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蜩と日暮の私

風が優しくなってきた
日差しが柔らかくなってきた
景色が移ろい叙情を帯びてきた

十月の夕陽
気配を忍ぶ暑さと日暮

あなたは煩くないよ素敵だよ
あなたのお陰で私はいつも
夕暮れと共に思い出を沈める

結末の後の帰り道
吸いもしない煙草を燻らせて
街灯のない方に向かう時

あなたの声が側にある
もうすぐ光が届かなくなるその時に
輪郭がぼやけてしまうその時に

誰そ彼
だれそかれ

あなたの声に
彼方の暗闇に
私の不安に

ほっと私は安堵する

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