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【MDC vol.6】ファジアーノ岡山vs.FC岐阜(J2第10節)


4月にして夏がアップを始めましたという暑さですが今週もむっくんが可愛い飯がうまいのコーナーです。

元J1組に2勝1分けと上昇気流に乗る岡山。今週の相手は曲者岐阜。昨季は両GKのウルトラセーブの大バーゲンとなり星を分け合った両者ですが今年は違うんだぜというところを見せたい岡山といったところです。



◆試合情報

岡山0-0岐阜

メンバー




岡山:斎藤→仲間(68分)、伊藤→リカルドサントス(78分)、三村→武田(80分)
岐阜:風間→デフリース(65分)、田中→山岸(77分)







◆topics

・斎藤さんゴリゴリ戦法向上の気配

序盤は斎藤さんへのロングボールで優位に立った岡山のペース。斎藤さんは4月に入り日に日に強さを増していっているように見受けられます。絶対的と思われていたイヨンジェの離脱を払しょくしつつある前半の内容でした。

最初は岐阜の左SB福村を狙って競り勝つ場面が多く、また斎藤さんがひきつけることによって生まれる右サイドのスペースでむっくんがどフリーという場面が何度も起きていました。これはチームの狙っていた形なのでしょう。

惜しむらくはフィニッシュで捕まってしまっていたこと。セットプレーではアッベの目の覚めるミドルで強襲するなど見せ場がありましたが、流れの中ではなかなかフィニッシュに結び付けられませんでした。赤嶺にも共通するところでしたが、今節の岐阜はディフェンシブ・サードでの斎藤と赤嶺のマークを徹底しており、竹田と田森の両CBがよく踏ん張っていましたね。岡山に長く在籍した竹田の奮闘は特にエモーショナルでした。

そのためか時間帯によっては斎藤さんが左サイドに流れるという場面も見られていました。いずれにせよ斎藤さんに当ててサッカーを始めましょうというスイッチをチームは狙っていそうでした。


・非対称な岐阜の変幻自在

FC岐阜はシシーニョ(→徳島)、庄司(→仙台)と独特なパスサッカーの要となっていた選手が放出となりましたが、今季も大木監督の頑固一徹ラーメンめいたこだわりのパスサッカーを継続。大外張ったの勝負が持ち味の古橋、ペネトレイトに秀でた田中という非対称の両翼から織りなすスピーディな攻撃は今季も健在でした。リーグの大所帯にこういう個性派なチームがいることはやじ馬にとって大変ありがたいことです。見ていて楽しい。

岡山の強みである最前線からのマンツーマンに序盤は苦しめられますが、アンカーの中島とインサイドの小野が下がり、左SBの福村を中盤の位置に押し上げることで前半中盤からは主導権を握っていきます。

陣形の嚙合わせ上、岡山のインサイド(塚川)は岐阜のインサイド(小野)を、ウイング(むっくん)はウイング(古橋)をみないといけないので、SBのはずの福村が中央に入るのは捕まえにくくとてもやっかいでした。昨季も苦しめられた形に今節もあわやという形を作られました。


・貫徹した狙いと修正

両者ともに高い位置からボールを奪い攻め込むことを志向しており、そのため、その後背を突いて行こうということがお互いの狙いとなっていました。前半の駆け引きは上記の通りで、後半もお互いに激しいサイドの取り合いが続いていました。

まず岡山の2トップの守備が岐阜のSBへ照準を合わせたことで、マークがかみ合うようになりました。しかし岐阜もゼロトップとなった風間が下がってくる地上戦と高くなったDFラインの裏への走り込みを使い分け応戦。オープンな殴り合いが展開されていきます。

走り合いとなってくることで岐阜は徐々に間延びが生まれ、岡山の方が橋知れてくるという場面が見られるようになっていきます。また、3トップの位置が乱れた状態でボールを失うことが増えた岐阜に対して岡山が最終ラインから前を向いてボールを持つ場面が増えていきました。

