【読書】吉見俊哉「大学という理念: 絶望のその先へ 」
「大学という理念: 絶望のその先へ
」という本を読んだ。過去に週刊誌や雑誌などに掲載された文章の寄せ集め。もし吉見先生が草野マサムネだったら「リサイクル」という尖ったタイトルにしていたのではないかと思う。
基本的に同じ内容が繰り返されるが、そのなかでも大学がいままた変化しようとしているというお話である。かつては教授の話を聞いて学ぶことが主流だったのが、印刷技術の発展を通じて本さえあれば大学に行かなくても学ぶことができるように変化した。そして今、ネット技術の進展によって、大学に行かなくても国外の大学の講義さえ受けることができるようになりつつある。今後どのように大学が生き残っていくのだろうかと思いつつ、消えることはないのではと楽観的な気持ちでいる。
その他、大学は国家からお金をもらっていつつも、国家から自律した存在であるべき(国単位ではなく地球規模・宇宙規模で研究を進めていくべき)というジレンマは、改めて実感した。
寄せ集めで各章によって重複する内容もない1冊なので、購入する必要はないと思った。
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