【読書】野中郁次郎・竹内弘高「ワイズカンパニー: 知識創造から知識実践への新しいモデル」

「ワイズカンパニー: 知識創造から知識実践への新しいモデル」という本を読んだ。分厚くて面食らったが、非常に読みやすかった。日本の学者が英語で書いた専門書を別の方が日本語に翻訳して出版されたこの本、形式張っていない語り口でページがどんどん進んだ。

個人的に気になったのは2つ。1つは稲盛さんのJAL再建のエピソードに関して、意外と飲み会が好意的に描かれているという点である。おそらくこうした非公式な場で暗黙知が伝承されることを言いたいのではないかなと思う。それで思い出したのがぺこぱのオールナイトニッポンにミルクボーイが出演した回。この社会情勢なので芸能界でも収録後の打ち上げは行えず、ワイプでのリアクションについて先輩からフィードバックをもらえることもない。そんな我々は独学でやってきたんだから、この凄さを今日はみんなで讃えようというトークであったと記憶している。暗黙知が伝達される場に乏しいということを示唆するトークだったのではと今では思う。

もう1点は、変化に対応するためには目標に固執しすぎてはいけないということである。と同時にブレる朝令暮改的リーダーも良くないので、大きなビジョンは確固たるものを持ちつつ、それに基づいて柔軟に対応していくことが重要であるという。分かるような分からないような。これについては、目の前にお手本となる人物がいるのが1番学べるのではないかなと思った。

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