見出し画像

#83 変えたい・変わりたい/及川恵子

【往復書簡 #83 のやりとり】
①(4/25):及川恵子〈一生の課題〉
②(4/27):泖
③(4/29):くろさわかな

一生の課題

先日友人が会話の中で、「自分のお人好しすぎる性格が嫌になって、数年かけて自分を嫌な奴に仕上げた」という話をしてくれました。
どうやら以前の彼は人が好すぎるあまりにいつも損な役回りを押し付けられ、我慢をし続け、そこに漬け込む人のいやらしさに嫌気が差したそうで。人生がほとほと嫌になってしまったと言うのです。

私から見たら彼は全く嫌な奴ではなく、明るくて行動力のある真面目な“いい奴”なのだけども、やはり誰にも周りから見えない部分というものがあるのだなと思うと同時に、自分の意志で自分を変えることができるその芯の強さにえらく感動してしまいました。

お二人は、どうですか?
自分の性格を変えようと思って何か成し遂げたことはありますか?

もしくはこの性格を変えたい/こんなふうに変わりたいと思っていることはありますか?

私はというと、浅はかなところです。

ポジティブに変換すれば、「直感型」と言えるのかもしれません。
しかし論理的な思考とはほど遠い生活は、自分のひらめきと勘が頼りの人生綱渡り状態。
考えが足りない。ツメが甘い。
だから最後の最後で無様な目に遭う。
時々、その圧倒的な浅はかっぷりと見事なオチに自分でも笑ってしまうほどです。

これが私の日常茶飯事。

ああ、こんな自分を変えたい、変えてみたい。
でも、さすがにもう変わらないかな…とも諦めている。
これはこれで愛すべき自分とするべきか。
こんな自分もかわいいね、とよしよしとしながら中年時代を生きていくのがいいのか…。

今年40歳になるのですが、孔子のいう「四十にして惑わず」とは真逆を突き進む現状を慈しむべきか、友人のように真逆に軌道修正するべきか。

うーむ。

「惑ってばかりの日々もいいものだよ」だなんて、誰か昔のえらい人が言っていたりしませんかね?

及川恵子