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ほくろ

いつもここにいたよってさ
伝えられて流れる涙も見たことはなくて
瞳に映る貴女を見たところで
それは虚像でしかなくて
本当の貴女はどこでどれでどうしているの

視線も合わない触れても本物かはわからない
この目でこの手で
確かに貴女を確認して認識しても
いつの日かの波打ち際の記憶のように
あくる日かの春が囀る午後の追憶のように
朧げで儚く
曖昧で切なく
掴み取る事は全くない

それでも貴女はそこにいて
僕が生きていくこの日にいつも側にいて
僕が死にゆくその日に最後の最後に側にいて
見えない聞こえない話さないそれでも
近くに近くに1番近くにいて

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