【映画】大統領の執事の涙

映画「大統領の執事の涙」を拝見した。黒人の主人公が大統領の執事として勤め上げ、何十年にもわたって幾人もの大統領に仕えるというストーリー。しかし、一筋縄では行かないのもまた真実で、主人公の息子は当時の政府に反対する運動、つまり黒人差別反対の運動を活発に行い繰り返し逮捕される。白人大統領に仕えることが仕事である主人公と、そうした仕事に対して白人に隷属しているという捉え方をする息子の間の溝は大きくなる。最後に2人の関係性はどうなるのか…。という一作。

この映画の面白さは、主人公も息子も各々にとっての正義を果たしているがだからこそ両者に溝が生まれる点であろう。そして、その間でつらい思いをするのが主人公の妻であり、アルコールに走ってしまう。ホワイトハウスで勤める主人公はなかなか家に帰るわけではないので、そうした孤独も積み重なってのアルコールであるだろう。

驚きなのは、この映画が実話に基づくということ。主人公は当時の黒人としては恵まれた職業についているはずなのに、それが原因で却って息子との関係が悪くなるというのは皮肉なことである。

人種差別という重いテーマを扱いながら、2時間ほどあっという間に観ることができた。良い作品だと思う。

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