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この世は物語じゃない


理想を想い描けない。
理想そのものを否定してる。
妄想、
願望、
希望…
その他様々な希望的願望が失せた。

労働時より明らかに低下した。
それぐらい現実を知ってしまった。
醜い世界を知ってしまった。
理想さえ現実物。

小説も書けなくなった。
どこもかしこもリアルに変換。
それで自己嫌悪
あぁ、あの頃はやりたいことがあったなと、
もう人や物に対してそんな期待ができなくなった。
こうやって悟っていくもなんだな。
人間ってやつは。

あまり知りすぎるのもよくない。
ある程度、
不思議があってこそ面白いんだと思う。
ゲームやアニメなんかでもそう。
どこか解決されない部分がある方が読者も論議のしがいがある。
けど主人公がこれから起こることを知りすぎては、一瞬にして駄作だ。
そんな物語ばかり書いていた。
頭のどこかで悟った主人公。
その通りに運ぶ現実。

だから嫌になった。
思うように運ぶ現実など現実じゃない。
単なる理想郷だ。
もう物語は書けない。
詩も紡げない。
汚いものばかりだ。

でも過去の一文でも心臓に突き刺さる人が居る。
その人の為にも遺しておくべきだろう。
私が死ねばここが親にも友達だった彼らにも知られる。
知られたいのかもしれない。
消える時ぐらいは。

理想な幸せは、長くは続かない。
そんな真理を知っては生きる気力もなくなる。
この世は、物語じゃないんだから。