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【時事】川口クルド人問題 情報整理

「やけに揉めてるなぁ」という感じで遠巻きに見ていたんですが、あまり情報拾わないのもよろしくないですし、この機会にまとめちゃいましょう。ただ、クルド人そのものの歴史的背景は膨大になるので割愛、解決法も現在の進捗時点での記述になるかと思います。うかつな事が書けないので冷や汗…

「排斥か擁護か」という二択に流れがちなのですが、私はどちらでもないです。合法的にやってるクルド人(に限らず外国人)は日本で働いてくれてありがとうと思いますし、そうでない場合はお帰り下さいと考えております。Xでポストしたのですが「擁護も優遇もしない、一方で憎しみも差別もしない」が私のスタンスです。

私見だと「クルド人はトルコの政情的なところでの被害者」であり、他の安全な国から日本にやってくる人とは一線を画すもの。トルコ政府とクルド人の言い分は真っ向対立しているのですが、これも「どっちも自陣営に都合のいい言説」のプロパガンダがあるようにも考えます。また、日本の制度の構造的なところの不備もあり、その面では「個人で解決できる問題ではない」面もあると考えます。我が国は法治国家なので、法的にどう折り合いをつけていくのか考えてみましょう。

※なお、トピック多すぎて例のごとく網羅できていません。「あの事件について触れてないじゃないか!」という叱責が来るのは予想していますが、別に私は「全てに回答する義務もない」ので知らん。そこんとこよろしくです。


01. 国を持たないクルド民族

まずは「クルド人ってどんな民族なの?なんで日本に来てるの?」がわからないと話が進みませんので、ここを確認しましょう。


01-01. クルド人は難民として日本にやってくる?

クルド人は元々、トルコやシリア、イラン、イラクに広がる山岳部に住む民族で、世界に約4500万人いるとされています。独立国を持てず、各国では少数民族として迫害を受けてきた苦難の歴史があるクルド人の一部は、故郷の地である「クルディスタン」を離れ、世界各地へ難民として逃れているのが現状です。

ここで難民の定義を再確認。

入管法にいう「難民」とは、難民条約及び議定書が定める「人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由として本国(無国籍者にあっては常居所国)において迫害を受ける十分に根拠のあるおそれが存在し、そのために外国に逃れている者であって、そのようなおそれのために本国の保護を受けることができず又は受けることを望まないもの(無国籍者にあっては常居所国へ戻ることができず又は戻ることを望まないもの)」とされている。したがって、我が国の難民認定制度においては、「迫害を受けるおそれがある」ことが極めて重要な要素となるが、その反面、保護を必要としている避難民であっても、その原因が、例えば、戦争、天災、貧困、飢饉等にあり、それらから逃れて来る人々については、難民条約又は議定書にいう難民に該当するとはいえず、「難民」の範疇には入らないこととなる。

出入国管理庁

「我が国の難民認定制度においては『迫害を受けるおそれがある』ことが極めて重要な要素となる」と記載があります。

一方、トルコ側の主張も記事にされていました。

次に「迫害されてるって本当?」のトピックに移ります。


01-02. クルド人は母国で迫害されている?

歴史的背景を記述するとかなり長くなるので、その箇所はさらっと…。一旦はクルド人は「国を持つ」流れになりそうだったのですが、トルコ政府により一方的に破棄されて今に至るようです。私はここの情勢には知見がないので、誤謬があればご指摘ください。

いま問題となっているのは、トルコとイラクの国境を挟んで対峙するトルコ軍とクルド人テロ組織との間で高まっている緊張関係であるが、この問題の発端は、オスマン帝国が崩壊した第一次世界大戦後の1920年代初頭に遡る。すなわち、オスマン帝国解体後の中東地域における国境画定にあたり、英仏によりいったん約束されたクルドの独立国家構想が、ムスタファ・ケマルによるトルコ共和国の樹立により破棄されて以来、トルコとクルドの確執は今日まで続いているのである。今日その急先鋒がイラク北部のクルド自治区に本拠を置くクルド労働者党(PKK)であり、PKKはトルコ南東部の分離独立を求めてトルコへの越境テロを繰り返して来た。特に今年3月以来、トルコ国内におけるPKKのテロ攻撃が激化するにつれて、トルコ国会は、ついに10月17日、トルコ軍のイラク・クルド地区への大規模な越境攻撃を承認するに至り、10万を超える兵力を国境地帯に結集させた。上述のように、クルド人の居住地域はトルコとイラクにとどまらず、イラン、シリアなどにも広がっているため、それらの国々および周辺諸国さらにはその背後にある米国などとの利害関係が複雑に絡み合っている。

