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非常識な提案の先に

何か創り出そうぜ!
そう、星野源が言った。

何を隠そう私は星野源さんの大ファンである。
彼が新曲「創造」をリリースした。
スーパーマリオブラザーズ35周年記念のCM曲として(ご本人も出演されているが)使用されている楽曲。
そこで「何か創り出そうぜ」と歌われるのだ。

え、創るって、何を?
そんないきなりのクリエイティブなお誘い受けられない。そう思う人は少なくはないだろう。しかし、単純にモノづくりへの応援歌としても捉えられるが、生活を送る事がまさにクリエイトであり、マジョリティからあぶれ、はずれた者へ進化を止めるなというメッセージと任天堂への熱いオマージュがぎちぎちに込められている曲なのだ。

某対談で、マフィア梶田さんが源さんの曲について「虚飾がない」とおっしゃっていた事に、赤べこの様に頷いた。シンプルな同意しかなかった。彼の音楽には嘘偽りがない。それは壮絶な闘病の末に、死の先には何もなく、生きているうちに楽しまなければならない、と気が付いたという彼の人生そのものを反映させているからではないかと思う。

もちろん作詞に関してフィクションを混ぜている場合もあるけれど、ひとつの「音楽」になった時、それは途端に現実として、聴く者の体へ鳴り響いてくる。

「創造」とは個である事を恐れるな、独を創り出そうという非常識な提案によって成り立っていて、世の中の方をずらせば自身が真ん中になるんだと示している。

そして曲を聴き進めていくと、さながらマリオのように兎に角走り続ける自身の様相が浮かび、脆い生き物だと認めつつも、倒れても生き返るように、不死身の心を培ってくれる。

マイノリティに甘んじていても、それでいい、そこからだって進化していける。命にアイデアを持って、独創を続ける事に「満点」をくれる源さんの非常識な提案の先には、北風と太陽の太陽のようなあたたかさと、それでも天気は変わるという、操作出来ない逸脱感があった。

スターを手にして、無敵で突き進め。
一筋の未知を創り出そうぜ。

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