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デザインと音楽で紡ぐ 美しきエレクトロニカの世界

こんにちは。暑い日が続いたと思えば雨とともに涼しくなり、すっかり秋が近づいてまいりました。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
食欲、読書、スポーツ、芸術の秋とは申しますが、過ごしやすいこの季節、音楽の秋を取り入れてみませんか?ということで、今回は私が当時リアルタイムでエキサイトしていたエレクトロニカ音楽の世界にフューチャーし、音楽とグラフィックの関わりも踏まえてご紹介できればと思っております。


エレクトロニカとは?

エレクトロニカ(英語: electronica)は、電子音楽や、電子音楽に影響を受けている音楽全般を包括的に表す言葉である。※Wikipedia

時代や地域、派生の仕方によって異なりますが、1990年代のイギリスでの音楽シーンから生まれた、電子音と生音を両方使った幻想的、叙情・ノスタルジーな音楽という理解をされることが多く、柔らかく心地よいサウンドは必ずしもクラブミュージックを強調するものではない幅広いジャンルが存在することが特徴です。IDMがそのジャンルに当たります。
ジャンルがどれだけあるのかはこちらのサイトから↓

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引用元:Every Noise at Once


エレクトロニカとの出会い

電子音楽といえば、大半がクラフトワークやYMO、はたまたPerfumeを想像するかも知れません。無論彼らはエレクトニカと呼ばれる前からそういった音楽シーンをリードしていたに違いなく、Perfumeにいたっては日本にエレクトロ音楽を浸透させた存在に違いありません。
しかし、私が紹介したいエレクトロニカに目覚めるきっかけは学生時代に聞いていたUKロックにさかのぼります。90年代半ば日本のPOPシーンは全盛期でした。その傍らOasisというUKロックバンドに衝撃を受け、その延長でRADIOHEADに出会います。「KID A」というアルバム以降ロックバンドとしての路線を徐々に変えていき、今まで聞いたことのないサウンド、まさにエレクトロニカというジャンルに辿り着きます。彼らはライブシーンに置いて、新鋭のアーティストを前座に起用していたのですが、さらに感銘を受けたのは、メロウでエモーショナルで賛美歌のように美しい歌声と生音と電子音の旋律が特徴的な、今やポストロックアンビエントを代表するSigur Rósでした。

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Sigur RósをきっかけにBjörkmumなど北欧独特の壮大な世界観をもつアンビアントエレクトロニカにのめり込んでいきました。
RADIOHEAD(TOM YORKE)はその後も注目のアーティストを前座に起用していきます。Four tetJon Hopkins もこの頃から注目されはじめ、そこから徐々にエレクトロニカの世界を堀探ることになります。


実際エレクトロニカってどんなもの?

エレクトロニカを表するには縦軸と横軸が存在します。
生楽器系、グリッジ、IDM,電子音系など音自体の特質とクリックハウス、ポストロック、シューゲイザー、ジャス、ダンスミュージックなどのベーズサウンドにおいて、重複した様々な組み合わせで成り立つため、型がある一方で、時代性、アーティストの心情の変化がアルバム単位でテイストも変わるので、一概にまとめ難いのが特徴です。アバウトな大枠と全盛期、お気に入りについてはこちらをクリック↓

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ビョークやダフトパンク、マドンナなど他ジャンルでの人気のアーティストが何らかのエレクトロニカ的な要素を取り入れていたり、CHANELのランウェイで起用され注目を浴びたA.G.COOKが直近ではエヴァンゲリオンの主題歌、宇多田ヒカルの「One One Last Kiss」のプロデュースを努めていたりと、他ジャンルのアーティストがコラボしながら今やエレクトロニカはRemixという形で身近に存在します。The Chemical Brothersが映画「HANNA」のサントラをフルカバーするなど、映画やドラマ、CMやドキュメンタリーでも登場するシーンも多いですよね。


音から生まれるグラフィカルアート

アルバムを体現するジャケットやMVのグラフィカルアートワークは、ジェネラティブアートによりがちな一方で、個性に富んだインパクトあるものから美しい情景を捉えたもの、ケミカルなもの、紙質やパッケージにこだわりがあるものなど、スクエアの中につまったイマジネーションが手に取りたくなるような装丁で表現されることが魅力です。

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- Afex Twin『...I Care Because You Do』『Come to Daddy

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-  装丁が特に最高なジェケットたち

その中でも、間違いなく走り立役者として先導を走り、個人的にも影響を受けたアートワークはやはりRADIOHEAD(TOM YORKE)です。彼らの多くの作品を担当するStanley Donwoodは、光と闇をもつ音楽の独特な世界観とマッチしながら絶妙なバランスで共創しています。装丁も一癖あり中身に触れてのユーザー体験に優れています。

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- Stanley Donwoodの製作工程

最後に

エレクトロニカはダンスミュージックへのオルタナティブとして発生したIDMを主な影響源としつつも、先鋭性や実験性、幻想や心地よさを個性とする過程を経ています。

生楽器系の美しい旋律と重厚感あるビート、飽きのこないグリッジを反復することで作りだす壮大な情景は実際心地よくエモで、時には感動すら覚え、集中力を保ち、創造性を与えてくれます。その創造性を音楽はアートワークと密接な関係を築いているのです。

伝えたいことを表現する私達の仕事においても、目に触れる、体感することで多くはディスコントラクションし、IDEAを創出させていますよね。ジャケ買いにはずれ無しとは申しますが、手にとった一枚から始まるストーリーは、まさに究極の体感、醍醐味でしょう。

エレクトロニカの世界が堪能できる選曲してみましたので、よければお仕事、移動、休日のお供にぜひ^^

Thanks for banner design: Soyoka Hirose







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