東京財団政策研究所 ※2007年の記事

一方で産経新聞はこう報じておられました。

当該記事がどのくらい信憑性を担保しているのかがよくわかりませんが、記事では「差別そのものはあるものの、命の危険性まではない。たとえPKK支持でも平穏に暮らせている」と記載されていました。「難民として国外脱出をしなくては命が危険」という論調とは逆のスタンスですね。

ちなみに、場所はこのあたり。ご存じの通り諍いが多いエリアでして…黄色の箇所がクルド人が生活しているエリアです。

ハフポスト

※上記の図は結構大事で「クルド人はトルコのみならず」です。後の日本クルド友好議員連盟(和田政宗議員関連)の項目で記述しますが、イラクにもシリアにもイランにもクルド人が住んでいます。

トルコが越境攻撃をしているのは、イラクとシリアのクルディスタン地域です。イラク北部には地上戦、シリアには無人爆撃機による空爆とトルコからIS戦闘員を送り込む2面作戦が行われています。イラク、シリア共に、クルドの軍事拠点に攻撃すると反撃されますので、民間人・民間施設がトルコの攻撃対象にされています。

結論どうなんだろうと悩んでおりましたら、こんな記事がありました。記事で紹介されている英国内務省(翻訳 出入国管理庁)のPDFのリンクはこちら

日刊SPA!2024/06/03

もちろん、日本にやってくるクルド人も、0か100かという話ではなく「迫害を逃れるためにやってきた人」と「単に仕事を求めてやってきた人」が混在するとは思います。トルコ国内はインフレ率が68%を超えるなど経済状況が極めて悪いことから難民と偽って日本へ入国するトルコ国籍者が増えているとの指摘があります。

とてもわかりやすい資料を和田議員からご教示いただきましたので掲載しておきます。



02. 川口市クルド人問題の経緯

他の地域に住んでいる方は、実感としてなかなかピンとこないかもですね。私もそうです。では、何故この問題が起きているのか、背景から紐解いていきましょう。


02-01. 何故クルド人が日本に増えたのか?

日本とトルコの間で「短期滞在の査証(ビザ)免除措置」が1958年に取り決められました。パスポートがあれば来日できるので、3ヶ月の短期滞在の在留資格で入国。一旦入国してしまえば、3ヶ月後、難民認定を申請して滞在を継続できる。難民申請中の外国人には難民認定手続中という正規の在留資格が与えられることもあり、これは俗に「難民ビザ」と呼ばれます。この資格の在留期間は最長1年ですが、就労が認められる場合もあります。実際、2023年6月末時点で、トルコ国籍者1,177人に与えられています。

問題は民主党政権時代の2010年。難民申請から6ヶ月を経過した申請者に対し一律に就労できる運用を始めました。これも「民主党政権時の負の遺産」なんですね…。

難民認定数が20人前後にとどまる一方、日本の難民申請数は、2010年の約1,200人から対前年比で約50%ずつ増加し続けており、2017年には2万人弱と2010年に比べて15倍以上となっているなど、著しく急増している状況にある。日本の難民認定手続では、2010年3月以降、正規滞在者から難民申請があった場合は、申請者の生活の安定の観点から、手続が終了するまでは6か月毎の在留期間の更新を認めるとともに、申請から6か月経過後は就労を認める運用が行われてきたが、法務省入国管理局は、日本での就労を意図する外国人により、このような運用が「濫用・誤用」されていると指摘してきた。その事情として、申請数全体の約70%が、フィリピン、ベトナム、インドネシア等の大量の難民・避難民を生じさせるような事情がない国からの申請者であること等が挙げられている。

国際人権ひろば No.140(2018年07月発行号) 難波満 弁護士・全国難民弁護団連絡会議事務局長

02-02. 何故クルド人が川口市に?

