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#18 理解者が見つからないちっちゃな自慢話/及川恵子

わたしには何もない、けど。

こんばんは。

今日のお題、難しいですね…。
なぜなら私には小さくても自慢できることが何もないから。
理解者が見つからないような小さな自慢も、大々的に胸を張って言える自慢もありません。
頭の中を、よーく探してみても何もない。
私には何もない。
そして、このテーマをおもしろく書き上げる自信もない。それがまたつらい。

ただ、それだと悔しい。
38年間生きてきて、誰かにこっそり教えてもいいような、小さな自慢があるでしょうに。
よく考えろ。



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あ、これかもしれない。

「初対面の人を、初対面だと思えない」こと


よく、「なぜか初対面なのに意気投合して仲良くなりました!」
みたいな話はあるじゃないですか。
でもそれって、人生の中で何度も起きることじゃないはず。
私は、会う人みんな、もうずっと前から知っている&お会いしたことのある感覚になってしまうのです。
30分前に会ったばかりなのに「今日で会うの3度目でしたよね?」、というような。
毎回「今日が初対面でしたっけ?」と思ってしまう。

ライターという仕事をはじめて約8年。
初対面の人と会うことがほとんどの仕事柄、取材では相手が答えやすい場の空気を作ることや和やかな雰囲気を生み出すこともライターの仕事だと考え続けてきたからなのか(書くことよりもここが一番重要なんじゃないかと思ったりする)、
相手を打ち解けさせることの延長線上に、私の中にある初対面独特の緊張感や堅苦しさが、勝手に、そして自然に取っ払われていったのかもしれません。
しかも取材をすればするほど、より相手の心の奥の奥までほぐせていけるような気になってくる。

でも、取材相手がどう思っているかはわからないけどね。
形に残るものではないから私の感覚でしかないところが歯痒いし、結局は自慢どころか“自己満”で終わっているのかもしれない。
それでも時々、取材終わりに相手から
「今日はなんかいっぱい話しちゃったなあ」
なんて言われることもあるから、やっぱりこれって少しは自慢できることなのかもしれないな。
私にもひとつ、自慢、ありました。


及川恵子