【読書】秋元雄史「アート思考 ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法」

「アート思考 ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法」という本を読んだ。デザイン思考とは問題の解決を図る思考であり、アート思考とは何が問であるかを呈示するような思考であるというように捉えている。

内容は、炭鉱のカナリアの一言であるだろう。炭鉱では時に有毒ガスなどが発生するが、カナリアは人間がそれに気がつく前に普段と違う行動をする。同じように、我々の社会は時におかしな方向に進むが、アーティストは一般市民がその問題に気がつく前に声を上げる。アートとビジネスは一見違うように思われるが、いち早く問題に気がつくことはアートでもビジネスでも重要であるから両者には共通性があるというのが本書のメッセージであるように思われた。

ただし、本書でのアートは現代美術に限定されていると捉えたほうが良いかなと思った。また、幸福を高める方法とキャッチーなタイトルであるが、その具体的な方法は特に記されていないように思われた。人気が出過ぎでは…?、というのが正直な感想である。

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