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「夢チャレンジっ子」#研究報告書 ~子どもにとってのお仕事体験は、将来のやりたいことや夢へのきっかけとなるのか?

2021年4月、モヤモヤしていた私にとって、とてもキャッチーな言葉が目を引きました。
゛自分なりの新しい働き方への挑戦!⾯⽩くなくてもユニークじゃなくても「やってみたいこと」があればなんでも自由に企画していい!”


これは、わたしが「新しい働き方LAB研究員制度」に応募という一歩を踏み出し、300名のうちの一人として2021年6月から約半年間活動を続けた研究活動の最終報告書です。

研究員制度に参加されていない方も、子どもの未来について感心がある方や、自分自身にとっての夢や目標について考えられる方の参考になれたらと思います。


実験の目的と背景

わたしが企画した実験テーマは「子どもにとっての仕事体験は、将来のやりたいことや夢へのきっかけとなるのか?」です。親しみやすく”夢チャレンジっ子”という名称をつけて活動していました。

このテーマを実験として選んだ背景については、
①コロナで在宅時間が増えた小学生の娘が、家のなかでゲームやYouTubeをみる時間が増えてきていたこと
②娘が友達との会話で「夢なんてまだわからないよね」という言葉を聞いたとき、仕方ないと思う反面ほんとうにそれでいいいのかと、思ったからです。

一般的に、子どもが具体的な夢や目標を意識的に考えれるようになるのは、中学生や高校生からという意見もあります。そのため、小学生で夢を持つのはまだ早いのでは、と思われる方もいるかもしれません。実際にわたし自身も小学生時にはまだ将来なりたいものや夢は、具体的にわかっていませんでした。

それなのになぜこのような実験を選んだのか。それには以下のような調査結果を見つけたからです。

出典:東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所共同研究「子どもの生活と学びに関する親子調査2020」

上のグラフを見ると、2016年から2020年まで、小学4年生から高校生まですべての年代の子ども達が「将来なりたい職業がある」と回答している数が減っています。
わたしはこのグラフをみて、未来の自分の姿にわくわくして想像できる子どもの数が減ってきている、と不安を感じました。

というのも、自分自身がつい一昨年まで、具体的な夢や目標が持てないまま流されるように生きてきたことに後悔を感じていたことも関係しています。

なぜこのような結果がでているのか。
X世代生まれのわたしとは違って現代の子ども達は、インターネットやメディアからの情報や、お仕事体験やワークショップなどを通して、働くことについてや職業の違いさえ簡単に知ることができます。
問題なのはそれらを知る機会に出会っていないこと。田舎体験や自然体験のように、親も積極的に仕事や働くことについて学ぶ機会を、子ども達に与えることも必要なのではと考えました。

そして実際に体験をすることで、ネットやメディアでは得られない情報が、将来の子どもの夢や目標につながる機会になるのでは、という考えからこの研究テーマを選ぶことにしました。

研究活動の概要

実験を開始するにあたり、事前に小学生がなりたい職業や夢について調査された結果を調べました。いくつかから、今回はこちらのniftyキッズの調査結果を参考に、実験を進めることに。

当初このランキング表にある職業を体験先とした予定をしていましたが、コロナの影響や、職業によっては危険が伴うため小学生は不可など、体験先を探し出すのに容易ではないことが判明。
すでに実験期間が過ぎていましたが、途中で変更可能な研究制度だったこともあり、体験方法をオフラインだけでなくオンライン講座を受講する方法も加えるなど、いくつか活動内容を見直しました。

そして、実際に行った活動は以下の通りです。

【この研究活動で行ったこと】

①体験先の情報収集
ネット検索、友人や知人へ情報収集、地域情報誌、書籍参考

②夢チャレンジっ子参加者の一般募集
Slack、Facebook、Twitter、Instagramで告知、友人へ直接連絡

③オフライン体験先への依頼や日程調整
・学校の先生
・知人薬剤師
・レストランオーナーシェフ

④オンライン講座の講師依頼(研究員生)
・マーケティング:テツさん
・声優:はづきへちまさん
・経理:アオイソラさん
・薬剤師&医療ライター:まいまいさん

⑤オンライン講座開催の準備と実施後の対応
・イベントページの作成(Googleサイト、canva)
・申込フォーム作成(Googleフォーム)
・告知(Twitter、Facebook、Instagram、slack)
・講座参加者への対応(メール、LINE、Instagram)
・講座後のアンケート作成(formcats、Googleフォーム)
・お仕事体験レポート作成(子ども)
・活動毎に報告書作成(note)
・報告書の発信(note、Facebook、Instagram、Twitter)

研究員制度期間中は、研究員向けのさまざまな講座にも参加することができ、いままでExcekとWordぐらいしかまともに使ったことがないわたしにとっては、頭がパンクしそうになりながらも、いろんな知識やスキルを身につけることができました!

