中学生時代(4)

今でも覚えているしょうもない事シリーズの一つとして、中3に上がった時に、ジャンプを買い始めたというのがある。周りは小学校高学年くらいの頃にジャンプに移行してたんだけど、自分は近所の図書館で手塚治虫漫画全集とか読んでたのであんまり興味なかったんですよね。ドラゴンボールとかは友達んちで読めたし。

ただもうね、当時のジャンプって凄かったんですよ。少年達のコモンセンスですよ。ジャンプが史上最高の653万部を達成するのはもうちょい後の1995年ですが、俺の中学時代でも既に600万部くらいは売れてた訳で、周りはほぼ全員買ってたんじゃねえのってくらい普及してた。そりゃもう、俺も買っとくか・・・みたいな気にもなりますよ。ちなみに今は120万部くらいらしいので、今の5倍と考えると凄まじさが分かると思う。

で、その号が「ジョジョの奇妙な冒険」の第四部が始まった号だったんですね。即ハマった。こんな面白い漫画を見落としていたのか、と衝撃を受け、全巻持ってる友達から借りて全部読んだ。あの時、みんな「世界一ィィ!」って言ってた元ネタはこれか・・・!とか思い出しながら。あっという間にジョジョ一色になって友達に出す年賀状にスタンドとか描いてた。年賀状って手元に残らないので自分で見返せないのが惜しい。

ただ三部まで読み返してから四部読むと・・・四部地味だな・・・三部までの方が面白かったな・・・とか最初の衝撃を忘れて思っていた。大学生くらいの頃には「ジョジョで一番好きなのは四部」とか言ってましたが、中学生にはまだそこまで分からなかったですね。ただ、後にジョジョは自分の人生にけっこうな影響を与える事になります。

最後に世間の話。俺の中学時代の頃(1990年~1993年)って、オタクバッシングが一番酷かった時期なんですね。当時の空気は「コミケ幕張メッセ追放事件」あたりを読むとよく分かりますが、同人イベントに警察が来るわ、同人作家や印刷所の人が逮捕されるわ、コミケは中止に追い込まれるわで、もう今からじゃ考えられない扱いを受けてました。基本的に犯罪者予備軍扱いです。

なので、オタクなんてとんでもない。「サルでもかける漫画教室」で竹熊健太郎が「おまえってもしかして、オタク?」と言われて激しく落ち込むシーンがありますが、あれは当時の空気をよく表してると思う。オタクって人に言っちゃいけない言葉だったから。今でいうキチガイみたいなもんかな。

今だとたまにTwitterで家族にオタクグッズ捨てられたとかで炎上してますけど、当時は割と普通にあった。オタクのまま放置したら犯罪者になると信じられてたので。幸いうちの親はそんな事しなかったけど、まあせいぜい漫画くらいしか買ってなかったというのはありますが、アニメ雑誌とか買ってた人はよく捨てられてました。本当に今からだと想像できない時代だったな。なので中三の時にセーラームーンがブレイクしてた時はマジでびびった。世にも奇妙な物語の登場人物みたいな気持ちになった。

が、同時に世間はこの頃、激動の時代に突入しようとしていました。ソ連が崩壊したと思ったらバブルも崩壊し、社会主義も資本主義も両方終焉が来たみたいになった。世紀末は近付いてきた。それまでの価値観は少しずつ崩壊し始めた。だけど激動の時代はこの後、高校時代(1993年~1996年)が本番なのだった。という訳で中学編終わり。

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