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離乳食『亜鉛』の力

私は保育士を17年間しており、現在も保育士をしながら沢山の親子と関わり、子育てについて色々な相談を受けております。子育ての悩みは色々ありますが、「食事」に関して頭を抱えてしまうことは珍しくありません。子どもの成長には何が重要で、どのように食べさせたらいいのか…考えれば考えるほど行き詰まりを感じてしまう方も多いでしょう。
今回は、『亜鉛』の力についてご紹介します。

「強くて元気な子」の源になる亜鉛の力

亜鉛の役割②:元気な皮膚と体を作る
(1)皮膚や髪の毛を作る
皮膚や髪の毛に、体内の亜鉛の約8%が存在しています。亜鉛は皮膚の表面のタンパク質の合成や、炎症反応を抑える酵素に含まれているため、亜鉛が足りなくなると皮膚炎が起こりやすくなります。これは大人での話ですが、髪の毛にも亜鉛が含まれるため、ある報告によると円形脱毛症の方のうち1/3で亜鉛欠乏があったそうです。皮膚や髪のトラブルを少なくするためにも、亜鉛はしっかり取りたい栄養素です。

(2)体を作る
亜鉛は、成長ホルモンの分泌や骨代謝に関与する酵素(ALP、IGF-1、TGF-β)に作用するといわれています。つまり、亜鉛は、背を伸ばしたり、骨を作ったり、体の骨格の発育に関連するということです。また亜鉛には体を作るたんぱく質の吸収を助ける作用もあるため、足りなくなると体格も小さくなります。

離乳食の時期は、人生のなかで一番体が大きくなる時期です。生まれてから一年半の間に体重は約3倍に増え、身長は約1.6倍に伸びます。こんな劇的な変化をするのは長い人生のなかでこの時期だけです。亜鉛は、このグングン成長する時期に体を作り上げるのに欠かせない大切な栄養素なのです。

(3)免疫に作用する
亜鉛が足りなくなると、体の免疫を担う重要な役割をしている胸腺という器官が萎縮することによって免疫がうまく働かなくなるという報告があります。胸腺は心臓の上の方にちょこんと乗っかっている蝶々のような形の臓器ですが、そこではばい菌と戦うタイプの白血球を作っています。しかし亜鉛不足は胸腺の問題だけでなく、他の様々な複雑な免疫システムにも影響することがわかっています。ですから亜鉛が足りなくなると、バイキンと戦うための免疫がうまく働かなくなり、風邪をひきやすくなったり、下痢になったりします。

2002年のWHOのデータによると、世界の下気道(気道のうち声帯よりも中枢側の部分で、気管から気管支、細気管支を経て、終末の肺胞までのこと)感染症の16%、下痢症の10%の原因が、亜鉛不足によるものであるとしています。また少し話はそれますが、WHOにより、世界40ヵ国で10年以上にわたり子供の肺炎による死亡をどう減らすかの研究がなされました。そしてヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンなどの肺炎関連ワクチン、母乳育児、そして亜鉛補充が費用対効果があり、肺炎による死亡率を減らすとしています。
亜鉛は、体の免疫機能を働かせるために必要な栄養素なのです。

次回は、鉄分不足だけが貧血になるのではないことをご説明します。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
これからもどんどん赤ちゃんや幼児期に必要な環境の整え方を保育士として沢山お話していきます。

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