【読書】中江有里「残りものには、過去がある」

中江有里さんの小説、「残りものには、過去がある」を読んだ。舞台は結婚式。47歳の新郎と29歳の新婦が結婚する。結婚の平均年齢が30歳ほどとのことなので、タイトルの「残りもの」とは47歳の新郎のことと思いながら読み進めていた。また、タイトルは「残り物には福がある」からとっていると思われるが、この小説では「福」という文字が消えている。なので、このご夫婦には福は訪れないのかなと思って読み進めていた。真相が気になる人は読んでください。

結婚相手の選択は難しい問題である。1番目に出会った人と結婚する場合、2番目以降に出会う人との結婚を控えなければならない。あるいは、離婚した上で結婚しなければならない。2番目以降に素敵な相手が待っているかもしれないことを考えると、1番目に出会った人との結婚はリスキーな選択であるとも言えるだろう。

一方、結婚相手の見極めに時間をかけるのも問題である。たとえば、2000年から2010年にかけて結婚相手の見極めを行っていた後、2010年に「2003年に交際したあの方が1番である」と気がついたとする。しかし、2003年から7年たっているので、その方が結婚なさっている可能性がある。うかうかしていてはいけないのである。

早めに選択しすぎると後のチャンスを見過ごさなければならないし、かと言ってゆっくり選択することも同時にチャンスを失うことになりかねない。難しい問題である。

難しく考え出すと嫌になるので、ピンと来た方と結婚するのが1番であると思われる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?