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日記2023.7.19

Netflixで『ゴッズ・オウン・カントリー』を観ました。

主人公は、祖母と半身不随の父と暮らしながら、受け継いだ牧場を一人で運営する青年ジョニー。「神の恵みの地(God's own countly)」といわれる広大で豊かな自然の中で、牛や羊の世話をしています。
孤独でいつもイライラしているジョニーは、牛や羊を八つ当たりするように雑に扱い、毎晩浴びるように酒を飲み、行きずりの男と自分本位のセックスをする日々を送っています。
行為の最中にキスをすることを拒み、終わった後に相手から「コーヒーでもどうか」と誘われても冷たく断るジョニーにとって、相手はただの制欲処理の道具でしかありません。牛や羊、自分のことも、生きた存在として向き合うことができないでいるように思いました。

ある日、羊の出産をひかえ人手不足の牧場に、一人の青年が期間限定で雇われます。ルーマニア移民のゲオルグです。
ゲオルグは動物たちをとても優しく扱います。ひとつひとつの生命を尊重するように。それはジョニーに対しても同じで、ケガをしたジョニーを優しく労ってくれました。
ジョニーの心が揺れ始めたころ、二人は関係を持ちますが、そこでジョニーは生まれてはじめて「愛」のようなものに触れます。目の前の人間をただひとりの人間であると知ること。これがどれだけ尊いことであるかーーー。

めちゃくちゃ良い映画でした。観て良かった。心を持っていかれた。
同性愛の物語であり、その文脈を無視しては存在し得なかった映画だろうとは思います。それでもおそらく観客は言いたくなる。ゲイであろうとストレートであろうと愛は愛であると。
それが逆説的に社会に対するメッセージになっていて、だからこそ、ラブロマンスど真中なストーリーを描いたのではないかと思いました。

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