見出し画像

喋り屋いちろう

私の世代(30代後半)がもつ古舘伊知郎さんのイメージと言うとニュースステーションが強いのではないだろうか?
私のもつ古舘さんのイメージはニュースステーションでニュースを読んでいるイメージだ。
でも古舘さんが昔プロレスの実況をしていた事はなんとなく知っていた。実際に古舘さんのプロレス実況を聞いた事はもちろんない。
でもきっと古舘さんの実況は面白いだろうなと言う事はニュース番組以外に出てる古舘さんを見たことがある方なら容易に想像できるだろう。

またプロレスと言えばやっぱりアントニオ猪木さんのイメージが強い。私が子供の頃よく観ていた番組。めちゃイケでプロと芸人がプロレスで戦う特別企画があって夢中になって観ていたのを今でも覚えている。
最後にアントニオ猪木が出てきて99の岡村に闘魂ビンタをしてお馴染みの1、2、3、ダーッ!の掛け声で締める。会場はもちろんテレビの前でも家族で当日大盛り上がりだった。
そんな事を思い出して、私はこの本を手に取った。

内容としては古舘さんのアナウンサーになる前から独立する迄の古舘さんが一番悶々としながらでも猪木さんの闘魂の様に熱い気持ちを胸に昇り上がっていくまでの物語が軽快なプロレス実況の様に自身の人生の実況を交えながら語られている。

この本を読んで、もう絶対に叶わないけれど、アンドレと猪木さんに会ってみたかったと思った。
おっきな体をしてリングで暴れ回るアンドレは恐れられていた様だが、実際は穏やかで優しい人柄だったことが古舘さんの話から読み取れる。
公園で一人座り込んでなんで自分には人が寄ってこないだろうと寂しそうなアンドレ
パチンコが好きで、でも体が大きいから椅子に座らず地べたに座ってパチンコを楽しむアンドレ
どのエピソードも古舘さんの文からは情景が浮かんで来て可愛らしいアンドレが容易に想像できる
実況をやっている古舘さんだから情景を受け手に想像させる言葉選びがきっと上手なんだろう。

猪木さんはテレビで観てた猪木さんのイメージに近くて、寡黙で芯がある人の印象。
常に何かに挑戦し馬鹿の一本道を突き進む。
でもその一本道、プロレスを離れた世界では自分の故郷ブラジルの人やいろんな人の永続的な幸せのために活動する実業家でもあった様だ。
『馬鹿の一本道』猪木さんはプロレスだけではなく事業も自分の信じた道を歩んだんだろう。

この本を読んで何より一番思った事は
『プロレスが観てみたくなった』
今のプロレスは昔と違って技の綺麗さを魅せるショーに変わっているとよく聞くがそうなのだろうか?

『俺は藤浪の咬ませ犬じゃない!』
長州さんの有名な言葉、この言葉自体知ってはいたがどこでなんで出た言葉なのかは知らなかったが、この本で初めて知った。
何より後日『俺咬ませ犬なっていったかなぁ〜?』って言っちゃう辺り長州さんっぽくてほっこりした☺️

少し話が飛ぶが私は麻雀が好きだ。
数年前からMリーグと言う麻雀のリーグ戦が行われているのだが、実はこの麻雀にもスポーツと同じ様に実況と解説が存在する。
古舘さんがこのMリーグの実況をする日吉さんと会いたいと思い退団したYouTubeがあるのでぜひご興味あれば覗いてみていただきたい。
実況の楽しさをきっと感じていただけるのではないかと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?