なかでも一番やってみて良かったと思うのが、オンラインのお仕事講座にチャレンジしたこと。講師として協力してくださった研究員の方々がわたしの実験に共感してくださり、ご自身の時間を割いてでもスライドの準備をしてくださったこと、子ども達に真剣に向き合ってくださったこと。また企画から主催&進行まで、すべて自分でやりきったことは、スキルやメンタルがアップしたことよりも、誰かと一緒になにかを作り上げる、というチームの大切さもあらためて学ぶ機会となりました。

子どもが産まれてから10年間、子供優先にと主婦だけの生活をしてきた以前の自分だけでは、とうてい叶えられなかったことです!

結論と根拠・気づき

実際に実験を進めていくなかで、この実験を数値化して結果を出すには、ある程度参加者の母数を集めることが必要だと気付かされました。
その結果最終的に出した結論は次の通りです。

【結論】小学生のお仕事体験や経験は、夢ややりたいことが見つかるきっかけへすぐに直結はしない。しかし将来的に、「仕事」や「職業」や「働き方」について考える時期となったときの選択肢を広げられる。なにかに興味や関心を持つきっかけとしてのチャンスになる。

【根拠と気づき】
このような結論にいたった理由の一つには、お仕事体験後に実施したアンケートの回答内容も参考にしています。

▼アンケート集計したものを以下Googleスプレッドにまとめています


またniftyキッズの調査結果にはこのようなことも書かれていました。

大人は安定性や収入面を優先にした子どもの将来の職業先を考える傾向があるのに対して、子どもは好奇心から将来なりたい職業や、夢や目標を持つ傾向がある。

これらから、子どもにとって大事なのは「働く」ことそのものに好奇心や感心を持てるようになることであり、そのためのチャンスというきっかけとしていろんな体験をしてみること。そしてそれらの経験がやがて、やりたい!やってみたい!という気持ちになるかで、夢や目標につながっていく、というのが結論を出した理由です。

研究に関する考察

実験活動では具体的な活動内容に対してだけでなく、活動を通じて得られたその他の効果もあります。
・親子のコミュニケーション量が増えた
・普段できない体験を子どもに与えられた
・子どもの興味度合いや反応を間近で見ることができた
・子どもが興味がないことも機会を与えられることで、「知ってみる」「やってみる」という考え方を伝えられた
・子どもの夢や目標を見つけていくには親の努力も必要だとわかった

将来の夢ややりたいことについて、なかなか子供と向き合って会話する機会が持てない人も少ないのではないかと思います。
この実験では、わたし自身も「働く」ことと「子育て」について振り返るきっかけにもなりました。

今回のこの実験で子どもが体験や経験したことをいつか思い出し、子どもにとって自分らしい働き方ややりがいを持てる「夢」のある仕事選びにつながっていけばいい。そう願います。

今後の活動について

研究制度に参加後、「夢チャレンジっ子」を団体として正式に登録することができました!

一緒に夢チャレンジっ子に参加していただいていたお子さんの保護者の方と、地域で活躍されているキャリアコンサルタントのお二人で、一緒にチームを組むことが実現しました。

今後は、子ども達のワクワクを引き出し、キラキラ輝く未来へとつなげる活動を地域から発信していにたいと思います。目標は全国、そしてさらには国際的にもつながっていけたらいいなという思いです。

全体の振り返り

この研究員制度に参加したことで、たった半年でスキルアップだけでなく人間的にも強く以前よりもっと前向きになることがでしました!
あの時、自分の心に響く言葉に出会わなければ、勇気を出して応募しなければ、いまの自分はありません。研究員としての活動は、自分のライフスタイルが180℃良い方向へ変わるきっかけだった、といっても大げさではありません。応募という一歩を踏み出たことで、自分らしい働き方をみつけることができた、そしてなぜ自分はこの仕事を選んだのかが明確にできました。参加していなければ、たぶんいまも、まだもんもんとした主婦生活を送っていたでしょう…。

★新しい働き方LAB研究員制度について
・研究員生と繋がり互いに協力や情報共有などができる
・研究員生とともになにかを成し遂げる喜びが味わえる
・やったこともないことでも挑戦しようという意欲が持てるようになる
・最前線の知識が学べる
・発信に対しての自己ハードルを下げられる
・自分らしく働くことについて気づきがある

ここまでこの制度を運営管理、サポートしてくださった方々には大変感謝というほかいいようがありません。
また、わたしの実験を応援と協力してくださった研究員生のみなさんや、実験に参加してくださった子ども達や保護者の方々にも、心からのお礼と感謝の気持ちを贈らせていただきます。


▼この「夢チャレンジっ子」実験に関するこれまでの活動報告書を、こちらのマガジンにまとめています。よろしければ合わせてご覧下さい。

▼またわたしは「もう一つの夢チャレンジっ子」という研究もしていました。その最終報告書はこちらです。