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観る将を否定します。

正確には観る専門の将棋ファンを否定します。

将棋の素晴らしさは指してこそわかるものです。
応援している人の一手に懸ける想いや
長考に沈み苦しんでいる姿
負けを悟ってもなお最後まで指し続けるその様は
自分も指してこそ共感できるのであって
安全な場所からなんらかの変換フィルターを通して得られたそれは
イミテーションなのではないかと思うのです。

じゃあ野球だったりサッカーもそうかと言われるとそれは違います。
将棋のお手軽さはスポーツと比較できないからです。
いつどこでだって誰とだって盤と駒(もしくはスマホ)があれば始められます。これが将棋のいいところ。やらないと損でしょう。

いきなり対人は怖いかもしれません。
棋書を買って棋譜並べだったり詰将棋から始めてみてはいかがでしょうか。
初心者だけど詰将棋のおかげで終盤めっちゃ強い人とかだったら
なかなか面白いと思います。

観る将のおかげで将棋ファンが増えたのは事実です。
こんな斜陽な業界に注目してくれてありがたいです。

でもね、観ているだけでは辿り着けない場所もあるのです。

タイトル戦の着物に着目してもいいし
将棋飯やおやつにニコニコしてもいいけど
個性的な天才秀才たちの命とも言える棋譜やその時の感情を
少しでも理解するにはやっぱり観ているだけじゃ足りないのです。

時々小説家や文筆家が将棋のコラムや観戦記を書いてくれますが
指している人と指していない人では深さが違うと思うんです。
観る将棋ファンから指す将棋ファンへ
一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

ちなみに私は久保九段が好きです。
振り飛車を指します。


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