サークル・オブ・ライフ

サッシ窓の、僅かな隙間に出来た鳥の巣と、そこで孵った鳩の子たちhttps://note.com/lilikoi/n/n915df3ef99f4

それを詠んだ歌が水甕の「二人集」に載った。

春も夏も秋も冬も、ずっとずーっと繋がっている。

人も草も風も夢も、皆が知っていることみたいだ。

心配することなんか何もないね。



「サークル・オブ・ライフ」 シンタニ優子 水甕2021年3月号「二人集」

針ほどの枝の編まれた鳥の巣を我もキャストとなりて見守る

窓越しのビーズのやうな鳥の目に我は隠せり暗き母性を

カーテンの端を持ち上げ盗人のやうに覗けり二個の卵を

強風に耐へ得る力を授かりて母鳥強く瞼を閉づる

裏庭の散らばる羽根に胸騒ぎ嘘寝の野良を三度見返す

見上ぐれば西陽を浴びた瀬戸物のやうなる親鳥凛と光れり

親鳥を呼ぶ鳴き声に目覚めては乳の張りたる遠き日覚ゆ

挙式まで娘は楽しめりステイホームその豊かなる髪を梳きつつ

毛づくろひに微かに震ふ雛鳥の巣立つ日私は泣くのだらうか

「ポロロロロ」風を呼ぶ声響かせて意思持つものは飛び立ちてゆく