コトバ(言葉)の剣

言葉=言の葉。
コトバは、誰かに向けて発せられ
そのコトバは
受け取ってもらえなければハラハラと散ってしまう。
落ち葉となる。

受け取れる、愛のあるコトバなら幸せ。
発せられたコトバが例え厳しいコトバであっても
そのコトバが受け取ってもらえれば
コトバは、その人の中に生き続ける。

愛あるコトバ。

ただ、中には剣となるコトバもある。
そんなコトバを散らせずに受け取ってしまった時
そのコトバは、人を
深く、深く傷つける。
見えないだけで、深く、深く人のココロを切り刻み
人生を狂わせてしまうこともある。

私には、今でも忘れられない
どうしても許せないコトバがある。

私は、元々は物書きになりたくて。
ただ、就活の際
たまたま教育実習を受け入れてくださった学校側との契約上
教採(教員採用試験)を受けなければならなくて。

私が教採に合格した、と知った
同期で同じバイト先の人に
「なんで努力してないあんたが受かって
私が落ちなきゃならないんだよ!ふざけてない?」
と言われた。

私は言い返さなかったけど。
私が努力していたかどうかは彼女が知る訳はなく、見てもいない訳だし、
受けた自治体も専門教科も違うのに、教採に合格して何で人前で叱責されるのかと。

悲しかった。

彼女は強い野心家で。
彼女と私がたまたま同じ会社(物書きをしたかったからね、私は!)を受け、
同じように最終面接まで行ったけど
彼女は面接官に私と同じバイト先だと知られてからはずっと私の話題だった、と
憤慨して帰ってきて、また人前で叱責された。
「何で私の面接なのにあんたの名前や話題が出てくるんだよ!」と。

私はその会社から内定をいただき、彼女は落ちた。
そしてまた私は人前で叱責された。
バイト上がりに呼び出されて、どっかのお店に連れて行かれて…。
たまたま一緒に帰る予定だった後輩が同席していて、帰り道で
「あれはおかしいよね?あの人何で怒ってんの?自業自得じゃないの?」
と言ってくれた。
そのコトバは、柔らかく私を包んでくれた。傷口にお薬塗られたみたいだった。

その、就活の年に私を事あるごとに叱責してきた彼女はバイト先ではチーフだったけれど、
後釜のバイトさんの面接時、上司から
「仕事内容の説明はお前じゃできないから、○○(私)がやるように」
と命じられた。

本人は「確かに!」と爆笑してたけど、
自分がチーフであると分かっていながら「(実際は仕事をほとんどしていなくて喋って時間潰して終わりだったから)自分が仕事内容を把握できていない」ことはわかってるんだな、と。

実はバイト先の後輩達は、そのやりとりを見ていて呆れていた…

彼女は、地元で念願?の「タレント活動」に就き、本当にものすごーいローカルの番組に出ているのを、数年間で片手で数えられるくらい観た(友人から聴いた話も含む)。
今は何をしているかは知らない。
興味もないし。

ただ、私はあの日に言われた
「努力してないあんたが受かって、何で私が落ちなきゃならないんだよ!」
と叱責されたことを、今でも忘れられない。

コトバは、愛のあるコトバであれば厳しいコトバでも受け取って糧にできる。
散らすことはない。
落ち葉にはならない。

でも。
「妬み嫉みを含む剣となるコトバ」は
人のココロを切り刻むナイフとなり
散ることなく、その人を深く深く傷つける。

私は、まだあのコトバ達を忘れられずにいる。

あのコトバを吐いた本人は、満足だろうし、きっともう忘れているか、今言われても爆笑するだけだろう。

でも言われた側は忘れられずに傷を負ったまま生きていかなければならない。

コトバは、葉っぱ。
コトノハ。

剣ではなく、愛のあるコトバでありますように。

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