外国人が日本に住む場合は、一定のコミュニティを形成するのはままある話ではあります。

クルド人の来日初期から支援を続ける松沢秀延さん(76)によると、川口にクルド人が住み始めたきっかけは、先に来日していたイラン人の存在だったという。「80年代半ばから、市内の造園会社の下請けで不法滞在のイラン人がたくさん働いており、その中にイラン国籍のクルド人が混じっていた。90年代に入り、彼らを頼ってトルコからもクルド人が来日するようになった」

産経新聞 2024/05/02

これは諸説あるようですが、実際は「身内だけのほんの小さなコミュニティが次第に大きくなった」という経緯と考えます。ただ、1980年代後半・1990年頃からクルド人の生活は川口・蕨で行われていた訳で、30年以上騒がれなかったのに「ここ1-2年で突然問題視されるようになった」という事実があります。これは「火をつけた人」がいるからかな。


02-02. 現状、どのような状況なのか?

わが国に在留するトルコ国籍者は約6,000人ほどで、そのうち約2千人程度がクルド人とみられ、川口市周辺に集住しています。

日本クルド文化協会の調べでは、「難民などで構成される在日クルド人は約2000人。そのうち、6割強となる1200~1300人が、川口市や蕨市に住んでいる」(同協会のチョラック・ワッカス氏)

日経ビジネス ※2016年の記事です

大半は、トルコで迫害を受けていると主張する「難民申請中の人」か、あるいは「難民申請が却下された仮放免の人」のようです。入管法改正前は「難民申請回数に縛りがなかった」ため、長期化しているケースが多いようです。どのみち「宙ぶらりんな状態」ですね。

難民申請中は「特定活動」という在留資格が与えられるのですが、日本では難民申請はほぼ認められないです。どのくらい厳しいかというと、下記の図表のとおり。黄色の縦軸が「難民申請数」で、一番下の赤い線が「認定者数」です。2023年データで言うと13,823人申請、203人が認定。難民申請はなかなか認められないため、クルド人の多くは「在留資格のない仮放免」状態になります。

難民支援協会

「仮放免」は、本来は強制送還、あるいは入管施設に収容される外国人が人道的理由や健康上の理由などから例外的に身柄の拘束を解かれた状態のことです。仮放免者は働くことを禁じられますし、健康保険にも入れない。そのため生活に困窮します。結果として、違法就労や医療費の未払いが起きる

日本へやってきて難民申請をするクルド人は後を絶たず、仮放免者による大小の事件や事故、住民とのトラブルが生じるようになりました。当然、文化の違いによる軋轢や衝突も発生する事態に。ここはクルド人当事者側に非があると思われます。同時に「トラブルを起こしていないクルド人、迷惑をかけていないクルド人」に対しても日本人の嫌悪の矛先が向けられている状況。こちらは上記とは逆に「一緒くたに見做す日本人の当事者側」に非があると思われます。

ネットで言われてる「ゴッサムシティ化」はかなり誇張されているようですが、確かに軋轢は存在する。ガチの差別主義者もいるけど、そうではない「一般の良識的な住民」の不満や不安を解消するスキームはちゃんと必要なので、ここを模索するのが今後の課題と考えます。


03. 川口市の外国人犯罪動向

生活習慣や文化の違いの軋轢もさることながら、皆さんが一番懸念されているのは安全性だと思います。治安が悪化しているのか否か?ここは確認の必要があるのではないでしょうか。


03-01.外国人の人口推移・内訳、刑法犯認知件数

まず、川口市には確かに外国人が多いです。が、これの「内訳」も見ていく必要があります。最多は中国人(約2万4200人)で、ベトナム人(約4900人)、フィリピン人(約2900人)、クルド人を含むトルコ国籍者は約1200人と少数派。加えて、2023年の市内の刑法犯認知件数は4437件と、この10年で43%減っているとのこと。

