【読書】林真理子「小説8050」

「小説8050」を拝読した。引きこもり問題について描かれた1作。引きこもり問題では引きこもりの当事者とその親の苦労が語られることが多いが、本作では引きこもりの姉の苦労についても描かれており、なるほどと思った。また、本作の家族は息子が引きこもりになってから7年経過してからアクションをとるが、だからと言って引きこもりになった直後にアクションをとるべきでありアクションを起こすまでの7年間はサボっていたと主張するのは酷であろう。少し待てば学校に行くと期待したい親心も当然で待っているうちに日々が過ぎ7年経過したのである。また、モンスターペアレンツと言われるリスクもあり行動を起こしにくいという状況であっただろう。一方で、本作でも子を引きこもりから解き放つのは親というストーリーになっている。これはある意味では当然なのかもしれないが、もっと良い方法はないものかなとも思った。