【映画】ラッカは静かに虐殺されている

映画「ラッカは静かに虐殺されている」を拝見した。ISによって自分たちの故郷を侵略された人達が、命からがらISの残虐な行為を告発しようとする話であった。至近距離から人の頭を銃で撃つシーンもあり、衝撃が大きかった。

告発者はもともと現場のラッカという地にいたが、ISから監視された状態では存分にジャーナリストとしての活動を行うことができないため、隣国のトルコへと移動する。しかし、トルコに逃げたから安全というわけではなく、実際にトルコ国内でも仲間が1人殺害されてしまう。それを受けてドイツに逃げるがそこでも殺害予告が届くなど安心して暮らすことはできない。それだけではなく、一部のドイツ人が移民排斥のデモを訴えており、たとえ殺害予告がなくても生きづらい環境であるように見えた。本来ならば自分の故郷にいたい人達が安全を求めて別の国に行ったのに、そこでも排斥されるというのは辛いことだと思った。難民がどういう意味で難民であるかについて想像を働かしたことがあまりないが、一部は知ることができたように思われる。

また、たとえISの指導者が亡くなっても思想は死なないという言葉は重かった。ISは巧みで子どもに対してISの思想を教育しているようで、かつ2,3歳の子どもがぬいぐるみをナイフで切っているシーンがあったことから察するに何かを殺害するということへのハードルも低くなるように教育されているように思われる。彼らが成長すると躊躇なく人を殺してしまう可能性もあるので、その点は恐ろしいと思った。

知らない世界を少し覗けたような感じであるが、これは文字ではなく映像で観てよかったと思った。

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