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筋書きを書いたのは誰だ?(天皇杯決勝)

2022.10.16  天皇杯決勝
甲府 1(5PK4)1 広島

こんにちは。
メンタルコーチ 兼 清水サポのLilyです。

今日は天皇杯決勝を振り返ってみたいと
思います。
ドラマチックな内容でしたね。

皆さんの言葉を借りると
こんな筋書きがあるのか、
と思うような展開でした。

1,できすぎたシナリオ

この決勝戦がドラマティックと言われる所以は、
因果が廻ったことにあると思われます。

これから見るよ!という方も、
そろそろいないのではと思いますので、
試合の流れをざっと説明します。

甲府が三平選手のゴールで前半に1点を取り先制。
このまま甲府が逃げ切るか?
と思われた終了間際に
広島が川村選手のゴールで追いつきます

延長戦、甲府はチームで20年貢献し続けた
ベテランの山本選手を投入しますが
その山本選手がハンドの反則を犯してしまいます

PKを蹴ったのは広島の満田選手。
甲府のキーパー河田選手が鋭い反応でボールをはじき出します。

その後、1-1のまま試合が終わり、
PK戦となります。

PK戦では各チーム5人ずつ
順にボールを蹴り
5人が終わった時点で多く成功した方が勝ち。
もし同数ならそこから1人ずつ出して
差がついた時点で終了。となります。

さてこのPK戦。
広島の同点ゴールを決めた川村選手が
GK河田選手にセーブされて×となり
先ほど止められた満田選手は決めました。

そして一方甲府は
延長戦でハンドの反則を取られた山本選手を
5人目として送ります。
彼が決めて甲府の初優勝となりました。

サッカーの神様は
よくこんな都合よく筋書きを描いたなと
思えるほど、できすぎています。

2,その一つひとつの場面で何を考えるか

例えばハンドの反則でPKを取られたシーン。

PKは圧倒的にキッカーの方が有利と言われています。

その時にもしGKが
「もうだめだ、終わった」
というメンタルだったら、
おそらく決められてしまうだろうという
想像はできると思います。

一方で河田選手は
「山本選手のために」
と思ったようです。

それでも決められてしまうことはありますが
もう駄目だと思っている選手よりは
セーブの可能性が高まります。

同様に
PKを止められてしまった満田選手は
最後のPK戦で再びボールを蹴ります。

まず、そこで蹴れるかどうか、もメンタルです。
さっきだめだったから、もう蹴りたくない
と思う選手もいるでしょう。

そこで、もう一度チャレンジをする
その勇気がまた素晴らしいと思います。

さらに、5人目のキッカーですから
相当のプレッシャーがかかったはずです。

更に甲府の山本選手も、
ハンドの反則を取られ、相手にPKを与えてしまうという
正直絶体絶命ともいえる状況を
河田選手に救われました。

そこで、そのミスをずっと引きずっていたら
おそらくその後のプレーでもまたミスを犯したり
最後のPKで外してしまったり、するかもしれません。

気持ちを切り替えて次のプレーに向かったからこそ
最後まで守り抜き、
最後のPKを落ち着いて決め、
優勝を勝ち取ったといえるでしょう。

どんな場面でも、
人はいろんな考え方ができます。

もう駄目だと思うか、
なにくそ、ここを跳ね返してやるぞと思うか。

また同じことの繰り返しだと諦めるか、
今度こそ歴史を変えてやると思うか。

ピンチをマイナスだと思うか、
ここを乗り越えたらヒーローだと思うか。

悪いイメージを持ち続けるか、
良いイメージに転換していけるか。

先ほど「神様がこの筋書きを書いた」
と書きましたが、実際は
選手一人ひとりの想いが重なって
こういう試合になったのだと思います。

どちらのチームも
どの選手も
みんなが勝ちたいと思って戦った結果。

だからこそこの筋書きは
誰かが書いたのではなく
選手たちがそれぞれに活躍した結果
生まれたストーリー、というわけです。

3、PK戦の前に起こっていたこと

もう一つ気になったことがあります。

これは結果論と言われてしまえば
そこで終わりですが、

延長戦が終わった後、
TVカメラが両チームのベンチ前を
映していました。

そこで甲府の吉田監督は
PKを蹴る選手の名前を
1人ずつ呼んでいましたが
その時、呼ばれた選手が元気よく返事をし
周りの選手がイエーイと盛り上がっていました

大プレッシャーのかかるPK戦の前です。

緊張感よりもそんな自然体の選手たちが
映し出されていました。

これを見た時に
これはもしかすると甲府が勝つかもしれない

と私は思いました。

広島がそうでなかったというわけではなく
なんとなく伝わってきたモノです。

緊張感も大切だけれど
ある程度のリラックスは必要だよねと
私は感じているので
うん、そうだよな、
と思ったエピソードなのでした。

4、一人少ない状況で・・・

ある選手にこんな話を聞いたことがあります。
ある大事な試合で、チームメイトが
レッドカードを提示されてしまいます。

また試合は始まったばかり。
走行距離がものをいうサッカーの試合で
11人vs10人は圧倒的に不利です。

ですがその時、その選手は思ったそうです。
この大事な試合で、
10人で相手を破ったら面白いぞ

不利や逆境を跳ね返したら
大逆転、ヒーローになれる。

その選手は今でも現役で頑張っています。
とてもいいメンタルを持った選手だと思います。

試合をただ見るだけではなく、
ピンチや、チャンスの場面で
選手たちがどんなことを考えているんだろう??

と、選手たちの感情にまで
思いを馳せながら見ていただくと
より、面白さが増すかもしれませんね。

意外とそんなところに
メンタル攻略のヒントが
隠されているかもしれません。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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