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「小品」を吹こう!#12《フォーレ/ シチリアーノ》


こんにちは!

昨日からゴールデンウィークに入りましたが、またまた外出自粛期間となってしまいましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

さて、本日はフォーレのシチリアーノです。
https://www.youtube.com/watch?v=u0lcO4q1MmY

フォーレに関しては以前上げた記事#6の《夢のあとに》も合わせてご覧ください。

** シチリア舞曲**

シチリアーノというのは古い舞曲のひとつで「シチリア舞曲」と言います。読み方もシシリエンヌ(仏語)、シチリアーナ(伊語)等ありますが同じです。女性名詞や男性名詞かで発音も変わりますが、一番一般的に使われている呼び名はシチリアーノかもしれません。

また、シチリア島の農民の舞曲と言われていて6/8拍子または12/8拍子でテンポはゆったりしています。古い舞曲として生まれ、バッハやヘンデルの時代に知られるようになったシチリアーノですが、その後はしばらく有名な作品はなく、再びフォーレの作品で知られるようになりました。しかしフォーレのシチリアーノは農民舞曲というよりは、美しく流れていくような牧歌的な作品となってます。

譜面上では付点のリズムが重要でそこが舞曲をイメージさせる部分ではないかと思っています。

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青色に囲った部分です。

この曲はモリエールの喜劇「町人貴族」の劇音楽としてフォーレが作曲したのですが、後にチェロとピアノのために小品として書き直されたものと言われています。そしてフォーレもこの曲を大変気に入っていて、メーテルリンク原作の『ペレアスとメリサンド』の劇中音楽にオーケストラ版で組み込まれました。

** 演奏のポイント**

私の癖がいたるところに表れているのですが、付点8分音符の音に広がりを持たせ16分音符をさらりと演奏したいためどうしても間延びしてしまった演奏になりますので気を付けましょう!

6/8拍子の音楽はどんどん流れていかなくては止まりそうになりますので、常に先先へ行くように意識していきたいところです。

あ、これは自分への反省点です(;^ω^)

あと、中間部に同じリズムでも様々な調に展開していきますが、今でもこの部分は理解不足、良くわからずにいます。

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この部分はつかみどころがなくて、どのように表現しようかといつも迷いますが、それもフォーレが狙った手法なのでしょうか?

高音域から始まる音はpで吹かなければなりません。ここは緊張しやすいですが、その意識に乗ってはいけません。リラックスして吹けば意外と簡単に音は出るのです。とはいえ、毎度私も緊張の坩堝にまんまとハマっております・・・。

そして少しずつ盛り上がってくるかな?と思ったところで急にpに戻ったりして安定しない精神状態のようです。

しかしそれはさておき、フォーレの作品はどうしてこうも美しいんでしょうね?今後のこのシリーズにはあと2曲ありますがさざ波のような静かな感動を感じます。

そういえば、もう15年前に読んだ本にフォーレのことが載っていたのを思い出しました。今探しても無いということは古本屋とかに出したのかもしれません。

記憶ではその本は主要な作曲家の裏話をさらりと書いた文庫本で、女性関係はいろいろあったが作曲家や音楽家の中ではフォーレが一番普通の人生を歩んだ・・・みたいなことが書かれてました。

** フォーレが残したことば**

それ以外の音楽書ではなくフォーレの人生を知りたくなり先ほど、Wikipediaを読みました。

その中から引用させて頂きたいと思います。以下Wikipediaより引用

1906年に、フォーレは妻にあてた手紙でピアノ四重奏曲第2番のアダージョ楽章について触れ、「存在しないものへの願望は、おそらく音楽の領域に属するものなのだろう」と書いている。また、1908年には次男フィリップに「私にとって芸術、とりわけ音楽とは、可能な限り人間をいまある現実から引き上げてくれるものなのだ」と書き残している。
フォーレは死の2日前、二人の息子に次のような言葉を残している。「私がこの世を去ったら、私の作品が言わんとすることに耳を傾けてほしい。結局、それがすべてだったのだ……」

「とりわけ音楽とは、可能な限り人間をいまある現実から引き上げてくれるもの」という部分は非常に共感が持てるといえばおこがましいですが、本当にそう思います。

「自分の作品について言わんとすることに耳を傾けてほしい」との遺言?は全ての音楽作品に宿っているものなのだろうと思います。

クラシックの音楽家は楽譜からそれらを丁寧に拾い上げてその時々の解釈で演奏するのであるけれど、私の場合毎回何か受け取るものが変わるのですよね。

そして、指導するときもその時発見したことも多々あり、ここはこうしてみてはどうだろうかと。

そうやって、今の自分と向き合って生きているように思うのです。

果たして最後に残した言葉「私の作品が言わんとすることに耳を傾けてほしい。結局、それがすべてだったのだ……」が心から理解できる日を楽しみに生きていきたいですね。

今日は、なんだか真剣に音楽と人生について考えてしまった記事になってしまいましたが楽しんでいただけたら嬉しいです。

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