第2次川口市多文化共生指針 改訂版  令和5年度~9年度
第2次川口市多文化共生指針 改訂版  川口市  令和5年度~9年度

刑法犯認知件数はコロナ禍で若干減少したものの、昨年は微増。ただし、全体的な推移としては右肩下がりの減少基調なのは御覧のとおりです。埼玉県および川口市の統計を見ておりましたが「国別データ」は発見できませんでした。ご存知の方はご教示ください。

川口市・埼玉県・全国 刑法犯認知件数

川口市で多いのは中国人・ベトナム人で、外国人内訳の3.49%しかトルコ人はいません。統計的に犯罪件数は減少傾向、ただし外国人犯罪の「国別内訳」はデータを見つけ切れず…

クルド人が犯罪をしまくっているという論調に私は懐疑的です。ここ20年程、クルド人の人口が増えているのに、犯罪指数はピーク時の27%です。


04. 政府・自治体の対応

まあ、犯罪件数が減少傾向であるとはいえ、上述のとおり「宙ぶらりん」な状態の方が多いのも事実です。法治国家としてあるべき道は「それぞれの境遇にあった処置を適宜行っていく」しかない訳です。


04-01. 政府の対応 / 入管法改正

まずはこれを「さらっとでもいい」のでご確認ください。

注意されたいのは送還忌避問題。下記のような点が問題視されています。

【難民認定手続中の者は送還が一律停止】
現在の入管法(注:改正前の時点)では、難民認定手続中の外国人は、申請の回数や理由等を問わず、また、重大な罪を犯した者やテロリスト等であっても、退去させることができません(送還停止効)。外国人のごく一部ではあるものの、そのことに着目し、難民認定申請を繰り返すことによって、退去を回避しようとする人がいます。

出入国管理庁「入管法改正案について」

それを踏まえて、入管法改正は下記の流れになりました。

【難民認定手続中の送還停止効に例外を設けます】
難民認定手続中は一律に送還が停止される現行入管法の規定(送還停止効)を改め、次の者については、難民認定手続中であっても退去させることを可能にします。
1. 3回目以降の難民認定申請者
2. 3年以上の実刑に処された者
3. テロリスト等
ただし、3回目以降の難民認定申請者でも、難民や補完的保護対象者と認定すべき「相当の理由がある資料」を提出すれば、いわば例外の例外として、送還は停止することとします。

【強制的に退去させる手段がない外国人に退去を命令する制度を設けます】
 退去を拒む外国人のうち、次の者については、強制的に退去させる手段がなく、現行法下では退去させることができないので、これらの者に限って、一定の要件の下で、定めた期限内に日本から退去することを命令する制度を設けます。
1. 退去を拒む自国民を受け取らない国を送還先とする者
2. 過去に実際に航空機内で送還妨害行為に及んだ者
罰則を設け、命令に従わなかった場合には、刑事罰を科されうるとすることで、退去を拒む上記の者に、自ら帰国するように促します。そもそも命令の対象を必要最小限に限定しており、送還忌避者一般を処罰するものではありません。

【退去すべき外国人に自発的な帰国を促すための措置を講じます】
退去すべき外国人のうち一定の要件に当てはまる者については、日本からの退去後、再び日本に入国できるようになるまでの期間(上陸拒否期間)を短縮します。

出入国管理庁「入管法改正案について」

話題になってた「難民申請3回目」はこういう事です。これにより、より多くの退去すべき外国人に、自発的に帰国するよう促しているのが入管法改正です。何故か和田政宗議員が「クルド人を擁護」のような論調が多いのですが、むしろ改正入管法において「法的な道筋をきっちり付けることで、強制送還を促す」という方向性に進めた形ですね。


04-03. 川口市の対応

この一連の問題の解決を目的として、川口市では昨年、法務大臣へ要望書を提出しています。2023年9月に出された要望書の内容は下記の通りです。

1. 不法行為を行う外国人においては、法に基づき厳格に対処(強制送還等)していただきたい。

2. 仮放免者が、市中において最低限の生活維持ができるよう(中略)就労を可能とする制度を構築していただきたい。

3. 生活維持が困難な仮放免者(中略)について、「入国管理」制度の一環として、健康保険その他の行政サービスについて、国からの援助措置を含め、国の責任において適否を判断していただきたい。

