CSシミュレーションゲームを社内で開催してみた
こんにちは。株式会社エビリーのカスタマーサクセス本部で動画配信プラットフォームmillviの活用支援などを行なっている、池田と申します。
先日、#CSカレッジ の丸田さん(@genshin_maruta)をお招きして、あの「CSシミュレーションゲーム」をエビリー社内で開催しました!
私自身は2回めの経験でしたが、CSカレッジとは違って同じ会社の中で様々なメンバー(後述)が集まっての開催だったので、とても新鮮でした。
※ CSカレッジとは
ABEJA社カスタマーサクセスの丸田絃心さんが個人で主催されている、CSが学べるコミュニティ。ただ知識を得られるだけではなく、参加者同士のディスカッションの時間が多く取られていて、すぐにでも社内に広めたくなる学びが得られると当社で話題。
※ CSシミュレーションゲームとは
カスタマーサクセスチームの立ち上げ1年間を追体験できるボードゲーム。MRRを最大化し、チャーンレートを最も小さくしたチームの勝利。CSがカバーすべき領域の広さや他部門との関係性などとても現実に近く設計されており、当社CSチームからは「とてもリアル」「現実と照らし合わせるとだんだん胃が痛くなる」と大絶賛。
ゲームの内容については、こちらのnoteでわかりやすく解説されています!
開催に至った経緯
以前のCSカレッジvol.3終了後、エビリーから参加した3名は、テンション高めにこんなことを語り合っていました。
「とても内容が濃かった!」「もう1回やり直したい!」「エビリーのみんなにもやってほしい!!!!」
そこでメンバーの一人(@yoshimrk_smk)がこんなツイートをしたところ、丸田さんから即レスいただき、急ピッチで製品化の話に!
このやりとりからちょうど1ヶ月での開催となりました👏
開催までの準備
開催には費用も発生しますし、4名前後のグループが複数必要となるこのゲーム、社員数40名程度の弊社で開催するにはそれなりの割合の人数の参加が必要になります。実行にあたり社内でプレゼンも行ないました。
(プレゼン時の資料の一部)
プレゼン後、代表の中川から「これは経営のゲームでもあるね」と一言。
そう、これは単にCSMが勉強するためだけでのゲームではありません。ただカスタマーサクセスを推進するだけでなく、各施策の優先順位づけや各アクションの主要KPIへの影響など、普段意思決定を行なう経営者やそれに近い層の方々にとっても大きな学びのあるものなのです。このゲームは全メンバーにぜひ体験してほしいと強く思いました。
エビリーで開催するにあたっての課題
いざ開催に向けて準備を始めようとすると、いくつかの課題があることがわかりました。
(1) 社内には非SaaS事業があり、ゲームの前提知識がないメンバーがいる
エビリーのSaaSプロダクトはmillvi(動画配信プラットフォーム)とkamui tracker(YouTubeマーケティングツール)の2種類ありますが、そのほかにもYouTuberタイアップ支援やYouTubeチャンネル運用支援など様々な事業に携わっているメンバーがいます。
「MRRとチャーンレートで競うぞ!」と言って開催しても、普段あまり関わりがないメンバーには不利です。ゲームのルール説明を聞けば理解してもらえる部分もありますが、皆でゲームを楽しむには、前提知識の格差はできるだけ埋める必要があります。
【解決策】SlackにCSシミュレーションゲーム用のチャンネルを作成し、「SaaSとは?」「MRRとは?」という基本用語から、ゲームに出そうな重要単語などの解説を事前に流してみました。
(2) というか、そもそも人集まるのか…
カスタマーサクセス本部はエビリーで一番最後にできた組織で、つまり歴史も浅く、まだまだ社内へカスタマーサクセスという概念が浸透しきれていないというのもチームの課題でもありました。それを打破するための企画ではあるのですが、期末の追い込みで忙しい時期の3時間のイベント、どのくらい興味をもってもらえるのか。チーム戦で競い合うので最低でも8人は揃わないと…とちょっとだけ不安にもなりました。
→ 蓋をあけてみると参加表明20名。CSメンバー以外に開発セールスSaaS外の事業のインターンのメンバーまで参加してもらえたので、杞憂でした。
(3) 社内に広い場所がない
人が集まりすぎても場所が足りない問題。CSカレッジの際はABEJAさんの広ーいセミナールームで15グループくらいに分かれて実施しましたが、エビリーにはそういった場所がありません。社内で一番広いスペースを使っても、最大4グループ用のスペースしか確保できなさそうでした。
→ 20名参加なので本来5グループ用の場所が必要でしたが、テーブルが足りず…。基本1グループ4名であるところを5名ずつにして、なんとか入り切りました! よかった!
