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監査法人出身ユーザーが語る内部統制・IPO準備 〜2024/7/9 バクラク User MeetUp 開催レポ〜

こんにちは! 株式会社LayerX バクラク事業部のkoyurinこと池田です。

2024年7月9日(木)にユーザー会「バクラク User MeetUp」を開催しました。

テーマは「監査法人出身のバクラク利用ユーザーが語る! 内部統制・IPO準備特集」

今回は5月の移転でイベントスペースができたLayerXオフィスに初めて皆さまをお招きし、80名ほどの方々に参加いただきました。

LayerXエントランス前で、LTスピーカーの皆さんと!

大盛況だったイベントの様子をお届けします!

LT①監査法人出身者の目線から見たバクラクの良さ(株式会社mov 諸見里さん)

新卒で監査法人にて上場支援、その後上場企業のコーポレート、子会社監査役を経験し、現職では執行役員CFOを勤められている諸見里さんの視点から、バクラクについて語っていただきました。

前職以前の苦労。あるある…!と頷く声も

現場負担を考えて請求書を管理部で回収していても、現場が把握していない請求が入ってしまったりすることも。
バクラク申請を活用することで、無理のない範囲で現場を巻き込み、精度の高い予実管理ができるようになった結果、経営管理の質が上がったそうです。

従来であれば紙で送られてきた請求書を見て、会計システムに複式簿記にて記載したり、電子できた請求書を印刷して、手入力……という世界が、バクラクなら勝手にAIが仕訳したり入力をしてくれる。決算にかかる時間が体感として1/10くらいになったそうです。

また、こういったシステムは組織規模の小さいうちからの導入がオススメとのこと。

LTの内容はこちらのnoteがもとになっています。バクラクへの愛が強すぎるあまり書いてくださったとのこと、こちらもぜひご覧ください!

LT②グロース市場上場企業が語る株式会社yutori 樋口さん、坂本さん)

続いては2023年12月に東証グロース市場に上場された株式会社yutoriさんのLT。
2023年5月に入社され経理財務リーダーを務めている樋口さんと、2018年入社でバクラクの導入経緯からご存知の経理財務メンバーの坂本さんのお二人にお話いただきました。

坂本さん(左)、樋口さん(右)
坂本さんはyutoriさんの扱うアパレルブランドのモデルもされているそう!

平均年齢25.7歳(!)という若いメンバーが揃うyutoriさん。急成長する事業を上場未経験の経理財務メンバー3名(労務・法務等も入れると7名)で支えてきたそうです。

「バクラク申請」導入のきっかけは、上場を目指すにあたり稟議システムを導入する必要があったため。上場企業として求められる予算の「確からしさ」を確保するために、事前稟議で承認を取り、稟議申請を支払いと直感的に紐づけることができるバクラク申請を選びました。

「バクラク請求書」導入の決め手・優位な点は下記の 3 点。

1点目はOCRや稟議情報、経理財務チーム内でのWチェックマークが画面で一覧確認できるところ。

2点目としては、BPOとの相性の良さ。インサイダーの観点から会計ソフトに直接権限を渡しづらいという背景から、バクラク請求書のアカウントを渡すことによって業務のアウトソースに積極的に取り組めていること。BPO稼働の50%が月初に集中しており、月次決算の早期化に寄与しているそうです。

3点目はバクラク上で仕訳と支払管理が一元管理されること。消込でミスが起こることはほぼ0になったそう。

最後に、ベンチャー企業として受けた様々な制約についても

パネルディスカッション

ここからは、LayerX 内部監査室長の小柳を司会に迎え、2社でのパネルディスカッションへ!

監査法人出身、前職では上場企業の内部監査も行っていた小柳

テーマ1:IPO準備体制について

  • yutori 樋口さん:上場準備を2020年の7月からスタートし、2023年12月上場。当時は今ほど人員はおらず、徐々にチーム体制を整えていきました。

  • 小柳:監査法人や証券会社の他にやりとりされている外部の方はいましたか?

  • 樋口さん:成長可能性資料など様々な上場準備の資料があったので、コンサル会社とのやりとりもありました。

  • mov 諸見里さん:当社は上場準備中の段階。自身を含め公認会計士3名、弁護士1名がチームにおり、盤石な体制となっています。
    従来は世の中に「バックオフィスは必要最低限の体制・工数で上場できるのが正義」というような風潮もありましたが、現在は海外投資家とのやり取りなどもあり早めに体制を強くしていこうという意思決定をしました。

  • 小柳:公認会計士3名はどのような役割分担でしたか?

  • 諸見里さん:私自身が経営企画・広報・IRを担当しています。他2名にはそのサポートに加え、経理・労務・総務の「守り」の部分について完全に背中を預けています。そのおかげでコーポレートとして企業価値を向上するための「新しい動き」に時間も割ける恵まれた環境です。

テーマ2:事業スピードと統制強度のバランス、どう工夫していますか?

  • 小柳:企業価値を向上するための内部統制ではあるのですが、ぱっと見て事業成長速度とのトレードオフとも取られやすいこの点、いかがでしょうか?

