羨ましいでしょ
毎朝の交差点で見かけるあなたは
腕時計を忙しなく見ながら
外したシャツのボタンを留め直す
たまに見る夜の交差点のあなたは
眠そうにあくびをしながら
留めたシャツのボタンを1つだけ外す
別になんでもない私は
ただの通りすがりの人で
あなたはどんな一日を過ごしたのかなんて
考えながら袖のボタンを留め直す
別に何を求めてるわけじゃなくて
嘘だけど
その先を見てみたいわけじゃなくて
嘘だけど
声を掛けようかなんて思ってない
本当に
でもいつか何かの拍子で
秒針の間に触れ合えたなら
ボタンの一つでも掛け違えられたなら
きっと心も踊って飛び跳ねるわ
相槌も忘れてあなたの話に聞き入るわ
呼吸も忘れて私の話を聞かせるわ
嘘だけど
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