それゆけ李白マン~中国街歩き詩選~ 第44回 晴れた日は母なる長江(かわ)で洗濯を
(58)園内では古(いにしえ)の塔を取りまく鬱蒼とした樹々が聖なる時間を支配し、また降りそそぐ陽光がこれに乱反射して、複雑な明暗を生んでいた。小鳥のさえずりも聞こえる。外縁には、長江の堤防に沿って亭廊が造成されている。塔の見学を終えて、今度は長江を望もうかとそちらへ近づいていくと、亭廊のなかでは年の頃アラフィフとおぼしき男女数名が、古めかしいラジカセで軽快な音楽をかけてステップを踏んでいた。すぐ近くで、サックスを練習している若者もいる。みんな熱が入っている。空はどこまでも高く