生活しているのは、1台のiPodと出会ったことが全ての始まりだった。
そう考えると、ある意味では今の自分を形成している原点ともいえる偉大なデバイスシリーズが完全に終了を迎えるというのは、非常に寂しい。
とはいえiPodが築いてきた音楽体験は今のiPhone等の中に脈々と引き継がれて生き続けているのだと思っている。
iPodを初めて世に送り出す時にアップルが用いたキャッチコピーは “The beat goes on”
そして今回のiPodシリーズ終了に際しAppleは “The music lives on” と言っている。
iPodから始まったミュージックライフは、これからも自分の中で生き続けていくのだと思う。

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