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証明写真 #117

証明写真が必要になった。
某証明書の期限が2年も切れたままだったのだ。
それほど提示しないからそのままでもいいのかもしれないけど。

で、取り急ぎ証明写真が必要になった。
いつもは証明写真を使い回す。
6ヶ月以内とか気にしない。どうせわからないでしょ。整形したわけでもないし。
使えるものを使う。
確か1枚残ってるはずだ。
2年ぐらい前のやつ。
でも無かった。使い切ったんだ。

写真だけ残ってればどうにかなるか。
前回のと違っていればそれで新しい証明写真と認識されるだろう。
昔はあの小型機器の中に入らないと撮れなかったけど、今はアプリがある。
もちろん質は落ちるけど、そこまで気にしない。面接でもないんだし。
写真を探した。
でも無かった。ある期間のデータがぶっ飛んだんだった。

撮るしかない。
化粧をしていない。
死神のようだ。
どうしよ。顔色の悪さ。コンディションは最悪。
とりあえず、部屋着のまま写真を撮ってみる。
ふかふか感がどうしたって部屋着に見える。
めんどくさい。証明写真って何着て撮るんだ。

とりあえず私はフカフカを脱いだ。
ネイビーのヒートテック。
これだ!
なんでこれで良しとしたのかはわからないけど、自分の中でgoサインが出た。

顔はどうしようかな。
そういえば教えてもらった加工アプリがある。
薄化粧的なのを選択して加工してみた。
あの、例の顔になってしまう。
目だけ異常に目立つ宇宙人のアレだ。
ヒートテックを着てても、あの顔が非常識なことぐらいわかる。
加工の度合いを低くして、あくまでも自分であるところまで近づける。
完成。

プリントしたそれには、アプリでも加工し切れない死神がうっすら見えている。
気にしない。
そしてそれを送りつけた。

証明写真って、何を証明するんだっけ。
あれは自分の今のコンディションを見せつけられる真実の鏡みたいなもんだ。
あの証明は自分への証明なのかな、と思った。

今回証明されたのは私が嘘つきだってことかも。
ごめんなさい。

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