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あたたかくて、すこしさみしい

  とある同級生の友人の赤ちゃんがかわいい。

  産まれた翌々日くらいに初めて会いに行って、それからも月1ペースで会っているけれど、見るたびに、生まれたてはあんなにちっちゃかったのが嘘みたいにすくすくと成長しているのがわかる。

  6ヶ月のお誕生日を迎えた今はかなり体もしっかりして抱っこもこわくなくなったので積極的に抱っこさせてもらっている。髪をつかんだり、わたしの服をきゅっと握ったりする仕草にきゅーんとなる。

  だけどときどき見ていると泣きたくなる。

  友だちが愛おしそうに赤ちゃんを見る目、おなかをやさしくポンポンする手、旦那さんが飽きずに構い遊びあやす姿。

  泣きたくなるほどあったかい光景。

  わたしの心の中には確かに「うらやましい」って気持ちがある。それも、赤ちゃんに対して。

  どうして人は、このときの惜しみなく注がれた愛情の記憶を残さずに育つんだろう。

  私にもきっと、同じように自分の両親が愛情を注いでくれたんだろうって、その想像は間違っていないって思うのに、大人に育った今から、それをもう一度得ることはできない。

  大人になったからもう注ぐ側になってしまった。わたし自身もそうありたいと思う。

   だけど、この先だれかにもう一度。

   心の底から安心して、すみずみまで明け渡してみたい。

   覚えていないけど、あの頃そうしていたように今でも、今からでも、そうしたいって想いが、赤ちゃんを見ているとそっと溢れて、目はいつも少しだけ、潤んでしまう。

  

  

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