NHK首都圏ナビ

こちらは今年の4月。クルド人問題は川口市も精力的に国に働きかけています。一気に解決する問題ではないので、今後の経緯を見守りましょう。


04-03. 日本クルド友好議員連盟

これはそもそも誤解が多いように思います。和田政宗議員が「トルコ経由のクルド人を擁護する形」として俎上に上がっている事が多いのですが、01-02.の項目で地図のとおり、クルド人の居住区域はイラン、イラク、シリア、トルコにまたがっています。「日本クルド友好議員連盟」は、トルコからのクルド人主体の組織ではなく、こちらはイラク主軸です。


06. クルドカー検証

クルド人関連でよく俎上に上がるのが「クルドカー」なるワード。大体、危険運転系か、過積載の画像とかですね。X上で「#クルドカー」で検索したら、怪しいものが沢山出てきました。本当にクルド人が運転しているかどうかはわかりませんし、クルドカーのハッシュタグで結構な数がヒットしますので、勿論「本当にクルド人が運転している」はあるでしょう。ここでは、明らかに未確認情報、もしくはデマでは?と思われるものをピックアップ。


06-01. 事例1 習志野ナンバー

ネットで「クルドカー」なるワードで一番有名な画像はこちらかと思われます。場所は川口市、車のナンバーは習志野ナンバー、運転者がクルド人かどうかは不明。石井氏も「クルド人のヤードはあのあたりないので、日本人かも」という発言をしておられます。

一般社団法人日本クルド文化協会がこれについては返答をしておられます。


05-02. 事例2 熊谷ナンバー

これはデイリー新潮の記事で「県外のクルド人がやってくる」という文脈で書かれています。熊谷ナンバー、運転者不明。

デイリー新潮

05-03. 事例3 鈴鹿市危険運転

これは何一つヒットしていないです。クルド人でもなければ川口でもないという。

この動画で自動車が走行しているのは三重県の鈴鹿市内との事です。動画内に出てくる「河村接骨院」の場所はこちらかな。

タミル語なのかは私は知見がなく判別できませんが、場所は違うのが確定のようですね。


06-04. 事例4 大宮ナンバー

これはひどいですね。場所は千葉県稲毛区長沼町、動画内に「ゴルフパートナー」と「ピーアーク」が確認できます。「ゴルフパートナー長沼店」は2020年2月13日オープン、「ピーアーク長沼店」は2020年12月20日閉店なので「2020年2月から12月の間」のようです。ガソリン価格も当時の相場と合致。例のごとく。クルド人が運転しているエビデンスはなし。


06-05. 事例5佐賀ナンバー

佐賀ナンバーの車です。ポスト主は福岡の方かな?佐賀県吉野ヶ里町の道路のようで、これはクルド人とは違うでしょう。

元ポスト

06-06. そもそも過積載なのか?

まずは他の地方や他の日本企業の解体業者さんの画像をピックアップ。これは全て「川口から離れている地方」のトラックです。明らかに高さ基準を超過しているものもあります。

私がX上で「日本企業もがっつり廃材積んで走っているよ」というポストをしましたところ「日本企業は綺麗に積んでいる(だからセーフ)」という反論が複数来ました。「日本人は合法的に積む、クルド人は違法な積み方をする」とお考えの方が多いようで…


日本の各所(クルド人居住地域以外)での解体業トラック

これ、クルド人以外も割とこのような積み方、積載量じゃないのかなぁ。ちなみに過積載の基準は令和4年5月から変わっています。ぱっと見た目で「過積載じゃないか!」と大騒ぎしている方多いけど、これ1台1台計測しないとわからないとも思います。

トラナビ

06. その他トピック

情報が錯綜していますので、色々と列挙。まあ、漏れもあるとは思いますのでそこは追記するかも(しないかも)


