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「普通」ってなに?

「普通の服」と聞いて、あなたはどのような服を思い浮かべますか?
〇〇な服と、具体的にイメージすることができますか?
あなたがイメージした服を、他人も思い浮かべることができるでしょうか?

「普通の服」「普通の人」「普通の人生」「普通に仕事をする」等、"普通"という単語を使用することは多々あるのではないでしょうか?便利で使用している"普通"という単語は、本当に便利なのでしょうか?改めて考えてみませんか?


"普通"とは

「普通の服が欲しい」と言われた

この前、ショッピングモールで買い物していた時に、妹から「普通の服が欲しい」と言われました。
私は「普通の服はどんな服なの?」と聞き返しました。

東京都現代美術館で行われた「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展

"普通"の定義

① (形動) ごくありふれていること。通常であること。また、そのさま。一般。なみ。
② (━する) 広く一般に通じること、または通じさせること。また、ある範囲内の物事すべてに共通し、例外のないさま。

精選版 日本国語大辞典

私は"普通"がわからない

「普通の服が欲しい」と言われた時に、具体的にどのような服が欲しいのか、私は分からなかったのです。
意地悪で、「普通の服ってどんな服?」と聞き返したのではないのです。「ごくありふれた服が欲しい」と言われたことは理解をしています。「ごくありふれた服」なので、「"例外ではない"服」を求められたということも理解しています。ですが、私は「普通の服」が分からなかったのです。
なぜ私は「普通の服」が分からなかったのでしょうか?
理由は、ショッピングモールで売られている服の大半は、私にとって「普通の服」だからです。たくさんの"普通の服"が売られている場所で、「普通の服が欲しい」と言われても、どの店を提案すればいいか、どのような系統の服を提案すればいいか、分からなかったのです。

使いやすい"普通"という言葉への疑問

「ありふれていること」という意味の"普通"は、とても便利な単語だなと思います。ですが、本当に便利な言葉なのでしょうか?
あなたにとっての"普通"は、本当に"普通"なのでしょうか?"普通"という言葉を使用した時に、本当にあなたが伝えたい意味は相手に伝わっているのでしょうか?

私は"普通"を使わない

「普通」を使わなくなったきっかけ

私は「普通」という言葉を、意図的に10年近く使用していないです。
きっかけはショッピングモールの話と似ていてます。友達との会話中に私が「普通のノート」と言った時に「普通のノートって、どんなノート?」と聞き返されたからです。

このことがきっかけで、私は"普通"という言葉について考えました。考えているうちに、"普通"という言葉が、不便な言葉であることに気がついたのです。

"普通"は不便

私が"普通"を使わない理由は、不便だからです。
不便な理由は、下記4つになります。

  • "普通"はたくさん存在する
    "普通"は"ありふれたモノ"と言う意味です。ありふれたモノはたくさん存在し、たくさんある"普通"を、具体的にイメージをすることが難しいです。たくさんの中にある共通部分が"普通"となることも理解していますが、たくさんの中から具体的に共通点を見つけることも難しいです。
    モノに溢れているこの世界で、「ありふれたモノ」は具体的にどのようなモノなのでしょうか?多様性が認められているこの時代に、普通のコトとは何なのでしょうか?言い換えると、「例外ではない」とは何なのでしょうか?

  • 私にとっての"普通"は、他人にとっての"普通"ではない
    価値観・能力等は人それぞれです。なので、私にとっての"普通"は、必ずしも他人の"普通"ではないのです。
    「普通の朝ご飯」という言葉も、"和食"が普通なのか、"洋食"なのか、"食べない"なのか、どれが普通なのでしょうか?

  • 伝えたいコトが伝わらない
    私の"普通"と相手の"普通"は必ずしも同じではないため、伝えたいことが伝わらず、話が噛み合わなくなることがあります。
    例えば、「普通の朝ご飯」と言った時に、私は"一汁三菜の和食"をイメージし、相手は"食パン1枚"をイメージするとします。私が「普通の朝ご飯だから、急いで食べて15分くらいかな!」と言ったとすると、相手は「食パン1枚食べるのに、急いで15分?」となるのです。
    朝ご飯だと、会話中に認識齟齬があることに気づけますが、より抽象的な「好みの異性」「理想の仕事」等になると、認識が合っていないことに気づかないままで会話を続けることになります。
    友人に「好きな異性の特徴」を伝え、後々紹介された異性が全然タイプじゃない!と言う場合は、好みを伝えた時に正しく伝えられていない可能性が高いです。

  • 結局、"普通"は存在しない
    結論として、"普通"は存在しないのではないかと思うのです。
    「どれも普通であり、どれも普通ではない。」とすると、自分が"普通に"思っていることを具体的に言語化しないと、「私の普通」が伝わらないと思いました。

"普通"を使わない代わりに

ここまで読むと、「"普通"を使わないようにしたいな!」と思うかと思います。でも、「"普通"を使いすぎていて、代わりにどのような言葉を使えばいいのか分からない!」となる方もいるかと思います。私が"普通"の代わりに使用している言葉を紹介します。

  • 具体的に言語化する
    "普通の○○"と言っていたものを、具体的に言語化します。
    例)「休日、普通に過ごしたい」→「休日、家でTVを見て過ごしたい」

    初めは少し難しいですが、習慣づけることで物事を明確に捉えられるようになります。自分の考えを明確に伝えられるようになると、自己理解が自ずと深まります。物事を明確に捉えるクセがつくと、上司からの曖昧な指示で誤った作業をすることもなくなり、恋人への頼み事を曖昧に伝えて、期待外れな結果を招くこともなくなります。言い過ぎかな(笑)
    けれど、曖昧な言葉で伝える・曖昧な言葉を受け入れないことでトラブルは減ると思います。

  • 比較する
    「普通じゃない」と伝える時には、比較をするようにしています。
    例)「Likaは生後10ヶ月で一人歩きしたので、普通じゃない」→「Likaは生後10ヶ月で一人歩きしたので、平均よりも成長が早い」(事実ですw)

    "普通"の基準は曖昧なので、具体的な基準があるものと比較するようにしています。自分の発言の中で基準を作り、その基準と比較して"違う"と伝えています。そうすることで、聞き手と共通認識を取れるようになります。曖昧さを減らすことで、伝えたいことをより明確にしています。

さいごに

日常的に使用している「普通」という言葉について、改めて考えてみました!
いかがだったでしょうか?

今回は"普通"について考えましたが、何気なく使用している言葉が、本当に適切なのか?伝わっているのか?等を考えると、新しい発見があるかもしれないです。
ぜひ、普段使用されている言葉について、考えてみてはいかがでしょうか?

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