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仏ロックダウン解除後のスポーツ活動の方針 : 5月11日〜6月2日編

5月28日、エドワード・フィリップ首相が、6月2日以降のロックダウン解除の第2フェーズに移行についての声明を発表しました。これにより、一部地域を除くカフェやバー等のオープンや今まで封鎖されていた公園へのアクセスが可能になるなど大幅な規制緩和が行われることになりました。

フランスは5月11日いわゆるロックダウンが解除されたが、100km圏内の移動しかできないことやレストランやカフェの営業が許可されていなかったりと様々な規制が引かれていた状態でした。今回はその規制が大部分で解除されるということになります。

6月2日から、フランスは新たなロックダウン解除第2段階に入りますが、ここでロックダウン第1段階(5月11日から6月2日まで)のスポーツ活動はどのような方針で行われたか、振り返ってみましょう。なおフランススポーツ省の発表ドキュメントを参考にしてます。

1. 前置きとして

4月28日フランス政府はロックダウン解除第1段階の方針を発表しました。スポーツの活動でいうと、ランニングやサイクリングといった外での個人スポーツは行う事ができる、今シーズンのプロスポーツの試合は行われないといった事が発表されました。これによりサッカーとラグビーのプロリーグはあえなく終結を迎えたというわけです。 今の状況を言えば、ヨーロッパ5大リーグと言われる中で唯一シーズンを終了させたサッカーリーグとなってしまいました。フランスらしい決断といえば納得してしまいますが。。

ロックダウン解除後の4日後の5月15日にスポーツ省がスポーツ活動に関する指針を発表しました。この指針は全部で5つあり、

1、スポーツを行う際の衛生上の対策について
2、アスリートやプロスポーツ選手に対してのアドバイス
3、スポーツ施設に対する対策について
4、日常のスポーツ活動について
5、現時点で禁じられているスポーツ(集団スポーツや格闘技)に対する対応策

となっております。この指針は、各スポーツ競技団体、仏オリンピック連盟(CNOSF)、パラリンピック連盟(CPSF)、INSEP(国のアスリートサポートセンター、日本でいう日本スポーツ振興センター) 、スポーツ関係担当政治家連盟(ANDES)と、スポーツ関係で働く人たちの組合(ANDIISS)の協力ものと作られました。

以下カテゴリー別に詳しくみていきましょう。

日常のスポーツ活動について

日常のスポーツ活動について要約すると以下4点が挙げられます。

1、外での個人スポーツである(チームスポーツ・格闘スポーツは不可) 
2、ランニングやサイクリングをする際は、前後の間隔は10メートル以上開ける
3、ヨガやフィットネスをする際は、4平方メートル以内に人を入れない
4、100km圏内でできる運動で、10人以上集まってスポーツをしない

1でもわかるように「外で行われるスポーツ」でなくてはならないため、体育館やスポーツジムの利用は禁止となっております。
そして個人スポーツをする際には、きちんと他者と感覚をとる事が推奨されています。これ以外にも、早いペースのウォーキングをする際は5メートル、2人並んで走る場合は最低でも1.5メートルは間隔をあけるなど、細かく記載があります。

あとは日常生活でも言えるとですが、手洗いうがいの徹底、個人用の器具の持ち歩きはも推奨されています。

チームスポーツや格闘スポーツ等は原則禁止されていますが、代替案として同様な事が可能であるかというのも競技別に記載があります。

アスリートやプロスポーツ選手に対する対応

日常のスポーツ活動と大きく違う点というのは、アスリートやプロスポーツ選手であれば、チームスポーツでも再開が可能であり、100kmを超える移動も可能であるという点です。ただその際は、国が定める証明書が必要となります。また、アスリートやプロスポーツ選手のためなら体育館やプールといった原則休館としなければならない施設も、施設所有者や行政の認可の下、オープンする事が可能という事です。その理由として、シドニーの水泳の銀メダリストでもあるスポーツ省大臣、ロクサナ・マラシネアヌ大臣はこう語っています。

Pour vous, athlètes de haut niveau, sportifs professionnels le sport est votre activité principale, un métier. C'est pourquoi, dès cette première phase de déconfinement, au même titre que tous les travailleurs, j’ai proposé au Gouvernement que vous puissiez bénéficier de dispositions particulières.
(アスリートにとっては、スポーツをする事は主な活動である。だからこそ、ロックダウン解除の第一段階から、5月11日から多くの人々が職場に戻るこの状況と同様に、フランス政府にアスリートに対する特別措置を提案した)

この他にも、アスリートがロックダウン以前のコンディションに戻すためにも約4 - 6週間を要する事が推奨されており、練習時間や強度には注意を払うべきとの記載があります。

また、アスリートやスタッフの一日2回の体温計測や、アスリートに対する心理カウンセリングを定期的に行うことも推奨されています。

スポーツ施設に関する指針

前述のように原則としてスポーツジムや体育館はオープンすることはありませんが、アスリートの為といった特別な状態であればそれは可能であります。ただ、十分なコロナ感染対策ができないとみなされた場合は、行政や施設管理者によって封鎖する事が可能です。

スポーツ施設をオープンする場合には、コロナ対策の計画を作成する必要があり、それが行政の承諾される事が必要になります。そして、オープンの予定日の10日前からコロナ対策に関する設備を整える事が推奨されています。

ソーシャルディスタンスや密閉空間にならないことはもちろんですが、具体的には

1. 消毒用ジェルや石鹸は必ず用意する事
2. 施設で働く人たちはなるべく公共交通機関を使わないこと
3. ソーシャルディスタンスの啓発といった広告は目の届きやすいところに貼ること

とあります。

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まとめ

だいぶ駆け足になりましたが、フランスでのスポーツに活動に関する活動についてまとめさせて頂きました。参考になれば幸いです。今日も一日元気に過ごしましょう。

参考文献
フランススポーツ省サイト
http://www.sports.gouv.fr/accueil-du-site/actualites/article/des-guides-pratiques-post-confinement-lies-a-la-reprise-des-activites-physiques 
1、スポーツを行う際の衛生上の対策について
http://sports.gouv.fr/IMG/pdf/sportsguidesanitaireetmedical.pdf  
2、アスリートやプロスポーツ選手に対してのアドバイス
http://www.sports.gouv.fr/IMG/pdf/sportsguideshnetprofessionnels.pdf 
3、スポーツ施設に対する対策について
http://www.sports.gouv.fr/IMG/pdf/sportsguideequipementssportifs.pdf 
4、日常のスポーツ活動について
http://www.sports.gouv.fr/IMG/pdf/sportsguidesportparsport_fiches-2.pdf 
5、現時点で禁じられているスポーツ(集団スポーツや格闘技)に対する対応策
http://www.sports.gouv.fr/IMG/pdf/sportsguidepratiquesalternatives.pdf 






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