06-01. 公安調査庁が「川口市の外国人排斥団体」をピックアップ

公安調査庁は左派団体のみならず右派団体もピックアップすることがあります。過去に在特会がここにあがっていたのはご存知の方も多いのではないかと思います。

今年は川口市の「右派系グループによる外国人排斥運動」がピックアップされていたようです。ネットでデモの様子をご覧になられた方も多いと思うのですが、やはり過激でしたからね…

公安調査庁「内外情勢の回顧と展望(令和6年1月)

06-02. クルド人が無銭飲食して暴れていたというポスト

今年の2月にこんなポストが話題になっていました。個人の方なので一応IDやアイコンは隠しています。

これ、どうやら嘘のようです。吉野家に確認された方が「そのような事実はなかった」という回答を得ています。デマですね。


06-03. クルド人難民に月34万円以上の給付金

これは今年の6月に3.3万いいねがついていたポストです。本当ならショッキングですよね。これも元ポストが一般の方なのでIDやアイコンは隠しております。

これは「電脳塵芥」さんの記事に詳しく書かれています。まあまあ長い記事で抜粋も難しいのでリンクを貼っておきます。このブログの存在は存じておりましたが、凄く優秀で詳細な検証をされておられます。尊敬。


06-04. クルド人難民申請中の青年が準強姦

「準強姦未遂罪に問われたプナルバシ・オンデル被告(23)に無罪判決 被害者に付着した体液は証拠にならず」というトピックが話題になったのも記憶に新しいですね。これは詳細を追わないと「誤解して怒ってしまう」のも理解できます。私も初見では「そんなひどい事あるのか、体液は証拠になるだろ」と思いました。

これはちゃんと追わないと誤解したままになってしまいそうですね。

まず、主犯の少年が別に存在します。この件は、被告は犯行を止めようとした可能性があるんですね。体液はこの件に関しては精液ではなく、言葉通り「何らかの体液」との事。汗や唾も体液ですが、これが付着した可能性があります。じゃあ、何故この被告が起訴されたかというと「主犯の少年が、被告は陰茎を露出して被害者の頭を掴んだ」と主張したからであり、被害者がそのように言ったわけではないんですね。主犯格の供述には被告の主張を退けるほどの信用性はないと判断され、無罪判決。

被告人は女性を多目的トイレに連れ込んだ友人の後を追ったのですが、トイレ外に締め出されたようです。後に主犯格によってトイレ内に引きずり込まれて強姦された被害者が下着を上げようとするのを手助けしたものとの事。

判決は下記の通り。(※主犯格は擁護しませんので誤解のないように)


06-05. デモで「日本人〇ね」と声を上げるクルド人検証

これは元動画を見た方の中でも見解が分かれていたのを記憶しております。正直、どっちにも聞こえるんですよね。

病院に行け、病院に行け、精神病院に行け、レイシスト」
病院に行け、病院に行け、日本人〇ね、レイシスト」

文脈的には前者の方がしっくりくるし、私もそう聞こえます。まあ、精神病院に行けという言葉も良くはないのですが。


06-06. 外国人は犯罪を犯しても起訴されない?

まずは問題のポスト。

これは明確にデマですね。以下、コミュニティノートのソースを拝借。

令和4年版犯罪白書によれば「来日外国人の起訴率は、〔中略〕刑法犯では3.1pt高く〔全体36.8%、外国人39.9%〕、特別法犯〔道交法除く〕では1.9pt低く〔同様に48.7%、46.8%〕、入管法違反を除いた特別法犯では4.0pt低い」(原注:検察統計年報より作成 〔〕内は筆者。第4編第9章第3節pp.225-226 4-9-3-3表より作成。)とあり、また日本人のみの全犯罪の起訴率と外国人の起訴率を算出すると順に40.5%、43.6%で外国人のほうが高い。従って、外国人の不起訴が多いという言説は統計と一致しない。

さらに、外国人は逮捕されても日本人に比べ不起訴になりやすいとの言説がインターネット上などで流布されているが、これも誤りである。これも先月22日の参院法務委員会で質問したが、法務省の公式の答弁で、外国人のほうが日本人より起訴率が高いことが判明した。起訴率は全体で36.2%だが、外国人の起訴率は38.5%である。

和田政宗議員寄稿 Hanada Plus

06-07. 過剰に対立を煽る存在がいる?