  • mov 諸見里さん:まだ上場準備中の段階でもあるため「絶対にやらなければいけない部分」以外は今はやらず、上場直前にがっつり進めるという意思決定をしています。
    ワークフローについては、過去の監査経験も含めて早めに導入したほうがいいと考えています。稟議により現場の意識が高まり、圧倒的に予実の精度が上がるためです。現在、予実の差分が5%以内となっています。
    コーポレートが企業価値向上に寄与するため、投資家との対話でしっかり予実管理をして、資本コストを下げにいくことがが大事だと考えています。元三菱UFJ CFOの徳成さんの「サプライズのない経営で資本コストを下げる」という言葉のように、経営管理として絶対にやらなければいけない部分から着手するのが良いと思います。

  • yutori 樋口さん:ものすごい速度で事業スピードが成長する中、統制強度としては厳しい状況が続いていました。若いメンバーが多く、純粋に「服を作りたい」という気持ちを持っており、統制が効かないといくらでもお金を使ってしまうということがあり得ます。
    そういった中でコーポレートカードの限度額をコントロールしたり、ワークフローで上席がスタッフの利用した費用を承認したりするなど、月初締めてみて「予算が足りなかった」ということがないように気をつけていました。

  • 小柳:経理・プロジェクトリーダーとして持っておくべきマインドセットはありますか?

  • 樋口さん:監査法人と経理は全然違います。事業部側のミスも含め全てを経理が負うのは難しい。事業部側のメンバーを巻き込み、情報を開示し、最悪何かミスがあっても「お互いにチェックしてたよね」と必要以上に抱えすぎないメンタルを持つことも大事なんじゃないかと思います。

  • 諸見里さん:非上場企業という観点だと、経理以外の色々な領域もやられている方が多いはず。それぞれの結びつきを考えて、企業価値を向上するために取り組めることが大切だと思います。

実は樋口さん(右)は諸見里さん(中央)の監査法人の後輩!

テーマ3:IPO準備においてのしくじりや、うまくいったエピソードは?

  • 諸見里さん:IPO準備段階での話になりますが、IPO準備をガチガチにすると、現場との溝が深まるので、先程触れた本質的な内部統制の部分だけやろうと決めています。またDXを積極的に進めています。もちろんSaaSを入れて終わりではなりませんが、非上場であればCFOの決裁で一気に入れられる部分もあるので、早々に提案してしまうのがいいと思います。

  • 樋口さん:しくじりとしては、上場準備〜上場後で予算の精度を高めるのが難しかったです。毎週アパレル商品が出る中で高いヨミの精度を出す必要があり、東証や証券会社とのその部分のコミュニケーションが多かったです。

その後の質疑応答タイムからも一部抜粋!

バクラクに追加であったら良い機能は、ここがもう少しという点は何?

  •  諸見里さん:支払いのコスト部分はバクラクに載せられてるので、販売管理システムが欲しい。SaaS事業なのでMRR、KPIのような部分を管理したいです。

(バクラク導入を検討している方から)既存の経理部員から抵抗に合っている。運用が回るまでどのくらいの期間を経て導入できた?

  • 諸見里さん:現在90名ほどの組織ですが、自分自身が入社した20名頃にバクラクを導入しました。もともとワークフローがない中に導入したので、2ヶ月程で運用に載せられました。一方で、コーポレートの中でのコンセンサスはすぐに取れても、現場への浸透は大企業であればあるほど大変だと思います。知り合いの大企業の方に1年くらい必要という話も聞きました。

会場からは次々に質問の挙手が!

エンジニアが利用するようなサービスの予算付はどのようにやっているのか。月々ライセンス数に変動があったりトラフィックが異なるようなもの。

  • 樋口さん:ワークフローでの事前稟議を行っています。年間での購買稟議をあらかじめ上げ、そこに毎月の支払申請を紐づけて実績を管理し、予算の130%を超えたら追加申請が必要としています。計算の根拠や承認はコーポレートではなく事業部側で取るようにしています。

諸見里さんが「本質的な企業価値が向上しているかが判断基準」と仰っていたが、それとメンバーの評価基準をどうリンクさせている?

  • 諸見里さん:評価基準とはばっちり紐づけられてはいないが、月初に自分が立てた目標をメンバーの管掌範囲に合わせて分解しています。例えば予実精度を105%にするという目標を立てたら、メンバーは社労士を変更し決算を早く締められるようにしたり、SaaSを入れたり、現場への督促を強化したり……というように落とし込みます。

契約書管理ツールHubbleを使っている。バクラクと使用中の会計ソフトはAPI連携できているが、契約書部分の連携ができていない。どのようにされていますか?

  • 樋口さん:弊社でもリーガルチェック・締結・保管に同様のツールを使っている。会計ソフトとの連携はできておらず、マンパワーに頼った運用となってしまっている。

  • 諸見里さん:この部分はSlackでワークフローを作っている。項目にHubbleの稟議No.を入れているので、Hubbleが上がってくるタイミングで稟議の紐づけができるようになっている。ただ会計ソフトとはつながっていないので、そこの検索は手作業になってしまっている。バクラク側での他社サービス連携の強化をしてほしい(笑)。

LT・パネルディスカッションに参加いただいた諸見里さん、樋口さん、坂本さん、ありがとうございました!

LT・パネルディスカッション終了後は、LayerXオフィス付近の東銀座グルメが集合し、懇親会がスタート!

懇親会の様子

参加者同士やLayerXメンバーとの交流など、大盛況のうちに終了しました。ご参加くださった皆さん、ありがとうございました!

次回の開催についても近日中のお知らせを予定しております。ぜひお楽しみにお待ちください。

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