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待つ時間の意味

携帯を持つのは遅かったのだけど、before携帯の待ち合わせでは、相手が大幅に遅刻してもなかなか立ち去れず、いまそこの角をまがってくるとこかも?って信じながら2時間くらい待ってたりした。
ばかみたいに。

なんていうと恋人を待ってたんでしょ?っておもわれるかもだけど、ただのともだちとの待ち合わせ。
なんであんなに待っていたんだろう。相手を信じたいきもち、そしてわたしへの誠意をはかる時間だったのかもしれない。

あとで事情を聞くと寝坊だったり、そもそも忘れていたり、途中で他の仲良しにつかまってたり、遅刻魔だったり。
信じて2時間待っていた分、理由によってはもう次に約束することはない。
そんなに待ってたのはわたしの勝手だと相手はおもうのだろうけど。

来なかったことで疲弊するしがっかりするけど、尊重がないことを早めに知る機会になってそれはそれでよかった。
そのひとの軸になっている思考、わたしへの態度ってそうかわるものではないから。

いまは待つことってとても少なくなったな。
長い待ち時間が必要な場に積極的に行くこともほとんどないし。
テレビではCMまたぎのリピートが増えストレスフルになり、要点はネットでささっと入手できるようになってからじれったいことは苦手にもなった。

でも、こんな時代だからこそ、儀式のように待つことをたのしむこともある。じっくり豆からコーヒーをいれ、蒸らし時間を待ったり、手書きの手紙をだして返事を待ったり。待つことは時に優雅でもあるな。

あるとき、引っ越しで椅子が必要になり、amazonで即日届くのもあるというのに、こころ躍るデザイン(ヘッダ画像の椅子が酷似)をみつけてしまい、あるルートからイタリアへのオーダーをした。
在庫があるわけじゃないから、届くまでに3ヶ月くらい。

届くまでのわくわくと、職人さんがつくってくれてるうきうきと、届いたときの愛おしさは格別だった。似たものは国産でもあるのかもしれないけど、本場のモノだけがもつ佇まいってやっぱりある。待ってよかった。

ほかの目的用に、ワーク系などの機能チェアもいくつか買ったけど、結局早々にこわれたり、居心地わるくて処分した。
結局いまも愛用しているのはそのオーダー椅子だけ。
クラシカルな飾りとスプリングの座面がいい感じ、という以外は特になんの機能もない、塗装もだいぶ剥げてきてすでにアンティーク感もでちゃってるごくふつうの椅子なのだけど、これはこわれても直すぞっておもえる。

待った時間の分、こたえてくれると愛着も増すのかな。
寒い街角で2時間待たされても、ごめーんて駆けてきて、なんで待っててくれたのって泣いてくれたりしたら、いまでもそのおともだちとも続いていたのかもしれないな。


リリィミンツ
SSMP
* ずっとウタうシゴトしています*


おまけの告知
いろいろ声をいただきながらお待たせしていましたが、わたしがvocalをつとめるユニットSSMP初のコレクションアルバム「bittersweet days collection」が3.15にリリースになります。まずはデジタルリリースから。
もうすこし待っていただければ、CD版もでます← (諸事情で様子見中です)✧*。 

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