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【MDCvol.5】ファジアーノ岡山vs.愛媛FC





手痛い(変換で”停滞”と出てきたので小一時間叱っておきました)敗戦になってしまいました。愛媛の集中力が素晴らしかった。という試合だったと思いますが、間瀬さんの愛媛は岡山戦の時に限って(?)「化けてくる」印象があって恐ろしいですね…これが”Pride of 中四国”ということなのでしょうか。こちとら”孤立 of 中四国”なのでその辺の機微は良く知りませんが…



◆試合情報

岡山 0-1 愛媛

愛媛:河原(22分、PK)


メンバー

※GKの色を間違えましたが気にしないでください


岡山:関戸→伊藤(HT)、斎藤→福元、末吉→大竹(84分)
愛媛:上原→近藤(60分)、河原→玉林(81分)、丹羽→西岡(89分)


ハイライト






◆topics

アグレッシブな愛媛の立役者は"和製えなり"

今節ではこれまで見られていた”ファジアーノ岡山のサッカー”を愛媛が鮮やかに攻略してきたという点が非常にエポックメイキングなポイントだったかと思います。

何度か述べている通り、ファジアーノ岡山はイヨンジェのマッチアップの優位を活かして長いボールを使って押し込み、前からマンツーマンディフェンスをはめ込むことで上田康太のセットプレーや塚川孝輝の飛び出しからゴールチャンスを作っています。この岡山の前からの守備を裏へと引っぺがし押し込むことで、岡山にボールをとらせず、効果的なロングボールを蹴る余裕も与えないということが主な対処法となります。程度の差こそあれどこのチームもやってきています。直近でいえば松本もそうでしたし、甲府もそうでした。

愛媛が特別であったのは、まずサイドの深い位置に落ちてミスマッチを誘う選手が複数いたこと(左ウイングの前野が主で、ストッパーの山崎、リベロの安藤、シャドウの上原や河原も使っていました。ふつうはウイング、甲府や大分などボランチが真ん中に落ちてくるチームの場合はストッパーで固定されます)、なによりそれによって生まれる裏のスペースに抜群のタイミングで侵入することでパスを引き出してDFをおびき寄せ、フィニッシュに結び付ける選手がいたということです。愛媛のバンディエラ、和製えなりこと川原和寿です。

前野がむっくんを引き付けた裏、田中や神谷がボランチを引き付けた横、岡山の守備が動いて空いたな、という場所に必ず出てきて、最終ラインからボールを集めていました。自分たちが動いたのと逆の方向にボールがあることで岡山の守備陣形は揺さぶられてしまい、愛媛の攻撃を許してしまうというシーンが前半は何度も繰り返されてしまいました。ボールに触れずともウイングがひきつけた裏にいることで縦パスのコースを生み出していた"影=シャドー"な仕事ぶりもgood.併せて最終ラインをくぎ付けにした丹羽しおん(変換できない)と上原の飛び出しもタイミングがばっちりであったので、引いてくるえなりがぽっかりあいたということも触れておくべきでしょう。恐ろしかったです。


ハイライトにおいても中央で時間の余裕を作った神谷→その裏にえなり→その裏に丹羽という愛媛の連動性をみることが出来ます。ゴールに結びついたことは大いに自信になったでしょう。ゴール映像は実はあまりきれいな崩しではなく、9分から10分あたりの内容が非常に"愛媛らしい"瞬間でした。スクショとかスクリーンレコードとかめんどくさいのでやりません(DAZNのガイドライン緩めてくれるまで待ちますから…w)なので申し訳ないのですが、むっくんそっちのけで構築美にテンションが上がってしまいました。守備におけるチャレンジ&カバーと同様で、攻撃もチャレンジとカバーの関係を作ることが大切ですねという模範的な内容に感じました。間瀬監督はなぜ低迷しているんだ…w



伊藤大介でしかけた”ミラーゲーム”

愛媛の”アグレッシブさ”は先行後も継続しており、ワントップまで自陣に引いてボールサイド密集しボランチへの横パスは絶対に寄せることでブロックの揺さぶりを防いできて、岡山は依然として出したいボールを出せない状況が続いてしまいました。効果的な攻撃になるまで37分を要していたことはこの試合の出来を物語っていたといっていいでしょう。

ハーフタイムを挟んでようやく動いた岡山。伊藤大介の投入によって、愛媛の崩しの”ミラー”を作り出していきます。両ウイングが低い位置に落ちて愛媛の前から3バックを捕まえる守備の牽制、その裏に斎藤が流れて縦へと進む起点に。低い位置から正確に縦を突き、むっくんの良さがようやく出せてきました。かわいい。

この動きによって愛媛も「ちょっと引いて裏を消したほうがいい」という状況になり、上田や末吉も自由にボールを触れてきました。末吉と上田のコンビは守備の不安がありましたが、上田が高い位置に飛び出しても末吉から効果的な縦パスが出るというところが利点です。時間がかかりすぎたとはいえ修正できる手があること、そしてそれを実行できたことは良かった点でした。ボールを持った攻撃の形も、左ウイングの三村が中に入り、ウイングのいたはずの場所を開いた末吉や伊藤大介が使ってパスの拠点にする、という岡山固有の形を見ることが出来ました。再現性のある形としては今季初めて見た気がします。

良い形でボールを回せたことで守備もコンパクトな距離感でうまくいきつつありました。中盤でひっかける攻撃を出せるようになっており、後半は打って変わって明確に岡山ペースという試合に。愛媛としては前半と逆の状況となり、最終ラインの我慢でしのいで蹴っていくという状況になりました。セットプレーで大ピンチになりましたが、守備固め西岡大輝さんが完全にグッピー氏の邪魔になってしまってて危なかったのですがなんとかセーブしてくれて助かった…w



戦術的な不利に苦しんだむっくん

岡山としては失点までアジャストできなかったことはイヨンジェと塚川負傷離脱のエクスキューズがあるとはいえ向き合わなければならない課題であると言えそうです。サイカズ氏を横にもがんばって追いかけてもらってスライドさせるということ以外なさそうですが…、そういう判断をピッチの中でできると良いですよね。

むっくんも神出鬼没のえなりに手ひどく担当エリアをやられてしまいました。とはいえ、後半チームの打った手によって持ち味を出せていました。個人のパフォーマンスは個人由来なのかそれとも別の複雑な要因なのかということを示す事例の一端であったように思います。もちろん、愛媛のやり方を個人の読みで上回ることで味方に落ち着きを与えるというところまで上位に行くのであれば求めたいところですが。例えば48分のゴールに迫ったシーンなんかは素晴らしかった。ああいうシーンを苦しい時間帯でも一発出せると雰囲気がだいぶ変わると思います。あとロングスローめっちゃ飛ぶようになってませんか。遠投の練習がメニューにあるのだろうか…w

まだまだ新加入選手の持ち味をかみ合わせただけ、という状況だと思いますので、こういう試合を通じて”チーム”になるということでもって悔しさを雪いでくれればと思います。むっくんも雪いでほしい。新潟はちょうど桜が咲いているそうですので行楽としても楽しみにしています。(寒くて雨らしいけど…震え)


それでは。