#93 行けるっちゃ行けるけど
狩ってみたい
お隣に山形や福島というフルーツ王国があるというのに、フルーツ狩りに行ったことがありません。
行けるっちゃ行けるのに。
道の駅や果樹園がオープンさせている販売所でフルーツを買ったことなら今まで何度だってあります。たぶん今年も買いに行くでしょう。
だけど、“狩り”はない。
行けるっちゃ行けるのに。
さくらんぼの季節になると山形へと続く48号線には「さくらんぼ狩りに向かう車で渋滞します」という案内看板が立てられるのですが、それを見ると少し心が躍るんですよ。
「あ、もうそんな時期なんだな」「今年は行ってみようかな」なんて。
それなのにどうしてでしょう。狩りに行かないのは。
わかりました。
私、冷やしたいんですよ。
果物を冷やしたい。
冷やした果物を食べたい。
しかも、適度な量を食べたい。
適度な量の、果物を、冷やして、食べたい。
狩っていいと言われても、狩りすぎたくない。
たくさん狩ってお得とか、損だとか、別にどうでもいい。
いや、それってもう嫌ってことなんじゃ…?
行けるっちゃ行けるけど、そもそも行きたくないのか…?
そのくせに「え、ちょっと行ってみようかな」と思ったのも事実。
なんだか今これを書いていて自分の天邪鬼っぷりに嫌になってきました。
でも、人生なんでも経験だからな。
ってかもうやったらいいじゃん。できるんだからさ。
そういややりたいやりたいと言い続けるSUPもうだうだ理由をつけてまだできてないじゃん。
(くろさわさん、マジで行きませんか…?)
観たいと思っている映画を観ていない。読みたいと思っている本を読んでいない。会いたいと思っている人に会いに行っていない。行きたいと思っているライブに行ってない。
なんだかこうやって小さくやり残したことをいくつも重ねて人生を過ごしているのかと思ったら怖くなってきました。結局「いつか」って思ってるからなんでしょうね。
行けるっちゃ行けるんだから、今年は果物狩り行ってみようかしら。
たくさん狩ったら、お裾分けするなり、ジャムにでもするなりやればいいのよ。
及川恵子