クルド人はもう30年以上日本で暮らしています。子供も生まれて2世世代がお仕事されたりもしています。ここ2年ほど急激に騒がれ始めているのが気になる方は多いのではないでしょうか?

朝日新聞ではありますが、この件で「過剰に煽っていた存在」が記事になっています。

前回の自民党総裁選でもbotが暗躍していたり、コオロギ騒ぎの時も同様にbotが暗躍していた件がありました。クルド人の件も「少数の人間がトルコ人に成りすましたりして、過剰に対立を煽っている」という構図があるようです。


06-08. 病院で100人規模の騒動

ネットでクルド人の騒動でよく俎上に上がるのはこれでしょうかね。

実はこの逮捕されたクルド人男性は強制送還になっています。まあ、この経緯にはクルド人男性にも結構問題があるようで、その経緯は記事に記載されています。


07. 理解を深めるための記事

07-01. 必読の記事:NHK

NHK首都圏ナビのこの記事が比較的中立に「クルド人寄りに偏らず、日本の問題点(実態と制度の乖離)も含めて記事にされています。

「差別をしない」のと「法的にその立場にあった適切な処遇」は両立するものなので、法制度の改正なり行政の適切な運用などが今後行われていくことを望みます。


07-02. 必読の記事:AGORA 倉本圭造氏

これ、発見するのがもう少し早ければこんな長々とした記事書かなくて良かったかも(涙目)凄く綺麗に論点整理されています。フェアで理路整然としてて、ファンタジーに逃げない、リアリズム記事。

文章構成もフラットな視線も見習いたいです。


08. 私見

私の基本的なスタンスは団体は一般社団法人「日本クルド文化協会」ワッカス・チカン代表理事氏と同じになります。

「われわれも同胞がルール違反をしているのではないかと独自のパトロールを始めたが、実際は皆で集まるくらいだった。車の問題や車の写真をばんばん撮ってSNSに流しているということも、日本の方も同じことをやっている。デマじゃないかと思うので、証拠があれば出してほしい」
報道陣から「ただ、一部では事件も起きている」と指摘されると、代表理事は「もちろん悪い人もいるので、犯罪者は絶対許さないで、警察が捕まえて日本から出してほしい。同胞には日本のルールを守ってほしい」と話した。

産経新聞

クルド人の一部に問題行動があるのは否定しませんし、法的に難民申請3回目で強制送還の基準が出来たので、今後は「法的にそれぞれの立場をふるい分けして、適切な処遇に進んでいく」のは間違いないとは思います。特に我が国は難民認定が物凄くハードル高いですし。SNSでは「右も左も感情が先行しすぎ」ですが、過去に何度も難民申請を繰り返して「滞在期間を延ばし延ばし繋いできた」という方々にも、今後は法的なジャッジがなされます。

なお、強制送還を恐れている善良なクルド人の方々は「法に触れると入管に目を付けられるので、慎ましく真面目に生活している」とうかがっております。帰国したら「トルコでは厳しい境遇に陥る」という件を考えると、人権派(似非はともかく、本当の意味での人権派)の方が強制送還に反対する気持ちもわかります。個人的には、こういう方々があまり嫌な思いをしないで済むといいなぁ、と願います。上記の倉本氏の記事にこんな記述がありました。

・まず「際限なく呼び寄せる」のはやめてくれ…という一線を明確に引く
・一方で入管法以外の違法行為はしていなくて、もう十年とか暮らしていて日本で働いているような人とか、日本で生まれ育った子どもたちは、実態を尊重して公的な在留資格を与えるべき
・仮にいわゆる「凶悪犯罪」を実際に犯した外国人がいたら、必ず日本からは出ていっていただく

アゴラ (右翼さん以外のための)『川口市のクルド人問題』まとめ

これに賛同します。

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