そもそも、カスタマーサクセスとは何か
いよいよ当日!まずは丸田さんからルール説明に先立って「カスタマーサクセスとは何か」を解説いただきました。
「カスタマーサクセスの担う領域」や「売り切りモデルとサブスクリプションモデルの収益の違い」の解説の後、「なぜカスタマーサクセスが必要なのか?」という解説に…
洗剤と衣類だけをお客様に渡しても、皆が成果(=衣類がキレイになるという結果)を得ることはできません。その間には何が必要?…そう、洗濯機です。洗濯機のようにお客様に確実に結果を届ける役割、それがカスタマーサクセス!
よくドリルと穴の例えが使われますが、「ドリルって何だか唐突だな…」と思っていたので、この例えはとてもしっくりきました。
ゲーム開始!
ルール説明後、0ターン目(オリエンテーション)を経て、ゲームスタートです! 目指せ優勝!
進化したCSシミュレーションゲーム
CSカレッジの際は手計算だったMRRとチャーンレート。今回はスプレッドシートにアクションを入力すると自動で算出される神仕様に!
CSカレッジでは計算に時間がかかり結果発表に間に合わなかったチームもいたので、いろんな人が参加する今回の会にあたってのこのアップデートは非常にありがたかったです!
また、エビリー側でも多少の工夫を加えてみました。
CSカレッジの際は参加者が持参したPCの画面を全員で確認したのですが、たくさんの企業のヘルススコアの一覧を皆で見るのが少し難しかったため、今回は各グループに1つずつモニタを設置! より議論しやすくなったのではないかと思います。
議論も白熱し、大盛りあがり
最初にどういうCSチームにしてくか4グループ各自で方針を決め、それに基づいた戦略を立て、アクションを行っていきます。
毎ターンの最初に発表される全グループ共通で発生するイベントには、ラッキーなものもあれば、チームの危機を招くようなものも…発表時は毎回大盛りあがりでした。
(重要顧客がチャーンしそうで悲鳴が上がっているところ)
「経営のゲーム」でもあるということで、社長や事業部長など、経営に近いメンバーは1グループに集めてみました。一番ワイワイガヤガヤしていたと思いますw
結果発表!
CS立ち上げから1年が経過し、MRRを最大化し、月間平均チャーンレートを最小化したのは…Bチームでした🎉
最後の11-12月のターンには3チームがチャーンレートがマイナス=ネガティブチャーンを起こすという良い結果に!理想のCSチームができたのではないでしょうか。
Bチームの勝因は「各施策の結果として出る数値を出してから、一番結果が出やすい施策を選んでいたことが勝利につながった」そうです!
注目の経営層チーム(A)は、全てのパターンを洗い出して検討に長い時間をかけていたそうです。丸田さん曰く「2年目以降までゲームがつづいていたら優勝したのでは」とのこと。
どこもCS人員のリソース不足に悩まされ、炎上やチャーンに対応することでいっぱいいっぱいになっていたようでした。それもまた現実のCSチームでも悩まされる問題でもありますね。
CSメンバーはこのゲームで活かしたことをこれからのチームビルディングや施策に活かし、他のチームやポジションの方々には、全社一丸となったカスタマーサクセス(顧客の成功)の実現について考えていただけるきっかけになっていればとても嬉しいです!
わざわざこの機会のためにご足労いただいた丸田さん、そして参加いただいた社内の皆さん、ありがとうございました!
(丸田さんとエビリー カスタマーサクセス本部のメンバーで)
2回目もぜひやりましょう!
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