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あらためて、言葉のこと

 喜ばせようと思って伝えたことより、深く考えずに言ったことが思いがけず相手に響いた時のほうが嬉しいものです。

 剣道を小学生から35歳を超えた今でもずっと継続してしているという話を聞いて「じゃあ一生やりましょう」と冗談まじりに口にしました。

 後日、また会ったときに、あれがすごく嬉しかったんですと言ってくださって驚きました。なんでも、道場にどんどん若い人が入ってきて自分はもうそろそろ辞めたほうがいいのかななんて考えていたらしいです。「だから一生といわれてびっくりしたけど、そう言ってくれたことでまだ続けてもいいのかなって気持ちになった」とのことでした。

また、「夢があるけど本当になりたいか分からない」と言っていた人に、「逆にしたくないことならちっとも悩まないと思うから、そうやって悩んでるってことが『なりたい』ってことじゃないかな」と思ったのでそう言いました。

 「あの時ああ言ってくれてやっぱり自分の夢はこれなんだと吹っ切れた」と後から教えてもらいました。

 思いがけず喜んでもらえると、こちらのほうも嬉しいです。

 だけど反対に、何気なく話したことで、相手を傷つけてしまっていることもあるんだと思います。

 その傷ついた気持ちは、あんまりシェアしてもらえないです。傷ついて、怒りに変わればこちらにぶつけてくれることもあるけれど、こちらに悪気がなければないほど、相手が優しければ優しいほど、その人が傷ついたことは隠されてしまう気がします。

 今日ふとそんなことを考えて、少し怖くなって、気をつけなくちゃ、という気持ちになりました。

 言葉を大事に、やわらかく丁寧に紡いでいけたら、と。

 自然とそうできる、心の優しい人になろう 今からでも、とぐっと拳を握りしめた、そんな秋の帰り道なのでした。

最後まで読んでいただきありがとうございました! あなたのスキやフォローに勇気をもらって毎日いろんな気持ちを素直に書くことができています。