そのような戦局を見て岐阜は風間→デフリース、岡山は斎藤→仲間とそれぞれ前線のギアチェンジを図ります。どちらも交代前の選手と変わらない役割を求められていそうなプレーでしたが、実ったのは岡山。仲間の運動量とキープ力で前線に起点が生まれゴールに近づいていきました。69分のむっくんの決定機は左サイドで仲間が踏ん張ったことによるサイドチェンジから生まれていました。決まっていれば名采配と喝采を浴びたでしょうね…

岡山の守備を崩してきた岐阜の3センターの動きが鈍くなり(おそらく換えもあまり利かなそうな感じ)、岡山が明確に押し込んでいきます。が、サイドからのクロス攻勢は実らず。リカルドサントス、武田を投入して押し切りを測るももう一歩でゴールに至らず。岐阜もカウンターで気を吐きヒヤリとするも「勝ちきれなかった」という試合になりました。



◆きょうのむっくんのコーナー

・序盤の構造的優位を活かせず

序盤は斎藤さんゴリゴリの恩恵を受けてフリーで仕掛ける場面が目立ちましたが、素早く帰陣し中をかためた岐阜の壁を超えることが出来ず。クロスはふんわり系ばかりだったのでもう少しクロスの球質が相手の想定を超えてほしかったところでした。もしくはもう少しえぐった状態でクロスが打てれば。


・仁義なき古橋とのどつきあい

岐阜の看板ウインガーである古橋とのどつきあい(物理)は非常に見ごたえがありました。前半30分あたりで本当にどつかれてますからね…w 大外に張って仕掛ける個人的に盛り上がるウインガーだったので面白かったです。福村が嫌なところにヌルリと来ていたので対応が難しく、何度か決定的なピンチとなってしまいましたが、阿部君とがんばっていましたね。

逆にむっくんが古橋と福村の裏を強襲するシーンも試合を通して見られ、試合を盛り上げていました。なかなか中央のクロス防壁が外せなかった中で千載一遇のチャンスを作ることが出来たシーンはこの試合の最高の決定機であったと思うのですが、スピードに乗ったままの踏み込みは甘くなってしまいクロスが浮いてしまいました。低ければ決勝点だった…(下記リンク)




・走り切れるだけに目立った最後の精度

スコアレスとなりましたが、両者ともに駆け引きの末のチャンスがいくつも出来ており、見ごたえのある試合になりました。チャンスに絡んだ回数から言えばむっくんも結構な活躍ができたといえる内容だったと思います。ピンチも作られましたがwやや自陣よりのプレイに魅力のあるむっくんにしてはかなりハイライトに載ったような気がします。 後半ATの最後までサイドを駆け上がり、勝利への執念を見せていました。そういうところだぞ(SUKI)

とはいえ、アシストやゴールという結果を伴いたかったところでした。チャンスが作れているということは質が落ちているわけではないと思うのですが、フィニッシュの合わなさはちょっと悪目立ちといった結果になってしまいましたね。左サイドも惜しいところで中が合わずという形があり、チーム全体の要修正点となっていそうです。むっくんの後半ATのリカルドさんのシュートへの飛び込みは走りの質が落ちてない証だとは思うんですが、なかなか結果が伴いませんね…(下記リンク参照)



まあ、もちろん岐阜がしっかり中央を締めており中の選手が駆け引きに勝てなかったという部分もあるわけですが、ゴールに肉薄していたのでもう一歩という部分でしょう。こういうヒリヒリした試合を取り切れるかどうかという、より”レベルの高い”期待をさせてもらえそうです。斎藤さん、赤嶺さん、そしてリカルドさんが加わってクロスの入れ方の重要性はより高まっていきそうですし。むっくんも圧倒的に成長をするんや…

そろそろミドルシュートや左クロスへの飛び込みも実ってほしい。いつもジャンプ一番クロスに飛び込むもズルーってなってるのもそれはそれでエモーショナルなのですが…w



それでは。