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『息を吸って嘘を吐く』

火照る男女踊る祭り囃子
ホテル向かい上げる白い花火
つまらん日々からの逸脱を、
毎夜毎夜願い腰振るばかり。
月並みな夜は飽きたんだよな。
「そろそろやめにしようかな」なんて呟いておく。結局、またシーツを汚しては
次会った時にゃまるで知らん顔をするのがお決まりのオチなんだけど。

脇目も振らずに走った青春の醍醐味は、
大人のフリした恋の練習だったよな。
熱ければ熱いほど冷めていく感覚を
できることなら戻ってもう1take。

やってることは今も変わらず、
味気なくなったガムをひたすら噛んでいるようなもの。

「あの頃は」なんて嘆いたって、
終わってしまえばあとの祭りだろうに。
「もう、リピートはできないね」と、
静かに笑ってみせて、
汗ばんだ夜にベランダで風を浴びる。
未だ懲りずに演じる自分に酔う。

「どうか今日だけは一人にしないで」 

いつなんだろうか、今生の起死回生は。

周りに合わせて手を叩く、そこに他意はない。
誰もが同じように嘘を吐いた。

「本当は〇〇したい」という自分のエゴを
「それは本心じゃない」という自分のエゴで蓋をする。

純粋な"自分"は今日何人死んだだろうか。

誰もが考えないように生きていくのだ。
罪の意識も無いままに。

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